テンナンショウとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
テンナンショウ
学名

Arisaema

英名
Jack-in-the-Pulpit
和名
天南星
科名
サトイモ科
属名
テンナンショウ属
原産地
東南アジア

テンナンショウの特徴

テンナンショウはサトイモ科テンナンショウ属に分類される植物の総称で、有名なものではマムシグサやウラシマソウなどがあります。

テンナンショウは日本にも自生しており、ウラシマソウなどはカンアオイなどと同じように古典園芸植物として楽しまれています。

テンナンショウの花の形はカラーに似ており、美しいのですが、果実に毒があり、誤って口にいれると中毒を引き起こす場合があるそうです。

これは果実に含まれているシュウ酸カルシウムが原因と言われています。

普通に観賞用として育てている場合は誤食してしまう可能性は低いでしょうが、山菜採りなどに出かけた場合は誤って採取しないように注意しましょう。

また、観葉植物の中でも山野草に分類され、品種によっては高山植物に分類されるものもあるため栽培難易度はやや高めです。

テンナンショウの詳細情報

園芸分類 観葉植物
耐寒性 品種によるが、日本に生えているものは強い
耐暑性 普通
耐陰性 あり
花色 品種によって異なる
開花時期 4~5月

テンナンショウの栽培環境

日当たり・置き場所

日光
テンナンショウは真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理してください。
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、50%~80%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。
気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

低温に強いという訳ではないので、0℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が10℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。
気温が10℃前後になると成長が緩慢になります。

用土

テンナンショウ は水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。
自分でブレンドする場合は、腐葉土4:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。
市販の山野草の土でも問題ありません。

テンナンショウの育て方のポイント

水やり

テンナンショウは湿度を好むので、成長期は土の表面が乾いたらたっぷりと水をやってください。また、休眠期に葉を落とした状態になったときも、土を完全に乾燥させずに土の表面が乾燥したら水やりをするようにしてください。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
テンナンショウは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがテンナンショウの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにテンナンショウを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

テンナンショウの詳しい育て方

選び方

テンナンショウを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々テンナンショウが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

植え付け

植え付けは3月と10月に行うのがおすすめです。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

剪定・切り戻し

切れ味の良いハサミやナイフを使って古くなった葉や枝(茎)を剪定し、通気性を良くしてください。
剪定は成長期の後半か、成長期が終わった後に行うのがおすすめです。

植え替え・鉢替え

1~2年に一度新しい土に植え替えを行ってください。

サトイモ科特有の仏炎花序を持った花になります。色味が様々あり、愛好家もいるようです。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。50%~80%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が10℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを土の表面が乾燥しはじめてから2~3日後を目安に行うようにしてください。
気温が0℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように10℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

株分けで増やすことができます。葉が落ちた秋の植え替え時に行うと良いでしょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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