世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –セネガル編2「ナーセリー訪問」
LOVEGREEN編集部
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今回はセネガルにて観賞用植物の生産、輸出を手掛ける数少ないナーセリーを訪問したことをお話ししたい。
目次
ナーセリーへ
朝、海沿いのホテルの素敵な景色を眺めながらパンと飲み物というシンプルな朝食をいただいた後、視察の準備を行い、かわいいネコたちに見送られ、ガイド手配の車でナーセリーへと向かった。
ここまでの長時間のフライトで遠くまで来た感は十分に得られているはずだが、バオバブを時折道路沿いに見ることができ、まず日本ではあり得ないこの景色を見ると、アフリカに来たな〜という感じがする。行き交う人や街並みを楽しみながら車を走らせ、ホテルから約1時間で目的地のナーセリーに到着。オーナーは笑顔で、遠くからよく来てくれたと歓迎してくださった。
ナーセリーの植物たち
私は日本から持参したお土産を渡して感謝の意を伝え、彼らが出してくれたコーヒーをいただきながら、出荷している植物の説明をしてもらった。まずは事務所近くの作業場で出荷準備をしているバオバブの苗を拝見した。
出荷を行っているのはパッケージされたバオバブの小型苗で、主力の商品であるとのこと。可愛らしいパッケージにベアルートのバオバブ苗を入れ、すぐに売ることができる形状で出荷されている。
実際にセネガルの空港などでも販売されていてお土産物としてとても人気が高いらしい。サイズも細かく分かれており海外からの注文も多いとのことであった。価格も数百円からあり、サイズによってはお求めやすい価格だということも売れている要因ではないだろうか。
また、同パッケージでのアデニウムも人気であるとのこと。アデニウムは、パッケージしたものや裸苗で一部日本に輸出したこともあるそうだが、継続はされていないということ。それについて意見を求められたため、いくつかのアドバイスをした。
こちらは欧州で見かけることができるバオバブの盆栽タイプである。魅力的な形状のものが多い。幹が太いものは背も高くなってしまうバオバブだが、中にはこのようにアフリカバオバブの魅力的なシルエットをそのままにして全体を小型化したような愛くるしいものが存在する。このような形になる場合があるのは「Adansonia digitata(アダンソニア・ディギタータ)」だけの特徴かもしれない。
また背丈を超える大きなサイズのバオバブも出荷していた。現地の価格はそこそこ。ただ日本ではこのような形状より、ずんぐりむっくりの形のほうがバオバブらしいと人気が高いのだが、必要であればこのようなサイズのものも輸出できるとのことであった。
こちらはパキポディウムのゲアイ。
特にマルチタイプの中にはうっとりするシルエットのものも多くあり、私はしばらく立ちつくしてしまった。
小型でユニークな幹の形状に、かわいい白い花をつけるパキポディウム サンデルシーが限定数栽培されていた。
少しではあるが大型でユニークな形状のアデニウムもあった。
その他にヤトロファなども栽培されていた。
バオバブにしろ、パキポディウムにしろ、形状が個性豊かで趣がちがうため写真などではその良さが十分に伝わらない。やはり実際に現地にて一つずつ丁寧に確認することが大切であることをあらためて感じることができた。
セネガルでの食事
そんなにも広大なナーセリーではなかったのだが、丁寧に見ていくとかなりの時間を要し、気が付けばランチタイムを大きく過ぎてしまった。
お腹が空いていた私は、ナーセリーのスタッフが出してくれたとてもおいしい完熟マンゴーをいただき、至福のひと時を過ごすことができた。この日のナーセリー訪問はここで終了し一旦ホテルに戻ることにした。そしてガイドをしてくれているパートナーの家族と一緒に夕方の浜辺に行き、地元のとれたての魚介をいただくことができた。
ムール貝に、生ガキ。海外の浜の貝類の生食という旅行者にとってはハイリスクで掟破りの食事をいただいた。
さらに生ウニ。ヒクヒクと動いているものをアイスクリームの様にスプーンですくいながら食べる。なんとも贅沢! かなりのおいしさに出されたものほとんどをたいらげた。
価格は街中のレストランよりはるかに安く提供されるが、連れて行ってもらった湾が特別なだけで、もしこのようなところに行った場合いくら海がきれいに見えても、海水の中の菌までは目視できないため旅行先での生食には十分に気を付けていただくことをお勧めする。私は全く大丈夫であったが、むしろそれは特別であり、後に中毒症状が出ることも多々あるため極力火を通していただきたい。でなければ数日間寝込んでしまい旅が台無しになってしまう可能性もあるからである。
浜辺にマングローブ。沈む夕日においしい魚介。何とも贅沢な時間を過ごすことができた。さて次回は、セネガルに自生するバオバブについてもお話をしたいと思うので楽しみにしていただきたい。
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