世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –スペインで生産されているユッカ【後編】

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前回はスペインのユッカがどのように生産され日本に輸出されているのかをお送りさせて頂いたが、今回はスペインから日本へ輸出されているユッカの代表的な品種をご紹介しようと思う。

目次

スペインから日本に輸出されているユッカ9選

そして、これから紹介させていただくのが、スペインから日本へ輸出されている代表的な品種である。

ロストラータ・ブルー・スワン

トランクの高さが60cmのものから250cm以上のものまである。大きく拡がり、風になびくシルバーブルーの美しい葉は、まるで湖上を優雅に漂う白鳥のようであることから名付けられた。

ブルー・スワンは同社にて登録されたオリジナルの名称である。昨今は類似したものが各地で生産されるようになってきたが、大きなものは同社だけであろう。

ロストラータ・ブルー・スワン(マルチトランク)

本年度より出荷が始まったブルー・スワンのマルチトランク。高さはないがボリュームは満。今までなかったスタイルに、多く注目されている。

ロストラータ・メデューサ

今期、出荷が始まったブルース・スワンのマルチヘッド「メデューサ」である。その姿は圧巻である。日本をはじめ世界が注目しており、早ければ数本のみ来春日本にくるのでとても楽しみだ。

ロストラータ・ヒドラ

ロストラータのマルチヘッド。伝説上のHydraのようなスタイル。3ヘッドから多いものでは5ヘッド以上も。メキシコ産に似た風合い。迫力は満であるが絶対数は不足気味のため今後は入手が限定されるであろう。

リギダ

世界で一番美しいユッカとも言われるシルバーに輝く強健な広めの葉が特徴。マルチヘッドもあり、ユッカの中でもその存在感は抜群である。

リギダ・マルチヘッド

圧巻のボリュームである。ナイフのような刃先は危険そのもの。うかつに素手で触ると痛い目に。又右衛門もうっかり何度も叫び声をあげている。それでも近寄ってしまうのは、この種の美しさゆえである。

フィリフェラ・オーストラリス

強健で尖った深い緑の葉と白いフィラメントが美しいユッカ。下葉まで綺麗なままであるのがスペイン産の特徴。これを利用してフェンスなどにしてみるのも美しく、ローメンテナンスであるので素敵かもしれない。

リネアリス

ユッカの中では希少な品種。細く放射線状に拡がる葉がとても美しい。栽培数もかなり少なく、鉢上げ後弱ってしまうこともあるため、日本向けに出荷されるのはとても少ない逸品。

今後も増える要素は少ないため、お気に入りのものを見つけたら積極的に検討をされることをおすすめする。

エラータ

深いみどりの細い葉と白いフィラメントによるコントラストがとても美しい品種。絶対数も少ない上に、根の洗浄などに弱く、土を100%除去が義務付けられている日本の植物検疫に対応すると大きなストレスがかかり枯死の可能性が高いため、日本への輸入は今後控える方向である。

この他にも品種としては日本に以前から植栽しているユッカ ・グロリオサなどがある。

以上が代表的なスペイン産ユッカである。現在も組織培養による品種改良などを積極的に行っているため、今後もさらに高品質のものが生まれてくるので大いに期待はできるであろう。

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最後に

最後にあらためてスペイン産と比較してみると、メキシコ産の自然採取されたものは、独特の風合いがあり、実際に長い年月を経て生長してきた力強さも感じられ素敵だと思う。

ただし実際に日本で元気に育てるためには、まず出荷前のきちんとした養生などが必要であるにも関わらず、中には茎の下部と鉢を紐などで縛り固定し、しっかり根も張らないままでいるものが多く出回っているようなので、しっかりと確認することが必要であろう。

そして、もう一つの問題として自然採取にも制限が必要であろう。これからの時代見た目だけではなく、トレサビリティーにも目を向け総合的に判断した上で、植物を迎え入れてあげて欲しいと思う。何十年何百年もその土地で生きてきた植物であるのだから……。

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