前田有紀の一“花”言vol.10「3種の枝もの」~この春生けてみませんか?
LOVEGREEN編集部
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春が訪れると気になる“枝もの”。
取り入れてみると大胆に手軽に飾れるものなんです!
春に大胆に飾りたい「3種の枝もの」をレコメンド
枝ものはとっつきにくいと思っている人が多いイメージがあり、実際に私も花屋で働くまでは飾ったことがなかったんです!
お花といえば草花のお花って感覚でいました。だけど、いざ飾ってみると長持ちするし、枝の曲がり方や生え方が一つ一つ違って個性があって楽しめると感じました。枝もののフォルムは、人それぞれの見え方や感覚が異なってくるのも面白いところかなと感じます。
そして、枝ものは、季節のならではなので、出回るととても季節感があるので、この時期がやってきたなと思い出も一緒にできてきます。
長持ち、個性がある、季節を感じられるといいとこずくめなので、その中から早春の枝ものとしておすすめの3種をご紹介します!
こでまり
白くふわふわしたような可愛いお花で枝が伸びやかなので、ブーケなどにも一緒に入れたりアレンジにしたり活用している枝ものです!
私は家で飾るときには、こでまりだけでごそっと飾って、「またこの季節がきたな!」と春の雰囲気を感じています。
小さな白いお花を次々と咲かせえるので、蕾が多めなのを購入してくると、小さな蕾から全部の蕾が花をつけるので長く楽しめる。
\こでまりを生けるときのポイント/
葉が多いのでお水をよく吸い上げます。こまめにお水を取り替えてあげましょう。
細め枝なので、手で折ると細かい割れ目が入りやすくなるので、ハサミは必要ないです。水の吸い上げなどが気になる場合は、ナイフで回りを軽く削ってあげるといいです。
下処理もすると生けたお花に、より愛着が湧いてきますので、そんなお花の楽しみ方も感じてもらえたらうれしいです。
ミツマタ
私が大好きな春の枝ものです!鎌倉が好きでいろんなお寺を家族で散歩で回っていた時、円覚寺の奥にとても立派なミツマタの木と出会ったのが始まりです。そこで見てから「可愛い枝ものがある」っと思っていたところ、市場でも見かけるようになって購入して飾るようになりました。
ミツマタは、お花がうつむき加減だったり、枝が三つに分かれているフォルムがオリジナルでユニークで、花の香りもよく、他の枝ものにはないオンリーワンの枝ものな気がしています!
実は、私の中ではお花だけではなく、茎もミカンぽい香りがするのもはまっていたり!気になる方は、枝の香りもお楽しみくださいね!
ボケ
色が可愛いくて、赤ともピンクとも言えない中間色な色味が魅力的。枝の生え方がそこまで広がるわけでなくシンプルな枝ぶりで、スペースが狭くても飾りやすく一本でもお部屋を華やかにしてくれる枝ものです。
また、和のイメージが強いかたもいると思いますが、意外にどんなフラワーベースにも合いやすくカジュアルに気軽に飾ることができる枝ものです。最近は、アパレルのディスプレイでもよく見られますね!
長くたのしむには、蕾がついている枝ものを購入してくると、お花が咲ききるまでの様子を楽しむことができます。花が咲ききるまでに、グリーンの葉も伸びてくるので、春に向かう様子をお部屋でも感じることができますよ!
\ミツマタやボケを生けるときのポイント/
木が太めの枝ものを生けるときは、給水しやすくするためにちょっとした下処理をすると長く保つことができます!
木に十字に切り込みを入れます。
十字に切り込むだけでも十分ですが、ナイフなどで少し枝の周りを削ってあげるといいですよ!
今回使ったフラワーベースはこちら!
枝ものっていうとなかなかとっつきにくい印象をもってしまうもの。ボケの花は和のイメージだから、和もののフラワーベースで、置く場所も和室と楽しむ場所を限られてしまうのは、とてももったいないです!和もののお花だけでなく、枝ものが意外に手軽に飾れてしまうようなフラワーベースを準備しました!
以外に洋風に見えるフラワーベース。このような、ミルクを入れるようなデザインでも意外に合うものです!
今回ご紹介した枝ものは、お寺とか植栽とかによく使われている枝ものですが、お庭がなくても切り花で気軽にその季節の枝ものを楽しんで、
是非、お花を生けるのが楽しくなるお気に入りのフラワーベースや枝ものを見つけてくださいね!
引き続き、隔週金曜日に前田さんの連載の「前田有紀の一花言」を配信しますので、お楽しみに!
フラワースタイリスト
前田有紀
2013年イギリスに留学し、帰国後フラワースタイリストとして活躍。イベント装飾やブーケやアレンジメントの制作を手がけ、雑誌やSNSなどでメディアを通して花と緑のある暮らしを提案している。2017年の春以降は積極的にワークショップも行い、花や緑に関わる人々と直接ふれあうことでリアルな声も積極的に取り入れている。また、2017年10月にオープンした「世界の花屋」では、デザイン監修を務め、世界の花々の生産や流通など、花の歴史などの魅力を伝えている。
Facebook/前田有紀『一日一花』
instagram/@yukimaeda0117
世界の花屋/公式サイト
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