カラジウム(カラジューム)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
カラジウム(カラジューム)
学名

Caladium

英名
Fancy-leafed caladium
和名
錦芋
科名
サトイモ科
属名
カラジウム属
原産地
熱帯アメリカ

カラジウム(カラジューム)の特徴

カラジウムは葉の模様が美しいサトイモ科カラジウム属の観葉植物。カラジウムは葉模様や色が様々あり、白の斑模様は涼し気な爽やかなイメージ、赤の斑模様はカラフルでトロピカルなイメージが演出できます。

カラジウムは球根植物でもあり、夏に楽しめる春植え球根としても人気です。ミニ観葉、鉢植え、さらには花壇でも楽しめます。原産地の熱帯アメリカには数種類が自生しています。

カラジウムは、日光によく当てることで葉色が美しくなるのですが、徐々に日光に馴らしていかないと葉焼けをしてしまいます。明るい半日陰くらいの場所で育てると状態よく育ちます。

カラジウムは寒さに弱い性質があるので、寒くなる頃に鉢植えは室内の窓辺に取り込みます。地植えのカラジウムは、10月頃に球根を掘り起こして室内で保管し、翌年5月頃暖かくなってから再び球根を植え付けます。冬場室内に入れたときに日光が不足すると、葉が傷んだり葉色が褪せてきてしまったりします。室内でも日光が当たる場所に置いて管理しましょう。日光によく当てることで、葉色が美しくなるだけでなく、茎がしっかりとし、葉に厚みも出てきます。

カラジウム(カラジューム)の詳細情報

園芸分類 観葉植物
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 あり

カラジウム(カラジューム)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
肥料

カラジウム(カラジューム)の栽培環境

日当たり・置き場所

カラジウムは、真夏の直射日光に弱いため明るい半日陰で育てます。

【屋外】

春~秋にかけて屋外で育てることができますが、夏の直射日光を当ててしまうと刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまいます。30%~50%の遮光が必要です。遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットや寒冷紗はホームセンターや園芸店、100均などで購入することができます。

【屋内】

カラジウムは、耐陰性があるので屋内でも育てることができます。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置きましょう。

室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の光を当てて下さい。

【置き場所】

カラジウムを室内で育てる際は、 エアコンなどの風が直接当たる場所に置くと葉が傷んでしまうので、風が直接当たらないように気を付けましょう。

温度

カラジウムは低温に弱いので、10℃以下にならない様に気を付けます。鉢植えのカラジウムを屋外で育てる場合は、秋に寒くなり始めたら室内に取り込んで下さい。生育適温は25℃ほど。日本では初夏~夏が最も元気に生育します。

用土

カラジウムは、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れしてしまうことがあります。そのため、できるだけ水はけの良い土を使うことをおすすめします。

鉢植えのカラジウムは、市販の観葉植物用の土を使って植え付けます。室内で植物を育てる時、コバエが気になることがありますが、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うとコバエの発生を防ぐことができます。

カラジウムを庭植えにする際は、植え付ける場所を耕し、腐葉土などを混ぜ込んで排水を良くしてから植え付けましょう。

カラジウム(カラジューム)の育て方のポイント

水やり

カラジウムは気温が低くなると休眠するため、季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が20℃以上のとき】

主に春~秋の生長期では、土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が20℃以下のとき】

カラジウムは気温が20℃前後を切ってくると生長が緩慢になります。そのため、水をあまり必要としなくなるので水やりの回数を減らします。具体的には、土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に水やりを行います。葉がすべて落葉してしまった場合は、水はほとんど必要ありません。2週間~月に1度暖かい時間に水やりするようにしましょう。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなく、ハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。カラジウムは葉が大きくホコリが積もりやすいので、葉水をするときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って葉をふくと美しい状態が保てます。

肥料

カラジウムは基本的にそれほど肥料は無くても育ちますが、与えた方が生長がはやくなります。

冬場の生長が緩慢なときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをすることがあります。春~秋の生長期に与えるようにしましょう。適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えます。室内で育てる場合は、有機肥料ではなく、化成肥料を使うとコバエの発生を予防することができます。

病害虫

カラジウムがかかりやすい病気は、白絹病。つきやすい虫は、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ナメクジ、ダンゴムシ、バッタなどです。

白絹病

おもな発生時期は6月~9月で、発生部位は根と茎です。カビ(糸状菌)による伝染病で、菌糸が網のように張り立ち枯れてしまいます。病原菌は土の中で越冬してしまうため、春に暖かくなってから活動しはじめてしまいます。発見したら他の株とは分けて置き、すぐに焼却処分や廃棄処分をするようにしましょう。

ハダニ

黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ

アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがカラジウムの中に侵入し、病気を発症させます。また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】

3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ

葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。屋外で育てていると寄ってくる場合があるので注意します。梅雨時など、ナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしましょう。少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

ダンゴムシ

柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理して地面の近くに鉢を置いている場合は注意が必要です。

バッタ

イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。見つけ次第、割り箸などで捕殺します。防虫ネットも有効です。

カラジウム(カラジューム)の詳しい育て方

選び方

カラジウムを買う時は病気にかかっていないか、害虫がついていないかを確認しましょう。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと、後々株が弱ってしまったり、枯れてしまったり、病害虫が他の植物にもうつってしまうことがあります。

植え付け

カラジウムの植え付けは、5月に入って暖かくなってから行うのがおすすめです。まだ寒いうちに植え付けると温度不足で葉色が悪くなったり状態良く育たないので気を付けましょう。

球根の大きさによって、5号鉢(直径15cm)に1~3球を植え付けます。球根の上に1~2㎝くらい土がかぶるくらいの深さに植えましょう。植え付けの際は、鉢底に鉢底石を使うと水はけが良くなります。

植え替え・鉢替え

カラジウムは、植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになって根詰まりを起こしてしまいます。

そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。傷んだ根を取り除き、新しい土を使って植え替えましょう。植え替えの最適期は5月~6月頃です。

夏越し

鉢植えのカラジウムを屋外で育てる際は、葉焼けを防止するため、真夏は直射日光が当たらない明るい半日陰に移動させましょう。遮光ネットや寒冷紗で遮光する方法もあります。

真夏の水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜の涼しい時間帯に行います。日中に行うと暑くなって煮えてしまいます。 時々水の代わりに、活力剤を1000倍ほどに希釈したものを与えると夏バテを防止できます。

冬越し

カラジウムは、気温が20℃以下になったら生長が緩慢になります。寒くなってきたら、水やりは土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に行いましょう。葉が落ちて球根のみになっている場合は、2週間~月に1度水を与えます。

気温が10℃を下回ると枯れてきてしまうので、鉢植えのカラジウムは15℃前後になったら室内に取り込みます。地植えのカラジウムは、葉が枯れてきた10月頃に球根を掘り起こし、おがくずやバーミキュライトなどを入れた紙袋に球根を入れて翌春まで室内で保管します。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

カラジウムは、分球で増やすことができます。春に越冬株を植え替えする際、大きな球根をナイフで数個に切り分けます。それぞれに芽を数個つけて分けることがポイントです。切り口に草木灰などを塗っておくと腐りにくくなります。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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