みんなが飲んだコーヒーを有機質肥料「+Coffee」にアップサイクル!
LOVEGREEN編集部
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アップサイクルとは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること。「創造的再利用」とも呼ばれています。普段わたしたちが飲んでいるコーヒーの抽出かすも大量に捨てられるもの。そのコーヒーの抽出かすから、良質な有機質肥料が誕生しました。
目次
大量に廃棄されるコーヒー抽出かす
自宅やカフェ、コンビニなど気軽にどこでも飲めるコーヒー。その国内消費量は増えつづけており、それに伴いコーヒー抽出かすの排出量も増加しています。そして、それらの大部分が焼却・埋め立て処分されているのをご存知でしょうか?
年間600万トン以上排出される鶏ふん
一方で、今現在日本国内で飼育される1億4000万羽のニワトリからは、毎日約1万6800トン、年間約613万2000トンもの鶏ふんが排出されています。
養鶏場では、鶏ふんの臭いが深刻な環境問題となっており、その課題解決を考えていく過程で消臭効果のあるコーヒーの抽出かすが注目され、さらにそれが良質な有機質肥料が生まれるきっかけとなりました。
アップサイクルで生まれた有機質肥料「+Coffee」
良質な有機質でありながら毎日大量に廃棄されている「コーヒー抽出かす」
高い肥料効果がありながら、その臭いから一般家庭では使いづらい「鶏ふん」
この2つを地球環境にやさしい有機質肥料へアップサイクルしたのが「+Coffee」です。
販売元のliveR(愛媛・四国中央)さんに、開発の経緯をお聞きしました。
「養鶏場では毎日大量のニワトリのふん尿が出るので、その臭いなどが問題となっていました。鶏ふんは昔から肥料の原料として使われていますが、それでも余って農家さんに安く買い取っていただいたり、廃棄している状態。また、肥料化した鶏ふんもその臭いから、一般家庭の庭や室内では使いづらい等の課題がありました。そこで、liveRの親会社ともいえる四国ケージが、廃棄される素材同士を循環させる形で活用して生まれたのが、鶏ふんとコーヒー抽出かすを一緒に発酵させた有機質肥料でした」
農園芸に活用する形で環境負荷を軽減
四国ケージの本業は、鶏畜舎内の環境資材商品の製造販売。製品には天然由来の成分と生分解が可能な素材を使い、使用後は堆肥として土に還すことができるなど、環境に配慮した製品を生み出してきた企業です。
本業である畜舎の環境問題である「臭い」と向き合ったときに巡り合ったのが、コーヒーの抽出かす。
もともとコーヒーの抽出かすには優れた消臭効果があることが知られており、大量廃棄されているコーヒーの抽出かすと混合することで、鶏ふんの消臭をしつつ、有機質肥料にしていけないか?と考えたのがプロダクト誕生の始まりでした。
用途にあわせて3タイプをラインアップ
粘り強く開発を続けた末に完成したのが、コーヒー抽出かすと鶏ふんを合わせた有機質肥料のシリーズ。用途やシーンに合わせて3つのタイプがラインアップされています。
◎大容量のプロ農家向け肥料「コーヒーってすごいね」(15㎏入り)
◎家庭のガーデニング向け「GARDEN」(1.5㎏入り)
◎室内用にさらに臭いを抑えた「+Coffee」(50g/300g入り)
コーヒーの消臭効果で鶏ふんの臭いを約90%カット!
中でも、LOVEGREENユーザーにまず試してほしいのが、室内園芸向けの「+Coffee」です。コーヒーかすの消臭効果により、従来の鶏糞と比較すると臭いが約90%抑えられており、バランスのとれた緩効性肥料効果(N-P-K=3-2-3)に、コーヒーかすの土壌改良効果(竹炭のような多孔質)をプラスし、植物に必要な栄養を長くゆっくりと与えつつ、土の状態を柔らかくふかふかにする効果も。また、健康な植物に欠かせないアミノ酸や微量要素も含まれています。
室内の小さな鉢でも使いやすい細かなペレット状になっています。
環境に配慮するだけでばく、一般家庭で使いやすい有機質肥料としての機能にもこだわり開発されました。
「+Coffee」の使い方
元肥として
「+Coffee」は、コーヒー抽出かすと鶏ふん由来の「有機質肥料」です。有機質肥料はゆっくり長く効く肥料なので、購入した観葉植物を新しい鉢に植える時に土に混ぜる「元肥」として最適です。また、冬を越して1年同じ鉢で育てた観葉植物は、一回り大きい鉢に「植え替え」をしてあげることで、根が張りやすくなりぐんぐんと生長するので、植え替えのタイミングでも元肥として与えてみましょう。
※観葉植物の植え替えは生育期の5月~9月頃に行うのが好ましいです。
追肥として
最初に与えた肥料は、だんだんとその効果がなくなってくるので、2か月に1回ぐらいをめどに「追肥」をしてあげましょう。追肥は植物の周辺の土にパラパラとまいて、軽く土に混ぜます。
肥料を与えた後に、たっぷりと水をやりましょう。
観葉植物に肥料を与えるタイミングは、暖かくなってくる時期から。春先に暖かくなってくるにつれて、観葉植物も生長期に入り、栄養がたくさん必要になります。一般的に最低気温が15℃以上になる5月~10月頃が適しているといわれていますが、春先は特にたくさんの栄養が必要になるので、3月頃から自宅の環境や気温などの様子を見て肥料を与えるタイミングを見計らっていきましょう。
※冬の休眠期に肥料を与えると、根を傷めて枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
「捨てる」を「育む」に
こうしたアップサイクルの取り組みは、製品の開発/販売だけにとどまりません。liveRでは、都内で循環型のカフェ「NIWATORI COFFEE」も運営しています。
「NIWATORI COFFEE」では、店で出るコーヒー抽出かすはもちろん、お客さんが自宅で使い終わったコーヒーかすや、近隣カフェで出るコーヒーかすを集め、愛媛県にある合同会社liveRに送り、有機質肥料に循環させています。
また、カフェではコーヒーの提供だけでなく、プロ農家がコーヒーかすの肥料を使って栽培した野菜や果物も販売しています。
一杯のコーヒーが、養鶏場の課題を解決しながら肥料へと生まれ変わり、その肥料で育んだ農産物として還ってくる。消費者も気軽に参加できる「捨てる」を「育む」に変える循環が「Rich Soil Project」プロジェクトとして回りはじめています。
みんなの「+Coffee」の使用レビューを見てみよう
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