ヒメウツギとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ヒメウツギ
- 学名
Deutzia gracilis
- 英名
- Japanese Snowflower
- 和名
- 姫空木
- 科名
- ユキノシタ科
- 属名
- ウツギ属
- 原産地
- 日本
ヒメウツギの特徴
冬になると葉を落とし、春になると新しい芽を枝につける落葉低木のヒメウツギ。古くから日本全域に分布しています。低木は3m以下の樹木を差しますが、ヒメウツギは生長しても1mに満たないくらいでしょう。背丈がそこまで大きくなく、手の届く範囲で剪定できることから一般家庭でも植えられる機会の高い樹木です。ヒメウツギの花は純白。天に向かって花開くのではなく、斜め45度下の地面に向かい花が咲きます。5枚の花弁が開くと直径2㎝程になります。葉は6㎝程度の楕円で濃い緑色ですが、葉裏に毛が無いのが特徴です。ザラザラする肌触りではなくツルツル滑ります。
ヒメウツギの詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | ~1m程度 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 4月~5月頃 |
こんなに保存できるの?ヒメウツギの種保存方法
種は一般的に、収穫したらすぐまくか、一年以内の適期に植え付けます。しかし、ヒメウツギのタネは一年ならずとも二年、三年と種を保存できる種類なのです。採取した後、ひんやりとした場所で乾燥しないように保存するのが普通ですが、ヒメウツギの種は乾燥に耐えうるのです。高温状態だと誤って発芽してしまう恐れがありますが、常温状態であればどこに保存していても大丈夫。果肉の付かないタイプの種なのでこのような保存が出来るのです。採取した種を人にプレゼントするのも良いですね!
遥か昔の日本人の心に届いたヒメウツギ
日本原産のヒメウツギは古くから人々に愛されてきました。その証拠に日本最古の和歌集である「万葉集」にてヒメウツギの唄が読まれています。その数なんと24首。ヒメウツギとの明記ではなく、空木とされたり「卯の花」と言葉の形は変えられていますが、それらはヒメウツギです。ひっそりと咲くあまり主張をしない花は歌を歌う人の繊細な心にその姿が捉えられていたようです。是非万葉集から探して読んでみて下さい。
ウツギの名の由来
ヒメウツギは漢字で書くと「姫空木」となります。ウツギとはどういった意味なのでしょう。漢字を見ると空の木となっていますね。この「空」は天の空ではなく、何もない「空」つまり「カラ」という意味なのです。ウツギの木はその中が空洞になっています。何もない「カラ」の木だから「空木(ウツギ)」とされました。しかしこれ意以外にも語源があります。ウツギは古くから木釘として使われてきました。この木釘を打つ。「打つ木」→「うつき」→「ウツギ」と名前が変化したとされています。
ヒメウツギの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ヒメウツギの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりがよく水はけが良い場所が適していますが、半日陰程度まで適応します。ただし、日当たりは花つきに影響します。
用土
地植えのヒメウツギは、苗を植え付ける場所に腐葉土を多目に混ぜ合わせましょう。元肥として有機性肥料も施します。
鉢植えのヒメウツギは、花用の培養土でも問題なく育ちます。
ヒメウツギの育て方のポイント
水やり
鉢植えのヒメウツギは、鉢の表面が乾いたらたっぷりとを目安に水やりをしましょう。乾燥を嫌うので、鉢植えで育てる場合は水切れを起こさないように注意しましょう。
地植えのヒメウツギは、根付いてからは水やりの必要はありません。地面が割れるような日照りが続いた場合は、水やりをしましょう。
肥料
追肥は生育期に行いましょう。地植えの場合株元に油粕肥料を与えると栄養を沢山吸収し育ちが良くなります。鉢植えの場合は緩効性化成肥料を月に一回ほどやると順調に成長してくれるでしょう。鉢植えの場合は株から距離を取って肥料を置いてください。
病害虫
暖かい時期にうどんこ病が発症します。これは葉が白くなってしまい光合成が出来なくなる病気です。湿度の高い場所に発生するので葉同士の風投資をよくしましょう。うどんこ病が出てしまったら早めに薬剤を散布し広がらないようにします。
ヒメウツギの詳しい育て方
選び方
春に4号サイズ程度の鉢ものがたくさん流通します。枝ぶりと花付きが良い株を選びましょう。
植え付け
地植えの場合、苗についている土を良くほぐして根をほぐしてから植えつけます。
鉢植えは、一回り大きな鉢に植え付けましょう。
仕立て方
ヒメウツギは、一般的にはグランドカバー的な用途で使われることが多い花木です。丈夫で日当たりから半日陰までと適応範囲が高いので、幅広い場所で植栽されています。
剪定・切り戻し
ヒメウツギは自然に樹形が整いますが、枯れた枝、元気のない枝、混みあいすぎた枝は剪定をしましょう。
大きくしたくない場合は、花後に半分程度の丈に切り戻す作業を毎年行います。
剪定を行う場合は、花が終わったらすぐに行いましょう。秋などに剪定すると、翌年の花芽を切ってしまうことになるので注意します。
花
4月~5月に開花します。
夏越し
耐暑性があるので特別な夏越しの必要はありません。
冬越し
耐寒性があるので特別な冬越しの必要はありません。