ムシトリスミレとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ムシトリスミレ
- 学名
Pinguicula vulgaris
- 英名
- Common Butterwort, Butterwort
- 和名
- 虫捕菫
- 科名
- タヌキモ科
- 属名
- ムシトリスミレ属
- 原産地
- 北半球、南アメリカ西部、日本
ムシトリスミレの特徴
ムシトリスミレは、タヌキモ科ムシトリスミレ属の多年草であり、食虫植物の仲間です。スミレのような小ぶりで可憐な花を咲かせること、食虫植物であることからムシトリスミレと名付けられていますが、スミレの仲間ではありません。
ムシトリスミレは、表面に線毛が密生している3~8cmの葉をロゼットに広げ、そこから粘液を出します。この粘液で虫を捕まえて、さらに消化液を出して溶かして、栄養を吸収します。捕獲のための粘液と栄養を吸収するための消化液の2種類を出しているという仕組みです。ムシトリスミレの花が咲くのは早春から夏、10~15cmの細い花茎を伸ばし、その先に2~3cmの花を1つ咲かせます。花のフォルムは後ろに突き出した筒状、色は白、ピンク、紫などで、スミレに似ています。
ムシトリスミレ属は約50種ほどがあり、多くは北半球と南アメリカ西部に分布しています。日本にもムシトリスミレとコウシンソウという仲間の2種が自生しています。特にコウシンソウは自生地が限られていて、数も減少傾向にあるので、保護していきたい日本固有種です。
ムシトリスミレの詳細情報
園芸分類 | 食虫植物 |
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草丈・樹高 | 10~15cm程度 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白、ピンク、紫など |
開花時期 | 2月~7月頃 |
ムシトリスミレの種類
コウシンソウ
- 学名:Pinguicula ramosa
コウシンソウは、栃木県の庚申山で発見されたムシトリスミレの種類です。発見された地名が名前の由来となっています。花茎は5~6cm、葉は長さ1~2cmと、ムシトリスミレよりも小ぶりです。
ムシトリスミレの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 |
ムシトリスミレの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所から半日陰、風通しの良い場所を好みます。暑さに弱いので、地植えは避けて鉢植えで管理しましょう。
用土
肥料分の少ない用土で栽培します。水苔のみ、または鹿沼土、ピートモス、川砂を混合したものを用います。
ムシトリスミレの育て方のポイント
水やり
湿り気を好む一方、鉢の中に水がたまっていると根腐れしやすくなります。浅く水を張った容器(受け皿)の中に鉢を置き、底面から給水させる「腰水」で管理し、植え込み材料の表面が乾かない程度に水やりします。
肥料
種によりますが、肥料分のほとんどない高地の岩石地帯が主な生息地です。生育が著しく鈍いと感じる時以外、肥料は与えません。
病害虫
用土から葉に雑菌がついて枯れてしまうことがあります。苔やカビがつてきたら表面の用土を交換して、清潔に保ちましょう。
ムシトリスミレの詳しい育て方
選び方
葉の色つやが良く、勢いのあるものを選びましょう。
植え付け
根の動き出さない真冬から春の間に行います。水苔の場合はすべて交換。株が大きくなっていれば、株分けもできます。
剪定・切り戻し
枯れた葉を取り除く以外、剪定は必要としません。葉をいじられることをとても嫌います。水やりの際も葉にかからないよう注意しましょう。
植え替え・鉢替え
鉢底から根が見えるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えます。
花
ムシトリスミレの花は、早春から夏に開花します。
夏越し
暑さに弱いので、夏は風通しの良い場所に移動させるようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分けで増やすことができます。