オシロイバナ(おしろい花)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- オシロイバナ(おしろい花)
- 学名
Mirabilis jalapa
- 英名
- four-o’clock、Marvel of Peru
- 和名
- おしろいばな
- 別名・流通名
- ゆうげしょう(夕化粧)
- 科名
- オシロイバナ科
- 属名
- オシロイバナ属
- 原産地
- 中南米
オシロイバナ(おしろい花)の特徴
オシロイバナは草丈70cmほど、株張りが50cmを超える大型の草姿で、花は夏から秋の午後4時ごろから咲くため英名では開花時刻を示すfour-o’clockと呼ばれています。夕方から翌朝10時ごろまで咲いています。オシロイバナの花びらに見える部分はがくで、赤、ピンク、白、黄色の単色の他に絞り咲きや染め分けがあり、1枝の枝から異なった色の花が咲きます。オシロイバナの種子は大きくおしろいのような粉末が入っています。通常は種から育てる一年草として扱いますが、関東より西の地方では冬場は地上部が枯れますが塊状の根が肥大して残り、多年草として扱うことができます。
オシロイバナ(おしろい花)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 70cm程度 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | 弱い |
花色 | ピンク、白、黄色 |
開花時期 | 7月~9月頃 |
オシロイバナの名前の由来
オシロイバナ(白粉花)は種子の中から「おしろい」に似た白い粉が出るのでつけられた名前です。種子は1花に1つでき、割ると胚乳が粉上に出てくるので子どもたちがこの粉をおしろいのように顔に塗って遊んだことからついた名前です。別名夕化粧とも呼ばれます。また学名のMirabilisは「不思議な」というラテン語で1本の枝から異なった花色が咲くことからこの名がつきました。
オシロイバナの遊び方
種を割って中から出てくる白い粉を鼻筋などに塗っておしろいとして遊ぶ以外には、花の汁をこすりつけてマニュキアのように爪を染めることができます。東北地方にはオシロイバナの赤い花を鼻先につける鼻天狗という遊びがあります。男の子はオシロイバナの黒い種を鼻の穴へ入れて鼻鉄砲として遊んでいました。鼻の奥へ種が入ってしまう危険を伴うのでおすすめできませんが。それ以外にも花の蜜を吸ったり、花の付け根の緑色の部分を開いており、めしべをひっぱるとオシロイバナのパラシュートが出来ます。
オシロイバナの受粉について
オシロイバナは明るいうちは派手な花色で虫を誘い、午後6時ごろになると花の中にまいてしまわれていためしべとおしべが伸びてきて、夜になると強い香りを発して虫を呼び寄せます。オシロイバナの花の構造は長いロート状になっているので日本では夜に活動するスズメガの仲間ではないと花粉まで届かないでしょう。午後8時ごろにはめしべとおしべがまき上がってがくの中に入ってしまい、このときにが自家受粉して結実します。原産地では花粉を運ぶ虫やコウモリが多種類いたのかもしれませんが日本には少ないため自家受粉するようになったのかもしれません。
オシロイバナ(おしろい花)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
オシロイバナ(おしろい花)の栽培環境
日当たり・置き場所
オシロイバナは日当たりがよく風通しの良い場所に育てましょう。
日当たりが良いと花の色も鮮やかになります。
半日陰でも育ちます。
温度
オシロイバナはやや耐寒性もあり、真冬でも2~3℃の気温があれば冬を越します。
用土
オシロイバナは丈夫な植物で土質はあまり選びません。鉢に植える場合は花用の市販の培養土を使用するか、赤玉土と腐葉土を配合しましょう。
オシロイバナ(おしろい花)の育て方のポイント
水やり
乾燥には非常に強いです。花の時期になると株が大きくなり、特に鉢植えで栽培するオシロイバナは乾燥で葉がしおれやすくなるので夏場は1日に1回たっぷりと水やりをしましょう。地植えのオシロイバナは水やりの必要はありません。
肥料
元肥をしっかりやれば追肥は不要です。あまり肥料は必要とし無い為、育成期にのみ1ヶ月に1度液肥を与えましょう。
病害虫
目立った病害虫はありませんが、新芽部分にアブラムシがついたり、ナメクジにつぼみを食害されることがあります。ナメクジは専用の薬剤を使用するか補殺しましょう。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
ナメクジ:ナメクジは植物の葉やつぼみ、花びら、野菜の新芽などを食べます。大量に発生すると茎だけ残して葉を全て食べられてしまったり、葉が一部食べられて穴が開いても生長不良に繋がります。土の中にいることが多いため、植え替え時に点検したり、雨上がりにチェックすると比較的見つけやすいです。
オシロイバナ(おしろい花)の詳しい育て方
選び方
ポット苗には花色別で流通するもののほかに花色が混合の品種もあるので好みのものを選びましょう。葉色が変色しておらず、株元がぐらぐらしていないがっしりした苗を選びましょう。
種まき
花壇に直播しても良いですが、ポットにまいてから植え付ける方法でもよいです。発芽までは乾かさないように管理しましょう。
植え付け
日当たりのよい場所を選びます。地植えのオシロイバナは大きめの穴を掘ってしっかりと耕してから元肥として化成肥料を入れます。
植え替え・鉢替え
オシロイバナは直根性の植物で根の移植を嫌います。
植え替えの場合は根を傷つけない様に細やかな注意が必要です。
花
ひとつの花は1日でしぼんでしまいますが、次々と別の花が咲きます。
冬越し
オシロイバナは凍結すると冬を越す事はできませんが、冬でも2℃~3℃の気温であれば冬を越す事が出来ます。