ヤブデマリとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ヤブデマリ
学名

Viburnum plicatum var. tomentosum

和名
藪手鞠
別名・流通名
ビバーナム
科名
ガマズミ科
属名
ガマズミ属
原産地
日本、中国、台湾

ヤブデマリの特徴

ヤブデマリは、日本、中国、台湾に自生する落葉低木です。(中木や小高木に分類されることもあります)

種類が多いビバーナムの一種で、ビバーナムの名で販売されていることもあります。植物分類の学名上は、オオデマリの変種とされています。手毬のような花が藪に生えることが和名の由来です。

ヤブデマリ

春から初夏に、水平に伸びた枝先にガクアジサイに似た白い花が上向きに多数開花します。本来の花は中心のクリーム色がかった部分で、花に見える白い部分は、装飾花と呼ばれる萼(がく)が変化したものです。花弁に見える部分は5枚で構成され、そのうちの一枚が極端に小さいユニークな形をしている特徴があります。よく似た花にビバーナムの仲間のオオカメノキ(ムシカリ)がありますが、前述の特徴から5裂する装飾花が均等ならばオオカメノキ、ひとつが極端に小さければヤブデマリと見分けることができます。

ヤブデマリの詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 2~5m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色
開花時期 4月~6月

ヤブデマリの種類

姫ヤブデマリ

ヤブデマリの矮性種。キリマンジャロサンライズは、登録種苗品種。

ヤブデマリ・ピンクビューティ

ヤブデマリの園芸品種。咲き始めは白い装飾花が、咲き進むにしたがってピンク色に変化する。

ヤブデマリの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
植え付け
剪定

ヤブデマリの栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりが良い場所から半日陰程度までで栽培可能です。真夏に西日が強く当たる場所は避けましょう。

用土

やや湿り気を好むため、肥沃で保水性のある土が適しています。

ヤブデマリの育て方のポイント

水やり

根付いてからは雨に任せて問題ありません。ただし極端な乾燥には弱いので、地面が割れるような日照りが続く場合は水やりをしましょう。

鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと与えます。夏の水切れに注意しましょう。

肥料

自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても毎年開花します。

与える場合は、落葉期の寒肥と花の開花後にお礼肥えとして緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を与えましょう。

病害虫

病害虫には強い花木ですが、葉が穴だらけの虫食い状態になったら、サンゴジュハムシの食害かもしれません。

サンゴジュハムシは、3月~4月は幼虫として葉を食害し穴だらけにした後、5月に一度土に潜り、6月~7月に成虫になると再度葉を食害します。

一度食害されると毎年のように卵を産み付けることが多いので、幼虫や成虫発生時に早めに対策を取りましょう。

ヤブデマリの詳しい育て方

選び方

樹形の美しいしっかりとした苗木を選びましょう。基本種のほか、矮性種や花がピンクの品種、四季咲き種などもあります。

植え付け

真冬を除いた落葉期が植え付け適期です。11月~12月前半もしくは2月下旬以降がよいでしょう。枝は横に広がるので、隣の木々との株間は広く取りましょう。

根鉢のサイズの倍の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。

植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。

剪定・切り戻し

自然樹形で管理できますが、枯れた枝や混みあった枝がある場合は剪定をしましょう。

ただし、古い枝は次第に花つきが悪くなるので、全体の枝ぶりを見ながら枝の更新をするとよいでしょう。その際は枝分かれしている部分や根元から切り取り、自然に近い樹形に仕立てると美しい姿に仕立てることができます。

大きな剪定は花後に行いましょう。花芽は7月~8月頃にできます。秋以降の剪定は来年の花芽を落としてしまう可能性があるため、不要枝を落とす程度にとどめましょう。

ヤブデマリ

春から初夏にかけて開花します。花後に果実が実り、夏から秋にかけて果実をはじめ花序付近の枝も赤くなり、熟した果実は黒くなります。

夏越し

特別な夏越しの必要はありませんが、鉢植えは夏の水切れに注意しましょう。

冬越し

秋に紅葉した後、落葉して越冬します。特別な冬越しの必要はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し木で増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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