アジアンタムの育て方|植物図鑑

植物名
アジアンタム
学名

Adiantum

英名
Adiantum
和名
アジアンタム
科名
イノモトソウ科
属名
ホウライシダ属
原産地
種によって異なる

アジアンタムの特徴

アジアンタムはイノモトソウ科ホウライシダ属に分類されるシダ植物の総称です。世界の温帯~亜熱帯に分布しており、その数は200種を超えるそうです。

日本でも温暖な地域にはホウライシダ属が自生しています。

アジアンタムの特徴は薄く小さい葉です。非常に繊細な雰囲気を持ったものが多く、シャワシャワとした葉は観葉植物として人気が高いです。

アジアンタムはその葉の薄さから乾燥と寒さに弱いです。しかし、耐乾燥性と耐寒性は品種によって異なり、日本に自生しているようなホウライシダは0℃程度まで耐えられます。

一般的に観葉植物として販売されているアジアンタムはそこまで耐寒性があるわけではないので、冬場は室内などに入れると良いと思います。

アジアンタムの詳細情報

園芸分類 シダ・コケ
草丈・樹高 ~1m
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
花色 なし
開花時期 なし

アジアンタムの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
増やし方
肥料

アジアンタムの栽培環境

日当たり・置き場所

日光

【屋外】

春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、50%~75%の遮光をしてください。

品種や育成環境によって遮光率が変わってくるので、管理しながら調整してください。

遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】

耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光が当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。

室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】

高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

日光の入る浴室などに置くことも出来ますが、暑いシャワーやカビに注意してください。

温度

温帯~熱帯に分布しているため暑さには強いです。しかし寒さには弱いため冬場10℃程度になったら暖かい室内に取り込むようにします。

品種にもよりますが、8℃以下にならないように保温してください。

用土

高湿度を好むため、観葉植物用の土5:赤玉土1:鹿沼土1をブレンドしたもの、バークチップ、ベラボンなどに植え込むと調子がよいです。

屋外で管理する場合も屋内で管理する場合も、用土にカビが発生しないように注意してください。

ミズゴケは常に湿っている状態にしておくと腐敗することがあるので、適度に乾燥するようにしてください。

アジアンタムの育て方のポイント

水やり

アジアンタムは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が10℃以上のとき】

主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

葉がしおしおになり弱ってくるようならば水やりの回数を増やしてください。

【気温が10℃以下のとき】

アジアンタムは気温が10℃を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりをしてください。

アスプレニウムを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。

また、アジアンタムは乾燥に弱いので冬場は葉水を多めに行ってください。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。

冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。

有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】

黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。

アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがアジアンタムの中に侵入し、病気を発症させます。

また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】

3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。

カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】

葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。

外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。

大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。

少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】

柔らかい花芽や新葉、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにアジアンタムを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】

イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。

割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

アジアンタムの詳しい育て方

選び方

アジアンタムを買う時は必ず病害虫に注意してください。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々アジアンタムが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

病害虫以外では葉が枯れておらず、ボリュームのあるものを選ぶとよいです。また、徒長していないものを選んでください。

種まき

シダ植物なので種はありませんが、胞子を湿らせたミズゴケなどに蒔くことで発芽する場合があります。

胞子を蒔く場合はなるべく高湿度を保つようにしてください。また、発芽したての株は乾燥に極端に弱いので注意してください。

植え付け

素焼き鉢に観葉植物用の土5:赤玉土1:鹿沼土1をブレンドしたものやバークチップ、ベラボンなどを使って植え付けてください。

真冬は成長が緩慢になっているため、梅雨時がおすすめです。

剪定・切り戻し

このように直射日光や水切れでチリチリになってしまったり、弱ったりして倒れてしまった葉は復活しないので、通気性を良くするためにハサミなどで剪定してしまいます。

植え替え・鉢替え

アジアンタムは環境に適応するとドンドン増えていきます。そうすると根詰まりを起こすことがあるので、1~2年に一度植え替える必要があります。

まず、アジアンタムを鉢から取り出します。

土が古くなり、長い間水切れがあり、ガチガチになっているので、水を張ったバケツなどに浸して古い土を優しく取り除きます。

完全に古い土を取り除く必要はありません。

次に、土を用意します。

アジアンタムは多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまうので、水はけの良い土を使って水やりの回数を増やすようにします。

今回は観葉植物用の土2、赤玉土1、鹿沼土1を混ぜたものを使用します。

まず、基準となる観葉植物の土を用意します。

観葉植物の土の半分程度の量の赤玉土を入れていきます。

最後に赤玉土と同じ量の鹿沼土を入れます。

よく混ぜ合わせれば完成です。水はけが良すぎるなと感じたら観葉植物用の土を足してください。

一回り大きいサイズの鉢を用意します。あまりに大きいサイズの鉢に植え替えてしまうと土が中々乾かずに根腐れを起こす可能性があるので、一回り大きい程度の鉢にします。

鉢に鉢底石を入れまます。鉢底石を入れる事で通気性と排水性を確保できるので、必ず入れてください。

土を少量入れ、アジアンタムをバランス良く配置します。

周りから土を入れて、水やりをすれば完成です!

これでアジアンタムの植え替えは以上になります。

花は咲きません。

収穫

特に収穫するものはありません。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。50~75%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。

水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。

午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が10℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを少なめにし、昼間の暖かい時間帯に葉水をするようにします。

気温が8℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。

ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

アジアンタムは株分けで増やすことができます。

やり方も非常に簡単で、植え替えのタイミングで株を好きな大きさに分けるだけです。

まず、アジアンタムを鉢から取り出し、古い土を取り除きます。完璧に古い土を取り除く必要はありません。

ハサミやナイフなどで株の中央部に切れ込みを入れます。

あとは手で優しく引っ張れば分けることができます。

土は植え替えのときに使用したものと同じ土を使います。

観葉植物用の土2、赤玉土1、鹿沼土1を混ぜ合わせたものです。

今回は株分けで株の大きさを半分にしたので今まで使っていた鉢と同じ大きさのものを使用しても構いません。

鉢の底に鉢底石を入れ、少量の土を入れた後にアジアンタムをバランスよく配置します。

あとは周りから土を入れて固定すれば完成です。

株分け後は水をたっぷりとあげてください。

また、新芽や根がしっかりと張るまでは日陰で管理して土が乾燥しないようにしてください。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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