新登場の植物をいち早くチェック! フラワートライアルジャパンレポート
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園芸業界の来シーズンに向けての展示商談会「フラワートライアルジャパン2025秋」が、9月24日~26日に開催されました。長野県と山梨県をまたぐ八ヶ岳周辺の6会場で紹介された注目の植物・資材を一部ご紹介します。
フラワートライアルジャパンって?
フラワートライアルジャパンは、毎年9月に長野・山梨をまたぐ八ヶ岳山麓に点在する会場をつないで開催される、園芸の一大展示商談会です。国内の主要種苗メーカーや園芸資材メーカーが一堂に会し、来シーズンに向けての商品を披露する場。今年も全6会場にたくさんの園芸関係者が訪れました。
会場で見つけた新商品や注目商品の一部を、ひと足早くご紹介します。
タキイ種苗|省スペースでコンパクトに楽しめる品種に期待
花束のようなジギタリス「F1 Hanabee ホワイト」が登場
ジキタリス「F1 パンサー」に引き続き、種子系で草丈がコンパクトなジギタリスの「F1 Hanabee ホワイト」が登場。早生咲きで純白の花は花もちが良く、分枝性にすぐれ、次々と花が咲くので、全体として花束のような美しさを演出することができます。
※FleuroStar Award 2025を受賞
ビンカ「スターカイト」シリーズに2つの新色が仲間入り
小輪多花性で、多分枝・短節間で株がこんもりまとまるビンカ「スターカイト」シリーズに、「スターカイト レッド」、「スターカイト ライトサーモン」の2色が仲間入りです。2色ともに、「スターカイト」シリーズの従来色にはなかった特長ある魅力的な花色です。
スターカイト ライトサーモン
スターカイト レッド
葉と花のコントラストが魅力! ダイアンサス「レッドウェディング」
ダイアンサスの人気品種「パープルウェディング」に赤色が新登場。株はやや立性でダークめな葉と発色の良い赤い花のコントラストが非常に魅力的です。
花が多く、秋まで長く咲くことに加え、株が寒さや暑さにもよく耐えて、丈夫で育てやすく、寄せ植えなどの鉢植えにも花壇にもおすすめ。
M&B FLORA|栄養系並みの豪華さ! 超種子系品種続々
挿し芽でしか生産できなかった「栄養系」品種並みの、豪華な見た目や優れた生育力をもつ「超種子系」品種が続々登場。種子から生産できるため、生産者がローコストで出荷でき、店頭でもお買い得な価格で豪華な花々が手にできるようになりますよ。
ペチュニアとカリブラコアの良いとこどり「ペトコア・カリバースト」
種子系では世界初となる品種で、ペチュニアの弱点である葉のべとつきがなく、カリブラコア並みの強健さを備えながらペチュニア並みの豪華な大輪を咲かせます。ニュアンスカラーの柔らかな花色も魅力です。
種子系の豪華ハイブリッド・インパチェンス
「ハイブリッド・インパチェンス・ソーラースケープ」は、種子系でありながら栄養系のような豪華な花を咲かせ、それでいて株はこんもりコンパクトにまとまる優れもの。夏花のアイコンとして期待されます。
ジャガイモがポット苗から育てられる!
タネイモから育てるのが普通のジャガイモに、ポット苗「金のおつまみ芋」が登場!
面倒なタネイモ処理が必要なく、普通の野菜苗のように植え付けができ、ジャガイモ栽培がもっと身近になりそうです。
白い見た目のユニークなサツマイモ「きみまろこ」と「しろほろり」
サツマイモでは、白い見た目のユニーク品種「きみまろこ」と「しろほろり」が登場。ねっとり&とろとろの「きみまろこ」は焼き芋に、ほくほく系の「しろほろり」は料理にぴったり! 4月頃に植え付ければ夏には収穫できますよ。
ハクサンコレクションから世界初! F1原種系シクラメン2品種が登場!
耐寒性シクラメン「アヴァロン」(ヘデリフォリウム系)
「アヴァロン」は、2025年に発売された世界初となるF1原種系シクラメンで、マイナス20℃の寒さにも日本の夏の暑さにも耐える驚異的な耐久性を持っています。霜が降りる屋外でも安心して楽しめ、適切に管理すれば毎年花を咲かせてくれます。原種系の楚々とした花姿がF1品種として楽しめる、画期的なシクラメンです。
耐寒性シクラメン エリシオン(コウム系)
「エリシオン」も世界発の「F1原種系シクラメン」で、氷点下20℃にも耐える強い耐寒性を持つことが最大の特徴です。従来のシクラメンは霜のおりるような寒さでは栽培が難しかったですが、それを克服した新しい品種で、株が毎年生長して何年も楽しめる上、冬から早春にかけて花を楽しむことができます。雪の中から開花する姿は原種系ならではの魅力ですね。
耐寒性シクラメン エリシオン 販売ポット苗イメージ
PW(Proven Winners)からは新たな宿根草が登場
ふわっとした柔らかな花穂が魅力的な宿根草アスチルベには、マットな質感の黒葉と、薄ピンク~紫の花のコントラストが魅力の「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」が登場。花もカラーリーフも楽しみたいという欲張りな希望を叶えてくれる宿根草です。この1株があるだけで、庭の雰囲気をシックに演出することができますよ。
ハクサン会場では、LOVEGREENで連載中のガーデナー・渡部陽子さんもカラーリーフや宿根草を紹介していました♪
H&Lプランテーション|庭で使い勝手の良いセダムに、米作り体験苗も
各種セダムの生産を得意とする生産大手H&Lプランテーション大手では、さまざまなセダムをバランスよく組み合わせたポット苗が人気。意外と難しいセダムの組み合わせがあらかじめセットになっているので、そのままコンクリートの目地や庭の隙間空間を埋める素材として活躍してくれます。
こちらは、バケツひとつあれば育てられる稲のポット苗。1ポットでお茶碗一杯分のお米がとれるそう。子どもの自由研究や食育として、家族みんなで育ててみるのも楽しそうです。
他にもある! 会場でみかけた気になるアイテム
会場では、植物苗だけでなく新しい園芸資材や、こだわりの種子シリーズなども発見しました。
OATアグリオが新発売したのは、まるで化粧品のようなパッケージの肥料シリーズ「Jewel series」。液肥や活力材、植物自体を強くするバイオスティミュラントなどがそろい、見た目のおしゃれさと、高品質な植物ケアを両立したい人におすすめの、新感覚肥料シリーズです。
有機栽培のタネなどを販売するグリーンフィールドプロジェクトは、新たに日本の在来固有種の野菜タネを自家採取した絵袋種子シリーズを販売開始。有機栽培で育てた野菜から採取した種で、オーガニックに日本の伝統野菜を育ててみたい人におすすめです。
2026年春以降の園芸売り場に登場する注目アイテムたちを、ひと足早くご紹介しました。販売を楽しみにおまちくださいね!