編集部のこぼれ種#32「5月に長野の田舎で出会った山野草をご紹介します♪」

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戸松敦子

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植物と一緒に暮らしているLOVEGREEN編集部の、何気ない出来事や発見、雑談などなど……日々の一部をふらっとのぞいてみてください。今回は、5月に長野の田舎で出会った美しい山野草たちのお話です。

長野 山野草

先日、長野県信濃町の田舎に行き、たくさんの植物とふれあって来ました。朝晩涼しくて、空気と水が美味しいこの場所で育つ植物たちが生き生きとしていて心が癒されました。夏には蛍にも会うことができる大好きな場所です。出会った植物全部の話をしたいところですが、中から厳選してご紹介します。初夏の東京は暑い日も増えてきましたね。長野の涼し気な美しい山野草の写真を見ると爽やかな気持ちになれるのでぜひご覧ください。(^^)

 

ニリンソウ 二輪草

ニリンソウ(二輪草)

ニリンソウ(二輪草)は、1本の茎から2輪の花を咲かせることから二輪草と呼ばれています。遠くから見たら、同じキンポウゲ科のバイカオウレンかと思いましたが、バイカオウレンは2月~3月に咲く花で、よく見ると花の形が違い、これは葉にうっすらと斑があるのでニリンソウ(二輪草)とわかりました。

ニリンソウ(二輪草)

  • ニリンソウ(二輪草)は、4月~5月に白い可憐な花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。半日陰の湿地帯を好み、地下茎で増えていきます。群生地では、開花時は地面一面が白い花で覆われ、美しい光景を見ることができます。 Adobe Stock ニリンソウ(二輪草)は、1本の茎から2輪の花を咲かせることから二輪草と呼ばれています。ただし、実際には花は必ず2輪とは限らず、中には1輪や3輪のものもあります。茎から2本ずつ長い茎を出し1輪ずつ開花し、2本目の花は1本目の花に寄り添うように遅れて咲きます。花弁に見えるのは萼片で、枚数は5~7枚です。葉は葉柄を持たず、うっすらと斑があるのが特徴です。 ニリンソウ(二輪草)は若葉を山菜として食用にできますが、トリカブトの若葉と似ていて、誤食による事故例もあります。見分けがつかない場合は、むやみに口に入れるのは避けましょう。

 

チゴユリ

チゴユリ

チゴユリはやや湿った場所を好み、白い可憐な花を咲かせます。斑入りの園芸品種もキレイですが、野山に自生する原種は存在が尊くて神秘的な美しさを感じますね。花や葉がしっとりと瑞々しくて、チゴユリにぴったりな環境で育っているように思いました。

 

スミレ

スミレ

スミレは、パンジー・ビオラと同じスミレ科スミレ属の植物。 パンジー・ビオラと比べると花は小さくて目立ちにくいですが、性質は丈夫で、 痩せた土地でも育つ生命力の強い多年草です。野山の木陰に紫色の可愛いスミレが咲いているとほっと和みます。

 

ミズバショウ 水芭蕉

水芭蕉(ミズバショウ)

水芭蕉(ミズバショウ)は、サトイモ科特有のカラーに似た形の花を咲かせます。花びらのように見える部分は仏炎苞(ぶつえんほう)という葉が変化したもので、実際の花は中央の黄色い円柱状の部分に咲いています。夏に蛍が飛ぶ湿地に美しく咲いていました。

水芭蕉(ミズバショウ)

  • 水芭蕉(ミズバショウ)は、カラーに似た花を咲かせるサトイモ科の多年草。湿地や沼地に自生し、春に明るいグリーンの葉の間から「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる花のようなものを出します。一枚の花びらのように見える白い部分は、正しくは花ではなく葉が変化したものです。中央の黄色い円柱状の部分に小さな花が集まって咲いています。このユニークな形状はサトイモ科の植物によく見られる特徴で、カラーやアンスリウム、スパティフィラムなどの花びらに見える部分も同様に仏炎苞(ぶつえんほう)という、葉が変化したものです。 日本では本州から北海道の寒冷地に自生し、耐寒性が強い半面、夏の暑さに弱い傾向があります。秋から冬は休眠期に入るため、地上部が枯れた状態で根は生きています。水を切らさないように管理しましょう。

 

ハナイカダ

ハナイカダ

ハナイカダは、葉の真ん中あたりに花を咲かせる珍しい低木。花が筏に乗っているように見えることから「花筏」と呼ばれます。LOVEGREENの記事でハナイカダを知り、なんて可愛い葉っぱなんだろう。いつか見てみたいな。と思っていたので出会えて感動しました!1枚の葉っぱに1つの花が咲いているので、これは雌花と思われます。(^^)

ハナイカダ(花筏)

  • ハナイカダ(花筏)は、日本全国の山地に自生する雌雄異株の落葉低木で、若葉は山菜としても利用されています。 雄花   雌花 ハナイカダ(花筏)の大きな特徴といえば、花の咲く位置です。初夏に葉の中央に花が咲き、雄株と雌株では花数に違いがあります。雄株は花が3~5個、雌花は花が1個(まれに2~3個)開花します。雌株は、花後に最初は青っぽく、次第にツヤのある黒い実が結実します。ただし、実を楽しむには近くに雄株を植え付ける必要があります。

 

クロモジ

クロモジ(黒文字)

クロモジ(黒文字)は、爪楊枝の材料にもなる木。和菓子に添えられるような皮がついたままの楊枝です。クロモジ(黒文字)の枝葉にはこっくりとした甘く爽やかな香りがあり、お茶として飲用される他、精油(アロマオイル)の原料にもなっています。

自生しているクロモジ(黒文字)も初めて見ることができました。枝を少しもらって、折って香りをかいで深呼吸するととてもリラックスした気分に。そして香りだけでなく、しなやかな黒い枝に明るい緑色の小さい葉がそよぐ姿も爽やかでした。

クロモジ

  • クロモジ(黒文字)は、3月~4月に淡い黄色の小さな花を咲かせる落葉低木です。お茶の席で出される和菓子などに使われる、皮がついたままの爪楊枝は、クロモジ(黒文字)が材料となっています。西日本では、爪楊枝の事を黒文字と呼ぶ地域もあるようです。 クロモジ(黒文字)の名前の由来は、樹皮に黒い斑点があり、その斑点がまるで文字が並んでいるように見えたことからと言われています。 クロモジ(黒文字)の葉や枝には爽やかな香りがあり、お茶として飲用される他、精油(アロマオイル)の原料にもなっています。 クロモジ(黒文字)の楚々とした雰囲気は、和風の庭やナチュラルガーデン、雑木風の庭に相性が良い樹木です。クロモジ(黒文字)の枝は、切り花としても流通していて、生け花やフラワーアレンジの花材としても使われます。派手さはありませんが、若葉、青葉、花、紅葉と見どころのある樹木です。

 

ウド 山うど(山独活)

山うど(山独活)

山うど(山独活)は、春~初夏に芽吹いた新芽の部分や茎葉を食用とします。私はいつも夏に長野に訪れることが多いので、芽吹いたばかりの新芽を見ることができて嬉しかったです♪長野に自生している山うど(山独活)は、栽培ものより香りも歯ごたえも強く、野性味に富んでいて、食べると天然のパワーをもらえる気がします。

 

ヤマワサビ

わさび(山葵)

わさび(山葵)は裏の湿地で家族が見つけました。よく洗って根をすってお刺身につけて食べてみると、しっかりワサビの香りと味がしました。茎の部分は、さっと茹でてめんつゆに漬けて食べました。後味がツンとしてワサビの風味がして美味しかったです♪

わさび(山葵)

  • わさびは北海道から九州の山野に自生している日本原産といわれている植物です。 日本人は、古くから自生しているわさびを採取して使用していました。 わさびはアブラナ科の多年草で、春に芽を出し葉茎が伸びて、初夏に開花し、実を付けます。夏の高温期生長が衰え、秋に再度茎葉が生育して根茎が肥大し、冬に生育が止まる。このサイクルを繰り返しながら、年々根茎を肥大させていきます。わさびの栽培方法は、「沢わさび」と「畑わさび」と育てる場所によってわさびの状態が違います。 沢わさびは根茎がしっかり肥大しますが、畑わさびの方は根茎の肥大が少ないため、葉や茎を食する葉わさびとして野菜感覚で収穫されます。(こちらの育て方では、主に畑わさびの作り方をご紹介します。) 畑でわさびを栽培する場合は、1年目の秋に苗を植え、3年目の初夏に収穫するという長い間かけて栽培します。 このわさびの栽培で大切なのは、強い日差しを避けることです。木漏れ日程度の光と、気温は30℃以下にとどめます。涼しく、光が差し込む程度で湿り気があっても、排水性に優れた環境を好むのがわさびの特性です。 わさびを使う料理の代表格として寿司や刺身が有名ですが、わさびのピリリとした辛みがお醤油と共に魚の旨味を際立たせます。味だけでなく、わさびは強い殺菌力があることでもよく知られています。このわさびの強い殺菌力のおかげで生魚の腐敗を防ぐ効果があるのです。

 

ツクシ 土筆 ホトケノザ オオイヌノフグリ

他にもヒメオドリコソウ、タンポポが群生している景色や、オオイヌノフグリやつくし(土筆)の可愛い姿を見かけたり、野に育つ植物たちにたくさん出会って魅了されました。植物っていいよねってつくづく思います。(^^)

 

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グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスター、野菜ソムリエ、家庭菜園検定2級。園芸業界で植物全般を幅広く学び経験してきました。LOVEGREEN編集部では主に寄せ植えやリース作り、ボタニカルピープルなどの取材を担当。人が植物と心地良く暮らし、その幸せの連鎖が世界中に広がっていくことを願います。趣味はママさんサッカー。都大会優勝を目指して日々練習しています。

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