ニオイスミレとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ニオイスミレ
- 学名
Viola odorata
- 英名
- sweet violet
- 和名
- 匂い菫
- 別名・流通名
- スイートバイオレット
- 科名
- スミレ科
- 属名
- スミレ属
- 原産地
- ヨーロッパ南部
ニオイスミレの特徴
ニオイスミレは、スミレ科スミレ属の多年草です。名前のとおり花には芳香があります。スミレ属は主に北半球に多く分布し、中でも日本は60種ものスミレが自生しているスミレ王国ですが、残念ながらニオイスミレは自生していません。ニオイスミレは、ヨーロッパ南部に自生していたものが、芳香や花のかわいらしさから多くの人に愛され、ヨーロッパ全域に広まったといわれています。古代ギリシャではアテネの紋章にされていたとか、ローマ時代には貴族たちが花を入浴に用いたり、冠にしたり、酒宴の際には杯に浮かべたりしたなどという話も残っています。
ニオイスミレは、他のスミレと同じように明るい半日陰を好む多年草で、地下茎で増えて広がっていきます。落葉樹の下のような、冬から春は日当たりが良く、夏は木漏れ日が当たるような場所に植え付けると群生します。バラとの相性が良く、バラの足元を彩るグランドカバーとして好まれます。葉は丸みを帯びたスペード型で、花色は紫の他に白や、ピンク、黄色など豊富です。
英名の sweet violet は、この花の甘い香りに由来します。種小名の odorata も、ラテン語で香りが良いことを示す言葉です。和名のニオイスミレも香りの良い花を咲かせることから名付けられました。英名、学名、和名すべて、この花の香りの良さに由来しています。香りが魅力の花ですが、現在ニオイスミレから作られる精油というものはほとんど流通していません。この花から精油を抽出するには大量の花が必要になることと、安価な合成香料が多く作られるようになったことが理由のようです。時々見かけるバイオレットリーフの精油というのは、スミレの葉から抽出された精油なので、花のような甘い香りとは異なります。
ニオイスミレの花は、エディブルフラワーとして生のままサラダに、砂糖漬けにしてお菓子に、乾燥させてハーブティーにして楽しまれます。ただし食用にするのは、無農薬で育てたもの、食用として販売されているものにしましょう。
ニオイスミレの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
---|---|
草丈・樹高 | 10~20cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | やや強い |
花色 | 紫、白、ピンク、黄 |
開花時期 | 3月~5月 |
スミレの花言葉
ニオイスミレとパルマスミレの違いは?
ニオイスミレとパルマスミレは、どちらも香りの良さが魅力のスミレ。違いは、品種と草姿、育てやすさです。ニオイスミレは地下茎とこぼれ種で増えていく性質があり、お庭で育てやすい品種です。パルマスミレは耐寒性が弱いので、戸外で越冬させるのは難しいようです。
ニオイスミレ
- 学名:Viola odorata(ヴィオラ・オドラータ)
ニオイスミレは、スイートバイオレットとも呼ばれ、ヨーロッパ南部原産の香りの良いスミレです。有茎種のスミレですが、一見無形種のように見えます。すっと伸びた茎の先に花を咲かせます。
パルマスミレ
- 学名:Viola suavis(ヴィオラ・スアヴィス)
パルマスミレは、イタリアのパルマで発見されたことから名付けられたといわれていますが、原産地は北アフリカだという説もあります。種小名 suavis は、ラテン語で甘いという意味で、この花の香りに由来しているようです。有形種のスミレで、葉柄を伸ばして花を咲かせるので、鉢植えにすると、鉢からこぼれるように咲く姿を楽しめます。
ニオイスミレの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
種まき |
ニオイスミレの栽培環境
日当たり・置き場所
落葉樹の下のような明るい半日陰を好みます。冬から春は日当たりが良く、夏は木漏れ日が当たるような場所で管理しましょう。
用土
排水性、保水性の良い土壌を好みます。
鉢植えは市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
ニオイスミレの育て方のポイント
水やり
根付いてからは基本的に降雨にまかせますが、極端な乾燥が苦手です。乾燥が続くようなときは、適宜水やりしてください。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
肥料
植え付け時に元肥を施します。過肥にすると葉ばかり茂って、花付きが悪くなることがあるので、植え付け後は、様子を見ながら緩効性肥料を少量ずつ施しましょう。
病害虫
特に目立った病害虫の被害はありません。種子のエライオソームを目当てに蟻が寄ってくることがあります。
ニオイスミレの詳しい育て方
選び方
株元の葉が黄色くなっていないもの、徒長していないものを選びましょう。花芽がたくさん付いていれば、購入後にたくさんの花を楽しめます。
種まき
花後にとりまきするか、秋まで常温で保存してからまきます。ただし、種から育てると花が咲くまでに時間がかかるので、苗から育てることをおすすめします。
植え付け
植え付け適期は10月~11月です。元肥や腐葉土をすき込んで植え付けます。植え付け後はたっぷりと水やりしましょう。
植え替え・鉢替え
花後の4月~5月が植え替え適期です。このタイミングで株分けも行います。
花
ニオイスミレは、3月~5月に香りの良い花を咲かせます。
冬越し
冬は、地上部が枯れたようになって休眠します。寒冷地ではマルチングを施すなどして、根の凍結を防ぎましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種まき、株分けで増やすことができます。
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