カタクリ(片栗)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
カタクリ(片栗)
学名

Erythronium japonicum

英名
Japanese dog’s tooth violet
和名
片栗
別名・流通名
堅香子(カタカゴ)、エリスロニウム
科名
ユリ科
属名
カタクリ属
原産地
日本、東アジア

カタクリ(片栗)の特徴

カタクリ(片栗)は、ユリ科の多年草。まだ雪の残る森や山林でいちはやく紫の花を咲かせ、春の訪れを告げてくれる存在で「スプリングエフェメラル=春の妖精」とも表現されます。下向きに咲く花は、開花とともに花弁が反り返り、曇りや雨、夜になると花が閉じます。花後、草木が勢い良く生い茂る初夏には早々と地上部を枯らして休眠に入ります。

カタクリ(片栗)の球根(鱗茎)からは良質なデンプンが取れるため、かつてはカタクリ(片栗)の球根から抽出したデンプンを片栗粉として調理に用いていましたが、生産量が少ないため近年ではジャガイモやサツマイモから抽出したデンプンが用いられるようになりました。原材料が変わった後も、片栗粉という名前のみが残っています。

都市開発や森林の荒廃、乱獲などで一時は群生地が少なくなりましたが、保護活動によって再び花を見られるようになった地域もあります。

カタクリ(片栗)の詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 ~30cm程度
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
花色 赤紫、薄紫、ピンク、白、黄
開花時期 3月~4月

カタクリ(片栗)の種類・品種

カタクリ(片栗)の仲間は、北米やヨーロッパなど北半球に約20種が分布しています。

紫のイメージが強い花色ですが、海外種は白や黄色が中心で西洋カタクリとも呼ばれます。黄花カタクリの名でも知られ園芸種のエリスロニウム・パゴダの名で流通が多い北米産の「エリスロニウム・トゥオルムネンセ」、白花品種のスノーフレークのほか花の色幅がある欧州産の「エリスロニウム・デンスカニス」、日本のカタクリによく似ていて黄花の「エリスロニウム・アメリカナム」、白~クリーム色の「エリスロニウム・カリフォルニクム」、藤色の「エリスロニウム・ヘンダーソニー」などがあります。

カタクリ(片栗)の花言葉

 

カタクリ(片栗)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
球根の植え付け
開花

カタクリ(片栗)の栽培環境

日当たり・置き場所

カタクリ(片栗)は、発芽から開花期までは日当たりが良く、花後は強い日差しが当たらない環境を好むため、落葉樹の下のような環境での栽培が適しています。夏に強い西日が長時間当たるような場所への植え付けは不向きです。

鉢植えは、季節によって好みの環境に鉢を移動させるとよいでしょう。

用土

水はけが良い土を好みます。適度な湿り気も必要なので保水性も良くしましょう。

鉢植えは、山野草用の培養土などでも栽培可能です。

カタクリ(片栗)の育て方のポイント

水やり

極端に乾燥させないようにしましょう。

地植えは、植え付け直後以外は水やりの必要はありません。

鉢植えは、土を乾燥させすぎると根張りに影響が出るので、湿り気があるような状態を保ちましょう。葉がなくなる休眠中も完全な断水はせず、完全に乾き切らない程度に水やりを続けます。水のやりすぎは根腐れの原因となるので気をつけましょう。

肥料

地上に葉がある期間が短いので、過肥にしすぎないようにしましょう。

地植え:腐葉土や堆肥、または緩効性肥料を混ぜ込みながら植え付けます。

鉢植え:植え付け時に緩効性肥料を入れて植え付けます。

追肥は、葉がある期間、液体肥料を1か月に2回程度与えます。

病害虫

気温が低い時期が開花時期のため、目立った病害虫の害はありません。

カタクリ(片栗)の詳しい育て方

選び方

カタクリ(片栗)は、球根かポット苗で流通しています。

球根は、学名のエリスロニウムの名で販売されていることがあります。欧米種は、日本で自生しているカタクリ(片栗)より温暖地でも栽培しやすいものが多く、園芸品種も多数あります。

植え付け

球根の植え付け適時は、7月~10月です。植え付け前の準備として、土を30~40cmの深さまで耕し、根がスムースに張るように整えます。球根に土が5~6cmかぶる程度の深さ、球根同士の間隔は10cm程度になるように植え付けます。植え付け終わったらたっぷりと水を与えます。

鉢植えは、球根に土が3cm程度かぶる深さに植え付けます。カタクリ(片栗)の球根は下へ下へともぐるように伸びる性質があるため、深く根が張れるよう深鉢を用意しましょう。

植え替え・鉢替え

鉢植えの植え替えは、休眠期の夏が適時です。

canva カタクリ

カタクリ(片栗)の花は、他の花に先駆けて早春に開花します。終わった花は、種を採る目的がないなら早めに摘み取りましょう。

夏越し

夏は休眠期です。木陰になるような場所が植え付け場所として最適です。株元に強く日差しが当たるようなら、敷き藁などでマルチングをすると地温が極端に上がるのを防ぐことができます。

鉢植えは、風通しが良い半日陰程度の場所に移動させましょう。休眠中で地上部分は葉がありませんが、断水せず根が腐らない程度に適度な湿り気のある状態になるように水やりをしましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

種か分球で増やすことができます。種は採ったらすぐにまく「とりまき」をします。ただし、日本のカタクリ(片栗)は種をつけにくく、採取できたとしても実生苗が開花するには6~8年かかるといわれています。

植え付けから2年目以降に分球していくので、これを分けて増やす方が簡単です。休眠期の夏に株を掘り上げて、球根を分けます。種と違い、親株の性質がそのまま遺伝するのも特長です。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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