ムベ(郁子)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • 郁子(ムベ)の実の特徴
  • 郁子(ムベ)の花の咲く季節と特徴
  • 郁子(ムベ)
  • ムベの実
植物名
ムベ(郁子)
学名

Stauntonia hexaphylla

和名
郁子、野木瓜
別名・流通名
トキワアケビ
科名
アケビ科
属名
ムベ属
原産地
日本

ムベ(郁子)の特徴

ムベは、アケビ科ムベ属の常緑つる性木本。トキワアケビという別名の通り、アケビに似た食べられる実をつけます。常緑なので冬でも葉が落ちず、生長すると幹が木質化するのが特徴です。常緑といっても暖地を好むので、庭植えで育てられるのは東北以南が向いています。

ムベ属の仲間は、アジアの温帯から亜熱帯地域におよそ15種がありますが、日本に自生しているのは、このムベ(Stauntonia hexaphylla)のみです。

光沢のあるグリーンの葉には厚みがあり、手のひらを広げたようなフォルムをしています。新芽は柔らかいつる性で、つるを伸ばしながら周囲のものに絡みついて大きくなっていきます。パーゴラやアーチ、フェンスなどに絡めて楽しむことができます。常緑なので目隠しにも利用できます。

ムベの花は、大きな葉の陰に隠れるように咲いています。花の大きさは1.5~2cm程度、花びらは6つに裂け、外側に反り返るようなフォルムをしています。ムベの花びらのように見える部分は、ガク片が変化したもの。便宜上これを花びらと呼んでいます。ムベの花はうつむくようなベル咲きで、花びらに厚みがあり、花の外側は白っぽいクリーム色で、花のなかに赤紫色の筋があるのが特徴です。

雌雄同株で、雌花と雄花を咲かせます。雄花にはおしべが6つ、雌花にはめしべが3つあります。雄花と雌花の見分け方は、なかを覗き込んでしべの数を数えればわかります。

ムベ(郁子)の詳細情報

園芸分類 庭木、常緑
草丈・樹高 3m以上
耐寒性 普通
耐暑性 強い
花色 白、淡クリーム色(内側に赤紫の筋)
開花時期 4月~5月

ムベ(郁子)とアケビの違いと見分け方

ムベ(郁子)とアケビの花の違い

ムベとアケビは花の咲く時期、花のフォルム、花の色が違います。

ムベの花が咲くのは4月~5月前半頃、アケビの花が咲くのは3月~4月です。ムベの花のフォルムは花びらが6枚のベル型の花、アケビの花のフォルムは花びらが3枚でふっくらとふくらみがあり、大きな雌花1つと小さな雄花数個が集まって咲きます。ムベの花色は白っぽいクリーム色で内側に赤紫色の筋、アケビの花色は薄紫からピンクをしています。

ムベ(郁子)とアケビの実の違いと特徴

ムベとアケビの実の違いは、裂開するかしないかです。ムベの実は熟しても裂開しませんが、アケビの実は裂開します。秋に実が割れてなかの果肉が見えていたら、それはアケビです。

さらに、ムベの実とアケビの実は色が違います。ムベの実は卵型で暗い赤紫色、アケビの実は楕円形で茶色かくすんだピンクや赤紫色をしています。

ムベとアケビの実は、収穫できる時期に少し違いがあります。ムベの実は10月~11月、アケビの実は9月~10月です。

ムベ(郁子)とアケビの見分け方

ムベとアケビの見分け方は、春なら花の色とフォルム、秋なら実の色とフォルム、裂開しているかどうか、それ以外の季節は葉のフォルムと落葉しているかどうかを確認します。春はベル型の花が咲いていればムベ、秋は実が裂開していればアケビというふうに見分けることができます。

ムベ(郁子)の花言葉

ムベ(郁子)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
植え付け
収穫

ムベ(郁子)の栽培環境

日当たり・置き場所

半日陰でも育ちますが、実を収穫するなら日当たりの良い場所に植え付けましょう。

用土

水はけと保水性が良い土壌を好みます。鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。

ムベ(郁子)の育て方のポイント

水やり

根付いてからは、特に水やりの必要はなく、降雨に任せます。鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。

肥料

初春と秋に緩効性肥料を与えます。

病害虫

特に目立った病害虫の被害はありません。

ムベ(郁子)の詳しい育て方

選び方

葉が濃いグリーンでつやがあり、下の方が変色していない株を選びましょう。

植え付け

9月~10月が植え付け適期です。

仕立て方

ムベはつる性なので、つるが伸びて暴れだしたら、誘引をしてととのえます。フェンスやトレリスなどに巻きつけるようにしましょう。

剪定・切り戻し

樹形を整える剪定は、冬から初春に行います。混みあった枝をすいたり、全体の樹形を整えるようにしましょう。花後5月~6月頃に伸びすぎたつるを整えるように切り詰めます。この時、花が咲いていた枝は切らないように注意しましょう。実を収穫できなくなってしまいます。

ある程度生長し、花芽がつくようになるまでは、むやみに剪定しないようにしましょう。伸びたつるが暴れるようなら誘引してすっきりさせましょう。

植え替え・鉢替え

鉢植のムベは2~3年に1度、一回り大きな鉢に植え替えます。

郁子(ムベ)

ムベの花が咲くのは4月~5月前半頃です。ソメイヨシノが散り始めたころ、ムベの花は咲き始めます。それほど開花期間の長い花ではないので、うっかりしていると見逃してしまうこともあります。

収穫

ムベの実が熟すのは10月~11月です。暗い赤紫色になった頃に収穫します。

冬越し

常緑性なので、特に必要な冬越し作業はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ムベは挿し木で増やせます。

ムベの実をたくさん収穫するコツ

ムベは自家受粉しづらいので、2株以上を植えるとよいと言われています。人工的に授粉も行えば、さらに収穫を期待できます。人工授粉の方法は、柔らかい絵筆などで異株の花粉をめしべに付けます。同株でも問題ありませんが、異株の花粉の方が結実しやすくなるようです。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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