夏の植物!食虫植物のきほんの育て方

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画像提供:木谷美咲

ホームセンターや園芸店などで見かけることも多くなった食虫植物。その植物らしからぬ姿に目を奪われたという方も多いのでは。今回は食虫植物愛好家の木谷美咲さんに基本の育て方を伺いました。

教えてくれた方

食虫植物愛好家
木谷 美咲さん

1978年東京都生まれ。食虫植物に出会って、形や生態に魅せられる。執筆活動の他、テレビやラジオへの出演、イベントの参加などを通じて、食虫植物の紹介と普及に努める。

食虫植物とは?

食虫植物とはその名の通り虫を花や蜜で誘い、捕虫葉と呼ばれる葉が変化した部分で捕まえ、消化吸収して自分の養分にしてしまう植物のことです。ハエトリソウやサラセニアなど色々な種類があります。

どこに生えているの?

食虫植物は北極、南極、砂漠などの極地を除いた世界中に自生しており、約600種が確認されています。日本ではおおよそ21種の食虫植物が自生しており、コウシンソウなど日本固有の種もあります。

なんで虫を食べるの?

食虫植物が自生している場所は養分が少ない土壌の場所が多いです。そのため、虫を捕まえ消化吸収することで、生長に必要な養分を得ているとされています。育てるときに虫を餌として与える必要はありません。

食虫植物の育て方

食虫植物と言っても種類によって自生している環境が異なるため、それぞれに合った育て方をする必要があります。今回はホームセンターや園芸店などで比較的よく見かけるハエトリソウ、サラセニア、ネペンテスの育て方を紹介。

ハエトリソウの育て方

目のない口のような捕虫葉が特徴的なハエトリソウ。実は1属1種の食虫植物で、北アメリカ東部が原産になります。

ハエトリソウの育て方

イラスト:hinaji_mushi

置き場所
日当たりが良い場所を好むので、6時間程度日光が当たる場所に置くとよいでしょう。真夏は遮光し、冬には屋外で休眠させます。

水やり
乾燥に弱いため、1~2cmの深さの腰水で管理します。盛夏では鉢内の温度が上がりすぎないよう、朝晩2回水を取り替えるのがおすすめ。

植え替え
買ってきたばかりのハエトリソウはすぐには植え替えずに、環境に適応するまで待ちましょう。用土はミズゴケがよいでしょう。

サラセニアの育て方

園芸品種のヴァリエーションが豊富で、捕虫葉が太くて短いものや網目が美しいものなど様々な見た目のものがあります。

サラセニアの育て方

イラスト:hinaji_mushi

置き場所
ハエトリソウと同じく、風通しが良く、日当たりの良い場所を好みます。芽出しの時には、特にしっかり日に当てて、丈夫な葉を作ります。

水やり
1cm~2cmの深さの腰水で管理します。水に浸かる部分は用土を鉢底石にすると根腐れを防ぐことができます。

植え替え
用土はミズゴケを使うのがおすすめです。寒さで捕虫葉が枯れこむ冬の休眠期が植え替えにベストな時期です。

ちょっとColum:サラセニアの花

サラセニアの花

画像提供:木谷美咲

見た目のインパクトの強さからか、中々「花」というイメージの少ない食虫植物ですが、種類によっては綺麗な花を咲かせます。比較的メジャーな食虫植物であるサラセニアは、気温が高くなり始めた4~5月頃に花を咲かせることが多いです。

ネペンテスの育て方

ウツボカズラとも呼ばれているネペンテスは、東南アジアが原産です。ユニークな捕虫葉の形と模様が魅力的。

ネペンテスの育て方

イラスト:hinaji_mushi

 

置き場所
よく普及している種類は耐寒性が弱く、高湿度を好むため、通年温室などの暖かい場所に置きます。日当たりは半日陰程度で大丈夫です。

水やり
乾燥が苦手なため、年間を通じて空中湿度が保てるように株全体に水をかけ、用土が乾いたら用土にもたっぷりと水やりをします。

植え替え
植え替えを行うときは根を傷つけないように気を付けましょう。用土は乾燥ミズゴケを使うのがベターです。

食虫植物をより知りたいあなたへ、おすすめBooks

今回、Botapii編集部がおすすめする食虫植物に関する本はこの2冊。これから食虫植物にチャレンジしてみたいというビギナーさんから、もっと食虫植物のことを知りたいという玄人さんにも是非読んでいただきたい本です。

食虫植物をより知りたいあなたへ、おすすめBooks

「官能植物」
著:木谷 美咲
発行:NHK出版 ¥3,700(税抜)

身近な観葉植物から、食虫植物や寄生植物などの珍しい植物に至るまで、あわせて35の植物の官能美について、「形態」「生態」「匂い」「利用」の4つの方向性から論考。

食虫植物をより知りたいあなたへ、おすすめBooks

「マジカルプランツ」
著:木谷 美咲
発行:山と渓谷社 ¥1,700(税抜)

「食虫植物」「多肉植物」「ティランジア」これらの個性的な植物のスペシャリストを迎え、各々の基礎知識、育て方、アレンジメント例をたっぷり紹介。

見れば見るほどその独特な美しさに魅了されてしまうのが、食虫植物。今年の夏、新たな植物の世界を開きたい方は、ぜひ挑戦してみては?

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