ススキの季節と種類。パンパスグラスとの見分け方は?
山田智美
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日本の秋の代名詞のように親しまれているススキにはどれくらいの種類があるのでしょう。自宅の庭で育てることは可能なのでしょうか。よく似ていると言われるパンパスグラスとススキの違いや見分け方は?
知っていそうで意外と知らないススキのあれこれと、目線を変えた魅力についてご紹介します。
目次
ススキ基本情報と種類
ススキ
- 学名:Miscanthus sinensis
- 和名:尾花(おばな)、萱(かや)、茅(かや)
- 科名:イネ科ススキ属
- 分類:多年草
ススキが見頃を迎える季節は秋です。お月見には欠かせない、秋の代名詞のようなススキ。秋の七草の一つでもあります。
尾花という名前は、ススキの穂の形状が動物の尾に似ているところから付いた名だと言われています。萱(かや)または茅(かや)は昔の呼び名です。かつてススキは、その穂で屋根を作る等、私たちの生活に密着した形で利用されていました。茅葺屋根(かやぶきやね)という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
そんな日本の秋の代名詞のようなススキですが、実は丈夫で育てやすく、すっとした草姿から、海外のガーデナーの間でも人気の植物です!お庭のなかでアクセントの役目を果たす、オーナメンタルグラスとして愛されています。
真直ぐに高く伸びた茎の先に、軽やかな穂を付けて風にそよぐ姿は、少し寂しくなり始めた秋のお庭の中で独特な存在感を放ちます。
この機会にススキの魅力を見直してみませんか。
ススキの種類
代表的なススキの種類を紹介します。園芸店やネット通販などで入手が可能な品種です。
タカノハススキ
Miscanthus sinensis ‘Zebrinus’
葉に薄黄色の斑が横縞のように入るススキです。「Zebra grass(ゼブラグラス)」という英名もあります。黄斑が明るい印象を与えます。草丈が2mくらいまで大きくなるので、庭植にするなら大きく場所を確保した方が良いでしょう。
イトススキ
Miscanthus sinensis f. gracillimus
葉が通常のススキよりも細いのでついた名称。生長しても1m程度にしかならないので、コンパクトにまとまり、育てやすい品種です。
シマススキ
Miscanthus sinensis ‘Variegatus’
葉に縦に白斑が入るタイプのススキです。コンパクトにまとまり、強健で育てやすい品種です。
クライン・シルバースパイン
Miscanthus sinensis ‘Kleine Silberspinne’
オランダで改良された品種です。シルバーの穂が美しく、強健です。大きく生長しますが、冬になっても枯れた状態で地上部が残るので、立ち枯れた姿も美しく、寂しくなった冬の庭を彩ってくれます。
ススキの育て方
日当たり
ススキは日当たりのよい環境を好みます。十分に日が当たるような屋外で育ててください。
土壌
水はけの良い土壌を好みます。痩せ地でも育つ強健な植物ですので、あまり土壌は選びません。
水やり
鉢植えのススキは表土が乾いたら、鉢底から出てくるくらい、たっぷりと水を与えます。地植えのススキは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。夏に高温乾燥が続いた場合には、しっかりと水を与えてください。
植え付け、植え替え
ススキの植え替えは休眠期の2~3月に行います。ススキは毎年株で成長しますので、大きくなり過ぎていたら、この時に株分けも行うといいでしょう。
肥料
ススキは過肥を好みません。特に与える必要はありません。
増やし方
株分けで増やせます。株分けは休眠期の2~3月に行います。
その他必要な作業
ススキは枯れ姿も美しい植物です。冬の間もドライフラワーのようになった姿で、庭を賑やかしてくれます。冬の間は立ち枯れ姿を楽しみましょう。
翌春には新芽が出てきます。2~3月になったら新芽を切らないように、地際から5㎝程度のところで刈り込みます。
※ススキの葉は細く、指を切ってしまうことがあります。手袋をする等の注意をしてください。
パンパスグラス基本情報
パンパスグラス
- 学名:Cortaderia selloana
- 和名:シロガネヨシ
- 科名:イネ科シロガネヨシ属
- 分類:多年草
南米原産の多年草です。草丈が高く3mくらいまで生長します。雌雄異株で、花穂だけでも50㎝以上になります。
パンパスグラス’プミラ’など、高さ1m~1.5m程度までしか生長しない矮性の品種もあるので、庭の大きさや周囲の植物とのバランスを考えて品種を選択してください。
パンパスグラスの育て方
日当たり
日当たりの良い場所を好みます。
土壌
痩せ地でも育つ強健種です。水はけさえ気をつければ、特に用土は選びません。パンパスグラスはとても大きくなるので、鉢植えには不向きです。地植えで管理しましょう。
水やり
パンパスグラスは一度根付けば、特に水やりの必要はありません。
植え付け、植え替え
パンパスグラスの植え替え、植え付けは、春か秋の暖かい日に行います。植え付け、植え替え後はたっぷりと水を与えます。
肥料
過肥を嫌います。植え付け時に元肥を混ぜ込めば、特に肥料の必要はありません。
増やし方
パンパスグラスは株分けで増やせます。春か秋の暖かい日に行います。
その他必要な作業
耐寒性があまり強くないので、冬は霜除けのマルチングをしてあげたほうが良いでしょう。冬の間立ち枯れ姿を楽しんだら、翌春3月頃、新芽が出てくる前に株元から昨年の枯れた葉を刈り込みます。
※ススキと同じくパンパスグラスの葉は細く、指を切ってしまうことがあります。手袋をする等の注意をしてください。
\次はススキとパンパスグラスの見分け方をご紹介!/
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