ラナンキュラスとは？育て方・栽培方法｜植物図鑑
- 植物名
- ラナンキュラス
- 学名
Ranunculus asiaticus
- 英名
- Buttercup
- 和名
- ハナキンポウゲ
- 科名
- キンポウゲ科
- 属名
- キンポウゲ属
- 原産地
- 西アジア、ヨーロッパ
ラナンキュラスの特徴
ラナンキュラスは、早春から春にかけて開花する球根植物です。秋に球根を植えると3月～4月に開花し、夏の高温期は休眠します。
ラナンキュラスの学名の由来は、葉が「カエルの足」に似ていることや、ラナンキュラス属の多くが湿地帯を好むことから、ラテン語の「rana （カエル）」 が語源となっていると言われています。英名バターカップ（Buttercup）は、原種のラナンキュラスが花びらが5枚の黄色い花であることに由来します。
園芸用として流通しているラナンキュラス（Ranunculus asiaticus）は、加湿が苦手です。薄紙のように繊細な花びらが幾重にも重なった花が、光と温度に反応して開く姿がとても魅力的で、毎年新品種が作り出されるほど人気があります。
ラナンキュラスの球根は「吸水処理」をしてから植え付ける必要があるため、苗としての流通が多い草花ですが、難しい処理ではないので球根からも育てることにもチェレンジしてみましょう。
チューリップと違い、一株から複数の花が開花し長期間楽しめる利点があるので、寄せ植え、庭、花壇の花として活躍します。
ラナンキュラスの詳細情報
| 園芸分類 | 球根 |
|---|---|
| 草丈・樹高 | 30～80cm（品種による） |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 弱い |
| 花色 | 白、ピンク、赤、紫、緑、黄色、オレンジ、アプリコット色、黒、茶、複色 |
| 開花時期 | 3月～4月 |
ラナンキュラスの花言葉
植えっぱなしで毎年開花するラナンキュラス・ラックス
ラックスシリーズは、花びらがキラキラと光っているのが特徴のラナンキュラス。咲き方がスプレー咲きなので、一輪でたくさんの花を楽しめます。
通常のラナンキュラスの球根は、花が咲いた後に堀りあげるのが一般的ですが、ラックス系のラナンキュラスは、植えっぱなしでも翌年咲くので、宿根草のように扱うことができます。背丈も高いので、庭や花壇で目を引く存在になります。
▼ラナンキュラス・ラックスの育て方
ラナンキュラスの球根の植え付け前の準備｜吸水
ラナンキュラスの球根は、完全に乾燥した状態で出回ります。乾燥したものをいきなり植え付けると球根が腐る場合があるので、「吸水処理」をしてから土に植え付けます。
やり方は、湿らせたバーミキュライトや水ゴケに球根のお尻の部分を下にして置き、球根が自然に水を吸うのを待ちましょう。バーミキュライトや水ゴケに水分が多すぎると、球根が水に浸かり腐ってしまうので注意します。
球根が吸水すると、最初の状態より数倍の大きさに膨らみます。いつまでもこの状態にしておくと、球根にカビが生えて腐るので、球根が膨らんだらすぐに取り出し、植え付け作業に入りましょう。
新品種のラナンキュラス
近年品種改良が進み、苗もの、切り花とも、咲き方や色幅がとても豊富になりました。小輪種は写真のようなコインサイズ、大輪は手のひらサイズなど、大きさや草丈が品種によってさまざまです。
ラナンキュラスの育て方カレンダー
| 時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 開花 | ||||||||||||
| 植え付け |
ラナンキュラスの栽培環境
日当たり・置き場所
ラナンキュラスは日当たりと風通しの良い場所を好みます。鉢植えのラナンキュラスは、雨が降り続く日は軒下などの雨が当たらない場所に置き場所を変えるとよいでしょう。
ラナンキュラスは耐寒性のある球根植物ですが、霜には当てないようにしてください。苗の状態から植え付ける場合は、霜の降りる時期は地植えにするのは止めましょう。霜で球根が傷んでしまい枯れてしまう可能性があります。
温度
ラナンキュラスの球根は、寒さにあたることによって花芽が形成されます。霜に当てないように注意しながら戸外で管理しましょう。
用土
水はけが良く肥沃な土壌を好みます。
鉢植えは、市販の草花や球根用の培養土で問題なく育ちます。
ラナンキュラスの育て方のポイント
水やり
庭に植えたラナンキュラスは、植え付け直後以外の水やりは自然に任せます。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら、鉢底から出てくるくらいたっぷりと与えます。球根は腐りやすいので、与えすぎないように注意します。
開花が始まった後の水やりは、花びらに水がかからないように注意しましょう。
肥料
元肥を入れて植え付けた後は、開花し始めたら緩効性肥料を適宜施します。使用している肥料によって与える頻度が違うので、確認してから与えるようにしましょう。
ラナンキュラスの詳しい育て方
選び方
ラナンキュラスは球根か苗で購入します。
球根
カビが生えていない球根を選びましょう。
苗
株がしっかりとして、葉が緑色で生き生きとしているつぼみの多いものを選びましょう。
花びらの枚数の多いラナンキュラスは、つぼみの時と開花してからの色が変化する場合があります。一輪は開花している株で、つぼみと咲いた状態の色の変化を確認して好みのものを選ぶとよいでしょう。
植え付け
球根の植え付け
ラナンキュラスの球根は、完全に乾燥した状態で出まわっています。
植え付け前に吸水処理を行ってから、植え付けます。球根の深さや間隔は、品種によって若干違うため、球根についてくる説明書きを確認してから植え付けましょう。
苗の植え付け
小輪から大輪まで、様々な品種が流通しています。その品種の草丈にあった場所に植え付けましょう。苗は、根を崩さないようにしながら、元肥を入れて植え付けます。植え付け後はたっぷりと水やりをします。
剪定・切り戻し
花が終わったら、花茎を株元でカットします。
花
ラナンキュラスの開花時期は、3月～4月です。開花してからの水やりは、花に水がかからないように注意しましょう。
花が終わった後は、病害虫の発生源にならないように花がらを摘み取るようにしましょう。
収穫
ラナンキュラスは、切り花にして楽しむことができます。切り花のラナンキュラスは、気温が低い場所で管理すると長い間花を楽しめます。
増やし方（株分け、挿し木、葉挿しなど）
球根を分球して増やすことができます。
ラナンキュラスの球根の掘り上げ作業
翌年もラナンキュラスの開花を楽しむために、花後、球根を掘り上げる必要があります。開花後、枯れた花を摘み取り、葉が枯れ始めるまでしっかりと光合成をさせましょう。葉が黄色くなって枯れてきたら掘り上げ、よく洗って完全に乾燥させてください。乾燥させた球根は、バーミキュライトで包むようにして、通気性の良い冷暗所で保管します。
ただし、ラナンキュラス・ラックスは、水はけが良い場所なら植えっぱなしで毎年開花します。
