アザミ(薊)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アザミ(薊)
- 学名
Cirsium
- 英名
- Thistle
- 和名
- 薊
- 科名
- キク科
- 属名
- アザミ属
- 原産地
- 日本
アザミ(薊)の特徴
アザミとは、キク科アザミ属の多年草や越年草の総称です。北半球の温帯から寒帯まで、世界に約300種が分布していて、その中でも日本は60種以上が確認されているアザミ大国です。日本のアザミは北から南まで日本全国に分布していて、咲き方やフォルムなど、変化の具合も多様です。さらに自然交雑もしやすいので、品種の判別が難しいとも言われています。
アザミは葉茎にトゲがあり、多くが赤や赤紫、ピンクの花を咲かせますが、まれに白い花を咲かせるものもあります。アザミの特徴は品種ごとに差が大きく、書ききれないほどです。開花時に根生葉(こんせいよう)があるもの、枯れてなくなるもの、総苞片が開いているもの、ウロコのように閉じて重なっているもの、総苞に粘つきがあるもの、ないもの、花が上を向いて咲くもの、下向きに咲くものなど、きりがありません。さらに花の色や大きさ、草丈などの違いがあります。新芽や若い茎は食用にされます。また、モリアザミの根は「ヤマゴボウ」という名前で漬物にされ、流通しています。乾燥させたアザミの根は、生薬として利用されています。
日本には60種以上のアザミが自生していますが、多くは野に咲く花として愛されています。園芸品種として流通しているものは、日本産のノアザミから改良された品種で、ドイツアザミとも呼ばれ、切り花や鉢植えで人気があります。丈夫で花付きが良く、育てやすいのが特徴です。
※根生葉(こんせいよう)とは、茎の基部についている葉のこと。地面から直接出ているように見えるのが特徴です。
アザミ(薊)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
---|---|
草丈・樹高 | 20~120cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
花色 | ピンク、赤紫、赤、白 |
開花時期 | 4月~12月(種類による) |
アザミ(薊)の種類

ノアザミ
- 学名:Cirsium japonicum
ノアザミは、春から秋にかけて開花するアザミ。草丈は50~100cm程度。花は上向きに咲き、総苞に粘つきがあります。名前の通り、野原や田畑の畔などで見かけるアザミです。ノアザミを親に改良されたものが、ドイツアザミの名で流通しています。

アメリカオニアザミ
- 学名:Cirsium vulgare
アメリカオニアザミは、草丈50~150cm程度、葉茎のトゲが鋭いのが特徴。道端や公園身近な場所で見かけます。名にアメリカと付きますが、ヨーロッパから帰化した品種です。繁殖力が強く、要注意外来生物に指定されています。

フジアザミ
- 学名:Cirsium purpuratum
富士山の近辺で見かけられるのでフジアザミ。赤紫色の花を下向きに咲かせます。花の直径は10cmを超える大型で、葉は60cm程まで伸び、草丈も100cmを優に超えます。世界最大級のアザミと言われています。

ノハラアザミ
- 学名:Cirsium oligophyllum
ノハラアザミは、ノアザミによく似たアザミです。見分け方は、総苞に粘つきがない点です。東北、中部、近畿地方にかけて分布し、8月の終わりから12月頃まで咲き続けます。
アザミの花言葉
アザミのようでアザミではない種類
アザミとは、キク科アザミ属の植物のこと。アザミと名前に付くけど、アザミではない花というものがいくつかあります。例えば、青い花が印象的なルリタマアザミは、キク科ヒゴタイ属なので、アザミ属ではありません。つぼみを食用にすることで有名なアーティチョークは和名をチョウセンアザミといいますが、キク科チョウセンアザミ属なので、アザミ属ではありません。葉のトゲや、花のフォルムがアザミに似ていることから、このような名前がついたようです。
アザミ(薊)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花(種類による) | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
種まき |
アザミ(薊)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みます。
用土
水はけの良い土壌を好みます。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。
アザミ(薊)の育て方のポイント
水やり
根付いてからは降雨に任せます。乾燥が続くようなときは様子を見て水やりしてください。
鉢植えは、表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりします。
肥料
春と秋に緩効性肥料を施します。
病害虫
目立った病害虫の被害はありません。
アザミ(薊)の詳しい育て方
選び方
葉の色が濃く、枚数が多いもの、茎が徒長していないものが良い株です。花芽の付いた株を選べば、すぐに花を楽しめます。
種まき
2月~3月が適期です。種まきから発芽したものは、翌年以降に開花します。
植え付け
3月~4月が植え付け適期です。元肥を施してから植え付け、たっぷりと水やりします。
仕立て方
花が咲く頃になると草丈が100cm程まで高くなります。倒れないように支柱を添えるようにしましょう。
剪定・切り戻し
種を採取する予定がなければ、花後に花がらを摘み取ります。
植え替え・鉢替え
3月~4月が植え替え適期です。鉢底から根が見えるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えます。
花
開花時期は品種によって異なりますが、園芸種のドイツアザミの花が楽しめるのは、4月~6月です。
収穫
たくさん咲いたら、切り花にして生けて楽しむことができます。
冬越し
冬は、地上部が枯れたようになって越冬します。特に必要な冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種まきで増やすことができます。