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自然あふれる多摩川沿いの花屋『back to nature(バックトゥネイチャー)』で叶える植物との心地良い暮らし

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渡邊ありさ

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多摩川沿いの自然豊かな場所に佇む花屋『back to nature(バックトゥネイチャー)』。姉妹でお店を営む大川さんにお話を伺いました。

『back to nature』の成り立ち

花の仕事を始めて約25年

おふたりは静岡県浜松市の自然豊かな環境に育ちました。店主の大川智子さんは、花の仕事を始めて約25年。始めは地元浜松で修行し、その後、東京の青山に新しくできたインテリアショップに併設された花屋、さらにアパレルブランド『マーガレットハウエル』のライフスタイルショップで、花の仕事の経験を積み、その後麻布十番に自身のお店を構えます。

花の世界に入ったきっかけについては「色が好きだったので、まずそこに惹かれました。また、いつも自然が身近にある田舎で育ったので、その環境も影響していると思います。」と、教えてくれました。

2014年に『back to nature』をオープン

麻布十番にお店を構えた後に、一旦は育児に専念するために花の仕事を離れますが、2014年、アパレル関係の仕事をされていた妹のオオカワジュンコさんとともに”在りそうで無い花屋”をコンセプトに、多摩川沿いのこの場所に『back to nature』を立ち上げます。

 

緑あふれる店先。鉢物や草花の苗が並びます。どこか異国へやってきたかのような空間が広がり、海外のお客様からも「懐かしい」と言われることがあるのだとか。

『back to nature』の花

‟身近にお花を”という想いが軸

様々な花との関り方をしてきた大川さん。マーガレット・ハウエルとの出会いが、花に対する考えが変わる転機になったと言います。

イギリス人のマーガレット・ハウエルにとって、植物はとても身近なものであり、花は‟飾るためのもの”というよりも‟生活を豊かにするため”のものという感覚があったそうです。そんなマーガレット・ハウエルと共に市場やイギリスへ訪れている間に、彼女の花に対する考えや、生活自体に対する考えを知っていき、そこに大川さんは共感をします。

 

「道端に咲く花を摘んで、ベッドルームに飾ってみる。そういう花との関りが自分の中にすっと落ちたんです。ああ、私、こういうのが好きだなって思いました。なのでこれからも‟身近にお花を”という想いを軸にやっていきたいなと思います。」この大川さんの想いが『back to nature』の原点となります。

 

仕入れる花は、季節の花をリアルタイムに。

仕入れる花のこだわりについては、「季節の花ですね。そして、今の季節に飾ると気持ちがいいなと思う花。今はすごく花のサイクルが早いんです。夏が始まった頃には秋の花が市場に並びますが、『back to nature』では季節の花をぎりぎりまでリアルタイムで仕入れていこうと思っています。また夏はお花が持たないと言われますが、季節の花ならちゃんと持つんです。ちゃんとその花に手入れをしてあげれば、しっかりと寿命を全うしてくれる。なので、先入観に囚われずに、どんどん積極的に暮らしに花を取り入れてほしいですね。」と、人と花との関りについての想いも込め、教えてくださいました。

 

子供の頃に見た懐かしさを感じる花にも惹かれるというおふたり。この日店頭に並ぶ、ハスやガマも思い出の植物だそう。「実家の近くによく生えていたんですよね。ガマを取るには泥だらけになってそこまでいかなきゃいけなくてね。」と、幼いころのエピソードを添えてお話くださいました。

 

サボテンや多肉植物など、花だけではなくグリーンも豊富です。

 

花を紡ぐインスピレーション

大川さんに、夏のブーケを組んでいただきました。仕上がったのは、繊細さの中に力強さを感じる季節の草花が生き生きとしたブーケ。こうしたブーケやアレンジメントを組む際のインスピレーションについて伺うと、「自然に咲いているありのままの姿の花ってやっぱり綺麗だなと思うんです。なので、市場から買ってくる花はもう切られていますが、できるだけ自然の姿に近づけたいなと思っています。自然に負けたくない。近づけたい。そんな風に考えています。」と、教えてくれました。

 

花だけではない『back to nature』の魅力

こだわらない、というこだわり。

「あまりこだわりはないです。それが、こだわり。こうでなきゃいけないというものを決めていないんですね。色んな人たちとシェアしながらお店をつくっていきたいです。その時々につながっている人たちと一緒に楽しくできたら嬉しいです。」というおふたりの意向により、『back to nature』店頭には、花だけではなく、雑貨、時にはお菓子なども並びます。

こちらは『back to nature』定番のオリジナルアイテムであるガーランド。貝殻やヒトデを用いた夏のデザインが涼やかです。

 

これらの雑貨は、ジュンコさんのハンドメイド。奥で微笑むネコちゃんの表情、とても素敵です。

 

さいごに

さいごに、これからの『back to nature』について伺いました。

「私たちの子供たちがお店を継ぎたいと思ってくれるような、若い子たちでも魅力的だなって思ってもらえるような店でありたいと思いますね。その為に、常に試行錯誤しています。」と、ジュンコさんが語ると、「色々なものを見て、常に勉強していかないといけないなと思いますね。」と、大川さんも想いを教えてくれました。
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(写真左から大川智子さん、オオカワジュンコさん)

多忙な日々を過ごす方や、時間や気持ちに余裕を持ちたいと考える方が多い時代。そんな方々に、まずは1輪の花を飾ってみてほしいと、おふたりは言います。1輪の花が、ふと足を止めて生活を見直すきっかけにもなり、また忙しさに追われて見逃していた美しい季節の移り変わりにも気付かせてくれるきっかけにもなるのではないでしょうか。『back to nature』は、そんな植物との心地良い暮らしのヒントが見つけられる場所です。

是非、訪れてみてください。

 

▼店舗情報は、こちらから

back to nature

  • 最寄駅 : 東急東横線 目黒線 多摩川線「多摩川駅」
  • アクセス : 東急東横線 目黒線 多摩川線「多摩川駅」より徒歩3分
  • 住所 : 東京都大田区田園調布1-55-20

花屋という仕事は、切られた花など自然から離された植物を相手にしていますが、本当は自然の中に咲く花や、草木、それが一番美しい状態だと思っています。
どんなに手を尽くしても、自然に生えている状態には勝てないのです。
花束を作ったり、花をアレンジする場合、いつも自然の風景からインスピレーションを得て少しでもそこへ近づきたいと思っています。
そして... 花屋としては〝在りそうで無い花屋〟をコンセプトに。
back to Natureの作り出す花を通して、皆様の心へ自然の風景をお届けできればと願っております。

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渡邊ありさ

大学では美術史、アートマネジメントを専攻。卒業後は広告業界に従事しつつ、花好きな母親の影響を受けフラワーアレンジメントを学ぶ。趣味の旅行で国内外の花屋を巡り、花との関わりについて様々なインスピレーションを受け、現在は、花・植物との暮らしの豊かさと、そこに携わる人の想いを広く伝えるべく日々奮闘。LOVEGREENでは、お花屋さんを取材した記事を主に作成しています。

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