ウド(独活)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ウド(独活)
- 学名
Aralia cordata
- 英名
- Japanese Spikenard
- 和名
- 独活
- 科名
- ウコギ科
- 属名
- タラノキ属
- 原産地
- 日本、朝鮮半島
ウド(独活)の特徴
ウドは、ウコギ科タラノキ属の日本原産の多年草。山地や谷沿いの少し湿った土地を好んで自生します。地下に肉厚な根茎を持ち、地上部は草丈1~3m程度、葉は大きめの小葉が集まって50~100cmほどの羽根状になり、8月~9月にヤツデに似た花を咲かせ、秋には黒い果実を実らせます。食用にするのは、新芽、茎、葉、蕾、花です。
古くは自生するものを採って食べていましたが、17世紀頃から幼茎に土をかぶせて茎を長く育てるようになり、現在では光が当たらない地下室などで育てる軟白栽培(軟化栽培)で出荷されるものが主流になっています。
栽培されたウドは白くて品の良い淡白な味ですが、野生のウドは、短毛が密集していて風味が強く独特な苦みがあります。どちらも酢味噌和えやキンピラ、天ぷら、サラダなどにして食感を楽しむ春の味覚です。また、山ウドという名で流通しているウドは、ほとんどが露地で盛り土をして育てた緑化ウドで、野生のウドではありません。ただ、栽培されたウドと野生のウドは見た目や味に違いがあるものの、品種は同じです。
ウドは放っておくと夏には大きく育ち、茎が太くなって食用にはできません。「ウドの大木」という言葉は、大きくなって食用にできないウドに例えて、役に立たない様子を表現する言葉です。
ウド(独活)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 1~3m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
花色 | 白~緑 |
開花時期 | 8月~9月 |
ウド(独活)の種類

山ウド(山独活)
野山に自生するウド。栽培ものよりも歯ごたえが強く、独特な苦みもあります。
緑化ウド
露地栽培で盛り土をして茎を白く育てた、葉先は緑色のウド。
軟白ウド(軟化ウド)
遮光して全体を白く育てたウド。苦みが少なくて食べやすい味です。
ミヤマウド
- 学名:Aralia glabra
ミヤマウドは、食用にはならない日本固有種の多年草。関東から中部地方の山の標高の高いところに自生しています。全体に毛が少ないのが特徴です。
ウド(独活)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
収獲 |
ウド(独活)の栽培環境
日当たり・置き場所
風通しの良い、明るい半日陰で育てましょう。夏に直射日光が当たるような場所は避けます。
ウドは深く根を張るので、鉢植えよりも畑栽培が向いています。鉢植えで育てる場合は、深さのある大きい鉢を使いましょう。
用土
水はけの良い、肥沃な土壌を好みます。
鉢植えの場合は、市販の野菜用培養土を使いましょう。
畑栽培の場合は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その1週間後に堆肥と元肥を入れ土になじませます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。そのため、石灰と肥料を合わせて使用する際は最低でも1~2週間ほど日数をあけて投入しましょう。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても堆肥と石灰を使用するために必要な日数がない場合は「有機石灰」の使用をおすすめします。
ウド(独活)の育て方のポイント
水やり
畑栽培の場合は、根付いてからは降雨にまかせます。乾燥が続くようなときは、様子を見て水やりしてください。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷり水やりします。冬に地上部が枯れた状態で越冬する際も水やりを続けましょう。
肥料
畑栽培の場合は、植え付け時に腐葉土や堆肥をすき込んでおき、生長を見ながら適宜追肥を行います。
鉢植えの場合は、肥料入りの野菜用培養土を使って植え付け、その後は生長を見ながら適宜追肥しましょう。
病害虫
萎凋病になったり、アブラムシがつくことがあります。
萎凋病になると葉が黄色のまだら状になって枯れてしまいます。萎凋病になった株は抜き取り、焼却処分を行いましょう。
アブラムシは見つけ次第対処します。
ウド(独活)の詳しい育て方
選び方
葉茎の色つやが良く、株元がしっかりしている苗を選びましょう。
種まき
種まきは4月~5月が適期です。温室がある場合は、2月~3月にまくことができます。発芽までは乾かさないように水やりしましょう。
植え付け
植え付け適期は、4月~5月頃です。遅霜の心配がなくなってから植えましょう。
畑栽培の場合は、約50~60cmの間隔を取って植え付けます。事前に腐葉土やたい肥をすき込んで、肥沃な土壌にしておきます。
植え付けた翌年の春から収穫ができます。
摘芯(摘心)・摘果
夏に台風などで倒れないようにするため、草丈が1mを超えてきたら先端を摘芯しておくと良いでしょう。摘芯することで、根株を充実させることもできます。
植え替え・鉢替え
収穫量を増やしたいときは、3~4年に一度植え替えを行います。植え替えの適期は4月~5月頃で、遅霜のおそれがなくなってから行いましょう。
花
ウドは、8月~9月にヤツデに似た花を咲かせます。
秋には黒い果実が実ります。
収穫
植え付けた翌年の4月~5月に芽吹いて草丈が30cm~40cmになったら、根元でカットして収穫します。土寄せしている場合は芽が出てある程度葉が展開したら茎に沿って土を掘って株元で切ります。
夏越し
ウドは、半日陰の少し湿り気のあるような場所を好みます。水切れに注意しましょう。
鉢植えの場合は、真夏は風通しの良い明るい日陰に移動させると状態良く育ちます。
冬越し
冬に地上部が枯れたら地際で刈り取り、軽く土を寄せておきます。春先に新芽が出てきたら、2週間おきぐらいで2~3回に分けて株元に土盛りをして茎を白く育てます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分けで増やす方法が一般的ですが、種まきで増やすこともできます。