長持ちする夏のグリーンをガラスの花瓶に生けてみよう。

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峰亜由美

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夏は切り花を生けてもなかなか長持ちせず、日中の締め切ったお部屋の中ですぐに枯れてしまうのでお花を生ける機会も減ってしまう方が多いのではないでしょうか?

長持ちするグリーンを選び、質感や形が違う数種類を合わせてグリーンだけを生けてみても素敵ですが、今回は夏に長持ちする3種類のグリーンと桔梗の花をガラスの花瓶に生けてみました。青紫色の桔梗と明るいグリーンのコントラストは、これから来る梅雨空に爽やかな気分を運んでくれます。

 

目次

回今使った花、桔梗

今回使ったグリーン、利休草

今回使ったグリーン、木苺

今回使ったグリーン、スモークグラス

さぁ!生けてみよう

完成とまとめ

 

桔梗

■植物名 桔梗(キキョウ)

■学名 platycodon grandiflorus

■分類 キキョウ科キキョウ属

■原産国 日本 中国

■多年草

桔梗は梅雨の始まる頃から秋頃まで青紫色の花を咲かせます。蕾は紙風船のように可愛らしく膨らみ、英名ではballon flowerと呼ばれています。

咲いた姿の凛とした佇まいは、曇りがちの梅雨空には爽やかさを運び、真夏の暑さの中では涼し気な気配を、空が高くなる頃は秋風に揺られ楚々とした美しさも魅力的なお花です。

今回は明るいグリーンとあわせてコントラストを楽しみます。

 

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利休草

■植物名 利休草(リキュウソウ)

■学名 Stemona japonica

■分類 ビャクブ科ビャクブ属

■原産国 中国

■多年草

利休草は長持ち!繊細な様子からは想像が出来ないくらい強くて長持ちします。

マメなお水換えが長持ちの秘訣です。

どんなお花とも相性がいい万能な植物で利休草が入るだけで簡単に一味違うアレンジになります。

お花屋さんの店頭では丈が15㎝~30㎝程の物から、今回使用している長い蔓になった物まで色々な表情をした利休草が扱われています。利休草は明るいグリーンをした葉が魅力的でお日様の入らないお部屋の中に観葉植物を置く代わりに利休草だけを飾ってみてもお部屋の雰囲気が明るくなります。名脇役としても主役としても万能な植物です。

花生けに困ったら利休草を合わせてみるとアレンジがまとまりますよ。

 

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木苺

■植物名 キイチゴ(ブラックベリー)

■学名 Rubus spp.

■分類 バラ科キイチゴ属

■原産国 

■多年草 常緑低木

木苺は6月頃から秋頃までお花屋さんで出回ります。背丈は20㎝~80㎝位の長さの物が扱われ、今回は丈の短い木苺をいけましたが背丈の高い花瓶に生けても良く似合います。

大きな花(例えばカサブランカやダリア等)と合わせても葉の大きさと花の大きさのバランスを取りやすく合わせやすいグリーンです。

柔らかそうで大きな葉と新芽のつややかさはアレンジ全体に瑞々しい印象を与えると同時にアレンジ全体にボリュームを出します。

木苺はどんな色の花とも合わせやすく扱いやすい植物で、縦に大きな葉が重なる様な造形は切り分けやすく花瓶との丈も簡単に合わせる事が出来ます。

 

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スモークグラス

■植物名 スモークグラス

■学名 panicum virgatum

■分類 イネ科パニカム属

■原産国 北アメリカ

■一年草

スモークグラスは繊細な穂が特徴的なイネ科の植物です。

5月頃からお花屋さんで出回りはじめます。花の先は糸の様に細くて大変折れやすく扱う際は優しく扱いましょう。

スモークグラスは草の様な雰囲気ですが、アレンジにいれると洗練された印象と、間があいた空間にグラデーションを生み出し、この生け方だと変かな?と迷った時には花と葉や花と枝、或いは枝と葉の間など気になる間に入れてみると、全体に優しい印象になります。

 

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では、生けてみましょう。

1.利休草を1本いけます。

水につかる部分は葉を落としておきましょう。

 

2.水につかる部分は葉を落とした蔓を輪にする様に丸めます。

切り口が水に浸かっている事を気にしながら生けてみて下さい。

丸く輪にする事で見た目のユニークさと花瓶の中で他の植物の花止め(位置を固定する)としても役にたてます。

水面から上の部分のガラスの中にも葉がついた部分を少し入れ込んでみると、水の中と外とのコントラストが出来てアレンジにメリハリをつけてみましょう。

ガラスの花瓶から見える繊細な蔓と葉は涼しそうで夏に似合う景色です。

利休草だけでもシンプルで夏に良く似合い、このまま飾って楽しんでも素敵ですよ。

 

3.木苺を2本生けます。

木苺は水に浸かる枝についている葉を落としましょう。

丈は花瓶の1~1.5倍程の長さに切り右手前は短めな木苺を奥に長めの木苺を一本ずつあしらいます。手前に生ける木苺は葉がなるべく手前にせり出す様にいけると立体感がでてきます。

木苺を入れる事によって全体にボリュームを出し、豊かなイメージを作ります。

 

4.スモークグラスは2本使用します。

1本は花瓶の2倍の長さに、もう1本は1.5倍くらいの長さに切り左側に高低の差をつけて生けます。スモークグラスは少し長すぎるかな?と思う様な長さでも大丈夫です。

入れる事によって立体感と空間を埋めてグラデーションを作ります。

この時点でグリーンだけで生けても、涼しそうで素敵です。

 

5.桔梗を3本生けます。

桔梗はスモークグラスの一番高い位置から木苺の一番低い位置までの間に、バランス良く生けましょう。

ポイントは一つだけ主役になるキキョウの花を選び正面に大きく見える位置に生けます。花をその位置に止めるには、水の中で交差する利休草の蔓や木苺の枝によりかからせたり花止めとして上手く使ってみましょう。

その他の桔梗はバランス良く、スモークグラスから木苺の間で好きな位置に生けてみましょう。

長さは主役に選んだ花の周りに添わせるように同じくらいの長さでいけてみるとまとまります。

 

6.利休草の茎はそのまま流す様に飾っても、花瓶をぐるりと一周させて、手前で巻き付ける飾り方も出来ます。

 

7.少しアレンジに変化が欲しくなったら、お水換えの途中で他のお花を足して行くこともおススメです。例えば、この季節に同時にお花屋さんに並ぶ、アガパンサスやデルフィニウムなど同系色のお花を足してみるのもおすすめです。

お花屋さんで見つけたお気に入りを足して素敵なアレンジを楽しんでみて下さいませ。

 

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完成とまとめ

完成です。

今回は数種類のディテールの違うグリーンを使って生けてみました。

花を入れずにグリーンだけで飾っても夏らしくて気持ちがいいですよ。

実は花を生ける時のポイントは、どんな場合でもグリーンのボリュームやバランス次第で花を受け入れるベースが出来てきますのでグリーンの扱い方や配置のバランスのコツを覚えるとどんな生け方でも、どんな花と合わせるのも簡単に出来る様になってきます。

色々な種類でもグリーン同士は合わせやすいので、お好みのグリーンを見つけて合わせてみるのも楽しいですね。個性的で面白い形をした南国風グリーン同士でも合わせてみると素敵に仕上がります。

夏の間にグリーンを生けて楽しんでみませんか?

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峰亜由美

幼少の頃から植物に詳しい両親に育てられ自然と植物や昆虫に興味を持つ環境で育った私は自然に花の世界で仕事をするようになっていました。現在は各地にてワークショップを開いたりイベントなどで移動花屋を開いたり、帽子作家さんとドライフラワーを使ったコサージュ展や陶芸家さんとの2人展等、幅広く花に携わるお仕事をしています。自宅では野菜を作ったりガーデニングをしたり植物三昧な日々です。何よりお花と共に過ごして思う事はお花のある場所ではたくさんの笑顔に出会える事が幸せです。植物と共に暮らす素敵さをお伝えして行きたいと思っています。

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