ムスカリの育て方|植物図鑑
- 植物名
- ムスカリ
- 学名
Muscari
- 英名
- Grape hyacinth
- 科名
- キジカクシ科
- 属名
- ムスカリ属
- 原産地
- 地中海沿岸・アジア南西部
ムスカリの特徴
ムスカリは草丈15cmくらいでブドウのような花を咲かせる、春の球根植物です。ムスカリはとても耐寒性の強い花で、球根は植えっぱなしでも自然分球で増え、毎年花が咲きます。 小さな花ながら花壇に群生させて一斉に咲きそろった光景は見事です。
ムスカリはチューリップなどの同じ時期に咲く球根花との色のコントラストも美しく、チューリップの脇役として使われます。全国のチューリップの名所ではムスカリと一緒に植栽されている光景を見ることができます。
ムスカリは一度植えると、数年は植えっぱなしでも大丈夫なので、管理が楽な球根花です。花壇や木の株元、寄せ植など、様々な場所に植え付けることができます。
ムスカリの詳細情報
園芸分類 | 球根 |
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草丈・樹高 | 10~30cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い(休眠期) |
花色 | 青,紫,白,黄,ピンク,複色 |
開花時期 | 3~5月中旬 |
ムスカリの種類

ムスカリ・エスター
ほんの少しブルーがさし色になっている白系ムスカリ

ムスカリ・マウンテンレディー
白と淡いブルーの2色咲き。普通の形とは少し違って、頂点の部分が白い帽子をかぶっているみたいなムスカリ

ムスカリ・オーシャンマジック
淡いブルーと白の複色カラーのムスカリ
ムスカリの豆知識
ムスカリの名前の語源はムスクに香りが似ていることからつけられました。ムスクとはジャコウジカの雄からとる香りを付けるための原料です。
ムスカリの歴史
今から6万年前イラク北部のネアンデルタール人の遺跡から埋葬時ムスカリの花がたむけられていた跡があり、史上最古の埋葬花と言われています。ムスカリは1980年ごろから出回っていますが、最初は小さくてあまり見栄えもせず、あまり高級なイメージもなく贈り物に適さなかったのですが、今ではさまざまな工夫でかわいらしく演出され、ギフトとして重宝されるようになってきました。
ムスカリの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ムスカリの栽培環境
日当たり・置き場所
ムスカリは日当たりと水はけのよい場所が適しています。ムスカリは日当たりの悪い場所だと徒長したり、花付きが悪くなります。
用土
市販の培養土でも構いません。ムスカリは酸性の土は苦手なので、植え付け数週間前に苦土石灰を入れて土壌改良をしておきましょう。
ムスカリの育て方のポイント
水やり
鉢植えのムスカリは鉢の表面が乾いたら水を与えましょう。地植えのムスカリは特に水やりの必要はありません。
肥料
植え付け時に緩効性肥料を混ぜておき、花が咲いた後の5月あたりに、15日に1回液体肥料を与えます。
ムスカリの詳しい育て方
選び方
ムスカリは夏場に出回る球根か、春に芽が出た状態で出回る苗として販売されます。ムスカリの球根はカビなどがついていない充実した球根を選びましょう。ムスカリを芽出し苗で購入する場合は、葉の色がきれいなもの、葉があまり伸びすぎていないムスカリを選びましょう。
植え付け
ムスカリの植え付け時期
ムスカリの球根の植え付けは、時期が早すぎると、葉がだらりと長くなって、見栄え的に悪くなるので、遅めに植えた方がよいでしょう。ただし、あまり遅らせると球根の生長が間に合わないので気をつけましょう。
ムスカリの植え付け場所
ムスカリの球根は、日当たりがよい場所で水はけも良い場所に球根の先端が隠れる程度に植えます。地植えのムスカリは5cmほど土をかぶせます。間隔は5cm~15cmと詰めて植えるときれいです。
鉢植えのムスカリは、地植えのムスカリよりもさらに時期遅く、浅植えで植えると見栄えがきれいになります。
ムスカリの球根を数年間植えっぱなしで管理する場合は、分球して増えることを考えて、球根同士の間隔をあけて植えこみます。たくさんのムスカリをカーペット状に咲かせたい場合は、密植して植えこみます。
間引き
ムスカリは数年植えっぱなしにしておくと自然に分球して増えていきます。窮屈になってきたら球根を掘り起こして、脇に出来ている小さな球根を間引いてあげましょう。
剪定・切り戻し
枯れた葉や花を切って清潔にして休眠期に備えます。ただし地植えのムスカリの葉は切らなくても翌年グラウンドカバーになるくらい増えるので、自然な見た目が好きな方はそのままにしておいても大丈夫です。
植え替え・鉢替え
植えっぱなしのムスカリ
ムスカリは地植えでも鉢植えでも育てることができます。ムスカリを植えたままにしておくと、土の中でどんどん球根が増えて、やがて窮屈になります。2年おきくらいに球根を掘りあげて別の場所に植え替えましょう。
ムスカリを掘り起こして管理する場合
6月くらいに堀り上げて乾かして保存し、秋に植えつけてもよいでしょう。ムスカリの球根を掘りあげた時、親球根の周りに小さな子球根がたくさんついています。保存時は子球根ははずさず、植えつけるときにはずして植えます。
花
ムスカリは3~5月中旬に花を咲かせます。花が咲き終わると種ができはじめます。種ができる前に花をカットすると、球根が生長する方に栄養が回り、充実した球根に生長します。終わった花茎は株元からカットしましょう。
最近のムスカリは新種が続々と登場し、紫系の濃淡の他、ピンク、白など様々な色のものがあります。咲き方もユニークなものが続々と登場しているので、植栽するスペースの色合いに応じて様々な色合いのムスカリを植栽してみてはいかがでしょうか。
収穫
ムスカリの花は切り花としても利用することができます。最近では球根がついた状態でも切り花として流通し、人気があります。
夏越し
ムスカリは植えっぱなしができる球根
ムスカリは、植え付けて数年は植えっぱなしで夏越しできます。数年間は植えっぱなしでかまいませんが、球根が増えて土の中で窮屈になってくるので、数年に1度は植え替えをした方がよいでしょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ムスカリは植えっぱなしで自然に分球して増えます。花の開花後、球根を掘り起こして保管する場合は、親球根の周りにたくさんの分球した子球根を見ることができます。その際は、子球根をつけたまま植え付けたままで管理し、植え付けるときに子球根を切り離して植え付けしましょう。