ジャガイモをプランターで収穫!育て方と麻袋栽培のコツ
LOVEGREEN編集部
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皆さんはプランターで栽培する野菜で思いつくものは何ですか?ハーブ、ベビーリーフ、ミニトマト…?
ジャガイモといえば大きな畑で豪快に収穫するイメージですが、実は家庭のベランダのちょっとしたスペースでプランターでも育てることができるんです。
しかも芽かきや土寄せなどをすれば、あとはお天気にませながら簡単に育てることができるジャガイモの育て方のコツを紹介します。
目次
ジャガイモの品種と芽だし
主な春夏野菜の栽培の植え付けのトップバッターといえば「ジャガイモ」です。関東などの中間地では、大体3〜4月中旬ごろまでに植え付けます。
ジャガイモは植え付けてから、およそ100日ほどで収穫できる作物です。つまり、3/1にジャガイモを植え付けると、100日後の6/9に収穫できるという計算になります。ジャガイモは晴れた日が2~3日続き、土が乾いている状態の方が収穫の時にジャガイモの皮を傷つけません。そのため、春に植え付けるジャガイモは梅雨の前に収穫可能なスケジュールを立てると良いかもしれませんね。
ちなみに、秋冬野菜のシーズンのジャガイモの植え付け時期は 8月下旬〜9月上旬です。春夏のシーズンよりも少し収穫量が落ちますが、おいしいジャガイモの収穫目指して中間地、暖地ではチャレンジしてみてください(寒冷地のジャガイモの秋冬栽培は不可)。
ジャガイモの品種
最近ではジャガイモが紫色やピンクの品種もありますので、ますます選ぶ時に迷ってしまいます。ジャガイモを調理する際に気になる「煮崩れしづらい」、食感で気になる「ホクホク感」などジャガイモの特徴ごとの品種を紹介します。
◆ホクホク系
男爵・出島など
◆煮崩れしづらい系
メークイン・インカのめざめなど
◆煮崩れしづらくホクホク系
キタアカリ・ホッカイコガネなど
◆紫・ピンク色ポテト系
シャドークイーン・ノーザンルビーなど
ジャガイモの芽出し
ジャガイモの品種が決まって、植え付けるための種イモを用意したら、ジャガイモのスムーズな発芽のために、ジャガイモの芽を軽く出してから植え付けてやりましょう。
ジャガイモの芽出しをする場所の条件
- 雨がかからず、程よい日差しががある場所。暗い場所だと徒長した白い芽が出て、植え付けるときに芽が折れやすくなってしまいます。
- 10~20℃の温度が保てる場所。強い日差しだと高温になりすぎる場合があるので注意しましょう。
以上の条件に気を付けて、2~3週間をめどに芽出しをします(品種によりあまり芽出しを必要としないものもあります)。
ジャガイモのプランター栽培|植え付け
畑でジャガイモを植え付ける場合は、土を耕し畝を作り、マルチをかけてなどの一連の作業が必要です。今回はベランダでも栽培できる麻袋またはプランターを使った育て方をご紹介します。
ベランダ栽培の注意点
室外機のすぐそばにプランターを置くのはNG
ベランダでジャガイモを栽培する際に、そのベランダが南向きか北向きかということも重要なポイントですが、一番大切なことは室外機の位置です。
ジャガイモは風通しの良い環境を好みますが、不自然な強い風、しかも熱風は禁物です。ただでさえ、プランターなどの小さな器で植物を育てるため、土の乾燥が激しく、ジャガイモが弱りやすい環境ですので、できるだけ室外機の風に当たらない環境でジャガイモを育てるようにしましょう。
プランターの準備
ジャガイモの茎葉が生長するたびに土を追加できるように、プランターにはある程度土が入るものを用意しましょう。
◆ジャガイモのプランター
深さが少なくとも30cm以上のサイズが必要です。麻袋や不燃布などでも育てることができます。今回は麻袋を用意してジャガイモを育てていきたいと思います。
土の準備
土は野菜用の培養土で育てます。麻袋は通気性に優れているので、鉢底石は使用してもしなくてもOK。
プランター栽培の場合は、排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷きます。
ジャガイモの土がアルカリ性に傾くと「そうか病」という病気にかかりやすくなりますので、使用済の土を再利用する場合の石灰の量には注意が必要です。
ジャガイモの植え付け時期
中間地、暖地では春夏と秋冬の2度、種イモを植え付けることが可能です。春夏は3月中、秋冬は8月下旬には植え付けを済ませましょう。
大き過ぎる種イモを切るときのポイントと手順
植え付ける種イモの大きさは、1片40~60gが目安です。40g以下は切らずにそのまま植え付けます。
反対に大きいものは縦に半分に切って植え付けましょう。
- 芽の数が均等になるように縦に切り分ける。
- 風通しが良い場所に2~3日置いて切り口がコルク状になるように乾かす。
- 植え付け直前に切って植え付ける場合は、草木灰をまぶして種イモの腐敗を防ぐ。
麻袋への植え付け
ベランダでジャガイモを育てるときは、あまり場所を取らず、育てた後も簡単に捨てられる麻袋栽培がお手軽です。
最近では、不織布などの麻袋よりも丈夫な素材も出てきているのでそちらもおすすめです。
材料
- 麻袋(600×1000mm位)
- 野菜用の培養土
- (元肥が配合されている野菜用の培養土を使用)
- 種イモ~2個(40g位/個)(園芸店やホームセンターで扱っているものを用意)
麻袋での種イモの植え付け手順
1. 麻袋を四重に折ります。最初に二重にしてから…
もう一折して四重にします。
2. 土を入れます。
3. 種イモの芽を「下」にして植えます(逆さ植え)。
◆種イモの植え付け時の裏技「逆さ植え」
通常ジャガイモの植え付けは芽を上にして植え付けますが、「逆さ植え」とは文字通り芽を下にして植え付ける方法です。こうすることで、強い芽だけが生き残り、弱い芽が淘汰され、芽かきの本数も減ります。また、逆さに植えることでジャガイモにストレスを与えて、逆に生育を促進させるねらいがあります。
※芽かきとは、ジャガイモは種イモを植えてから芽が多数出てきた後に、種イモから1~2の芽を残して他は抜き取ってしまう作業。
4. 種イモに軽く覆土します。今後「土寄せ」といってジャガイモの生長の度に土を麻袋に投入しますので、今回の覆土は種イモが隠れるほどの土の量にしてください。
※土寄せとは、ジャガイモ(実)に光が当たらないように生長の段階に応じて株元に土を寄せる作業です。畑などのマルチ栽培の場合は土寄せの必要はありません。
5. プランツタグを立てて完成です。
プランターでの種イモの植え付け手順
プランターでも麻袋と同じように、最初は少なめの土を入れて、ジャガイモの芽を下にして植え付けます。
ジャガイモが軽く隠れるほど土をかけ、芽が生長して追肥を施すごとにしっかりと土寄せしていきましょう。
ジャガイモの水やり
ジャガイモの芽が出て根が育つまでは種イモの水分と栄養分でまかなうことができます。基本的に外で育てますので雨水のみで育ちますが、ベランダなどであまり雨が当たらないような場所で育てる場合は水やりが必要です。種イモが腐らないように乾燥気味に育てましょう。
ジャガイモの発芽
種イモを植え付けてからの気温や天気により、発芽日数はまちまちです。気温が低い日が続くと発芽までに1ヶ月ほどかかる時もあります。
ジャガイモが全く発芽していない場合
ジャガイモの発芽が確認できない場合は次の理由が考えられます。
◆ジャガイモの発芽の温度が足りない
この場合はもう数日、暖かい日が続くのを待ちましょう。
◆ジャガイモの植え付けが深すぎる
ジャガイモは生長に合わせて「土寄せ」といって土を盛っていきます。最初から深く埋めすぎていると発芽しづらい場合がありますので、思い当たる方はもう一度種イモの上の土の状態を確認してください。
発芽するまでは種イモが土から出ない程度に軽く土をかぶせた状態が発芽しやすいようです。
◆ジャガイモの芽が折れている
出始めの芽の茎を折ってしまうことがあります。あまりにも芽が出ないときは、静かに土をどけて芽が折れていないか確認してみてください。
◆種イモを腐らせた
芽が出るまでの種イモは、まだ根が出ていない状態です。そのため、過剰に水を与えても水分を吸収できず、ただ種イモを腐らせてしまいます。
また、種イモを切って植え付けた場合も草木灰などで腐敗防止していないなどの理由から、種イモが腐ってしまうことがあります。腐ってしまったら植え付けた種イモはあきらめて、新しい種イモを改めて植え付けることが必要です(晩夏に植え付ける秋冬のジャガイモ栽培では、切った種イモは腐りやすい傾向があります)。
◆たまたま発芽しない種イモだった
上記に注意した上で、芽が出ないときは皆さんのせいではありません。まれに発芽しない種イモもあるようですので、種イモを何度確認してみても芽が出ていない時は潔くあきらめて、新しい種イモを改めて植え付けましょう。
\ジャガイモの芽かき・土寄せをチェック/
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