botanical_vlog かいさん|気軽に植物トークができる場を広げていきたい
LOVEGREEN編集部
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「植物を枯らさない暮らし提供します」ーー。そんな言葉とともに、インスタグラム上で観葉植物の育て方やノウハウを発信しているのが、森 海人さんです。フォロワーさんからDMで寄せられる相談に丁寧に答え、これまで救った植物は累計1,000以上(!)。インスタ上では植物の発信に徹し、ご自身が登場することはほぼない海人さんのご自宅に伺い、活動のきっかけや、植物への想いなどをお聞きしました。
目次
- プロフィール
- 植物との出会いを教えてください
- 現在の植物に関する活動内容を教えて下さい
- 今の活動をはじめたきっかけは?
- 活動を通じて印象に残っていることはありますか?
- これからやってみたいことはありますか?
- これから植物を育てる人に一言メッセージを
プロフィール
■名前: 森 海人
■職業 : 植物ブロガー/農業関連会社勤務
■出身地: 神奈川
■居住地: 神奈川
■ボタニカル歴: 幼少期~現在まで
植物との出会いを教えてください
子どもの頃は山遊びが大好きで、トカゲや昆虫を捕まえてきては育てたり、とにかく自然や生き物に囲まれて育ちました。高校も農業高校に進み、畜産科を専攻していましたが、授業の一環として植物の栽培についてもひと通り経験しました。中学高校とバスケットボールをやっていて、高校時代は酪農部とバスケットボール部で一日が終わる感じでしたね。
農業高校を卒業した後は農業関係の仕事に就き、花や野菜の農家さんと接する毎日です。学生時代から現在の仕事まで、花や野菜の栽培という点ではずっと携わってきているのですが、いわゆる趣味として、自分の部屋で観葉植物を育て始めたのは、実家を出て引っ越しをしたのがきっかけです。
部屋をおしゃれにしたいと思ったときに、家具やインテリアにくわえて、やっぱり観葉植物が欠かせなくて。それから観葉植物のある暮らしが始まりました。
写真右が引っ越してはじめて買ったフィカス・ベンガレンシス
はじめて買った観葉植物は、ベンガレンシス。自分でがっつりと剪定して横から幹を伸ばして、理想の樹形になるように育てているところです。
実生で育てているパキポディウム・グラキリス(右)は種をまいてから3か月目。アガベは実生から1年でこの大きさに
育てやすいゴムの木系からはじまり、葉物系の観葉植物はもちろん、今はアガベや塊根植物など30種類100株以上の植物と暮らしています。
現在の植物に関する活動内容を教えて下さい
2021年の10月末に、インスタグラムで植物の育て方やノウハウを発信するアカウント(@botanical_vlog)を開設しました。初めて観葉植物を育てる人がぶつかる壁や、悩むポイントを投稿で紹介しつつ、ダイレクトメッセージでも植物の悩み相談を受けつけてお答えしています。
ダイレクトメッセージでの相談は、特に募集をしなくても毎日3~4件は寄せられます。観葉植物の人気が高まるにつれて、育て方で迷う方や、困っている人も増えているのを感じます。
状態が悪くなった植物をどうにか元気にしたいという想いが伝わるご相談には、なんとかして良い状態にしてあげたいと思いますね。
相談を受けた時に、まずお聞きするのが環境です。植物を部屋のどこに置いているか、水やりの頻度や今の状態、最後の植え替え時期などをひと通りお聞きして、自分のなかで「これが原因かな?」という答えを提案をしています。
問診をして、症状を聞いて、処方箋を出す。なんだか植物のお医者さんのようなことをやっていますね笑。
今の活動をはじめたきっかけは?
僕はいま24歳で、僕たち世代だと、なにか調べるときにインスタグラムで調べることが多いんです。でも、自分が観葉植物を育てはじめた時にインスタを調べてみても、おしゃれな部屋の投稿はあっても、育て方をしっかり教えてくれる人がいなかったんです。
自分と同じように、育てやすいとされるゴムの木から育て始めたような人が、そこで枯らしてしまうと「もう植物は育てない」となってしまうかもしれない。
せっかく植物に興味をもった方が、少しでも枯らすことが少なくできれば!と思うようになり、自分なりの育て方でアドバイスできるぐらいにはなっていたので、「じゃあ、自分がインスタ上で植物相談をやってみよう!」と。
植物ショップに行って聞けば教えてくれるかもしれませんが、近くにお店がなかったり、聞きづらかったりしますよね。あと、困っている人はできるだけ早く相談をして答えが欲しいはず。
救いたい……というと大げさですが、植物のことを聞ける人がいない、枯れかけている植物を今すぐなんとかしたいーーそんな人が気軽に相談できる窓口になりたくて、アカウントを開設した当初からメッセージで気軽に相談してくださいというスタンスでやっています。
周囲に植物の話ができる人がいなかった
活動をはじめたもうひとつのきっかけは、単純に植物が好きな人とつながりたいという想いからです。
周囲の友だちに植物好きがあまりいないので、オンラインで植物好きの人とつながって、植物トークがしたいなあと。
今考えているのは、植物好きのオンラインサロンみたいなのを立ち上げること。クローズな場なんですが、みんなの質問が見れたり、「この植物はここで買ったよ」とか「僕はこんな育て方をしていますよ」など、お互いに教えあったり、楽しく植物トークができる場があれば楽しいですよね。
活動を通じて印象に残っていることはありますか?
お一人の質問に対して何度もやりとりするので、大変ではあるんですが、その後の植物の経緯や、「植物が元気になりました!」という報告をくださる方もいて、そうしたコミュニケーションもうれしいですね。
今の本業でも、農家さんとの信頼関係が一番大切。単に農業のアドバイスをするだけでなく、人として信頼いただくことがとても重要だと思っています。ベクトルは違いますが、インスタでの活動でも、僕のアカウントを植物の駆け込み寺のように思って相談をくださる方に誠実に向き合い、植物を通して喜んでもらえたり、自分もほっこりしたり、そんなつながりが増えていくのが活動の原動力になっています。
園芸道具もDIYで工夫
割とのめり込むタイプなので、園芸道具もDIYで工夫することが多いです。写真は100均のプラケースと金網を組み合わせたポット置き場なのですが、水やりしても部屋やベランダが汚れないので便利です。
植物を置く台も、好みのデザインで部屋に合うサイズの既製品がなかったので、自分で木材を加工して作りました。
天板の裏にLEDライトを取り付けて、日当たりの悪さをカバーしています。
おそらく多くの人は「植物を育てる」ことだけが目的ではなく、「植物を育てながら、暮らしを豊かにしたい」のだと思うので、植物と一緒に過ごす時間が快適になるちょっとした工夫やアイデアも発信しています。
これからやってみたいことはありますか?
最初は、植物のある暮らしをアシストしたいという想いから活動を始めましたが、いつか自分の植物ショップをやれたらいいなと夢見ています。
植物に携わる仕事はいろいろとありますが、僕はやっぱり植物好きの人とのコミュニケーションが楽しい。暮らしの中で植物を楽しむ人がもっと増えるきっかけづくりや、その人たちとの輪を広げていくには、生活者に一番近いショップが一番フレキシブルに動けるので。
よく妄想するのですが、園芸ショップに、土や道具やアドバイザーさんがいる作業スペースがあって、植物だけもって遊びにいけば、植え替えをしたり、植物好きの人と話したりできれば素敵だなあと。ぼんやりとですが、そんな交流のきっかけを増やしていきたいなと思っています。
これから植物を育てる人に一言メッセージを
よく「初めて育てるにはどんな観葉植物がいいですか?」と聞かれることがあります。もちろん育てやすい植物から始めるのもひとつですが、個人的には、自分が見てときめいた植物を育てるのが一番良いと思うんです。その植物が好きでないと愛着もわきにくいですし、毎日様子を見る気にならないですよね。
そして、その植物がどこからやってきたのかを知ることも大切だと思います。原産地がどこなのか、そこはどんな気温や湿度なんだろう?と、植物の故郷に思いを馳せてみると、その植物が乾燥を好むのか、湿度を好むのか、日当たりが好きなのか少し薄暗いほうがいいのかなどイメージしやすいと思います。
観葉植物はインテリアとしても素晴らしいですが、当然ですが生き物です。日本とは環境の違う遠い国からやって来て、縁あって自分の部屋で一緒に暮らすのだから、その子が過ごしやすい環境に気を配ってあげるのも、植物と暮らす楽しさであり、責任だと思うんですよね。
……といった植物トークができる人を、これからも少しずつ増やしていければと思っています笑。
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