クランベリー(ツルコケモモ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- クランベリー(ツルコケモモ)
- 学名
Vaccinium oxycoccos(ツルコケモモ)
Vaccinium macrocarpon(オオミノツルコケモモ)
- 英名
- Cranberry
- 和名
- 蔓苔桃、大実蔓苔桃
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- スノキ属
- 原産地
- 北米、ヨーロッパ、アジア北東、
クランベリー(ツルコケモモ)の特徴
クランベリーは、初夏にうつむきがちに白い花が咲いたあと、秋に丸くてつややかな可愛らしい赤い果実を実らせる常緑のほふく性低木です。自家結実性があるので1本だけでも結実します。
和名では、ツルコケモモやオオミノツルコケモモと呼ばれています。どちらもほふく性常緑低木ですが、オオミノツルコケモモの方が果実が大きく、園芸用の苗や鉢ものとして流通するほとんどはオオミノツルコケモモです。
クランベリーの果実は酸味が強く生食には向かず、ジャム、ケーキ、シャーベット、果実酒、料理のソースなどに加工して利用されます。北米や北欧の野菜や果物が不足しがちな長く寒い冬に、大切な栄養源として食卓を賑わせてきました。また、古くから食用だけでなく、傷薬や解毒剤、胃や肝臓の働きを整える薬として用いられてきました。冷涼な気候の湿地や沼地に自生し、高温多湿の気候を嫌います。加工用に使うには大量の実が必要なため、果樹としてよりは実の鑑賞目的での栽培が多いようです。
同じツツジ科のコケモモ(リンゴンベリー)と混同されがちですが、別種です。見分け方は花の形です。コケモモの花はブルーベリーやドウダンツツジのような釣鐘型、クランベリーの花は花びらが後ろに反り返ったように咲くので見分けることができます。
クランベリー(ツルコケモモ)の詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
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草丈・樹高 | 10~20cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~6月 |
クランベリー(ツルコケモモ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
収穫 |
クランベリー(ツルコケモモ)の栽培環境
日当たり・置き場所
クランベリーは、夏以外は日当たりの良い場所~半日陰程度の場所での管理が適しています。真夏の強い日差しや西日が長時間当たるような場所での管理は避けましょう。
冷涼な気候を好み高温多湿を嫌うため、暖地では鉢植えで栽培し、夏は鉢を移動させて管理する方が無難です。
用土
ツツジ科のクランベリーは、ブルーベリーと同じく酸性土壌を好みます。
赤玉土(小玉)、鹿沼土、ピートモスを4:4:2の割合でブレンドするか、市販のブルーベリー用の培養土でも栽培可能です。
クランベリー(ツルコケモモ)の育て方のポイント
水やり
クランベリーは、多少湿り気のある土を好みます。鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えます。完全に水が切れてしまうと、葉が茶色くなり、落葉してしまうことがあるので水切れには注意しましょう。
肥料
クランベリーはやせ地でも育つ植物なので、過肥の必要はありません。春と秋に緩効性肥料を与える程度で十分です。
病害虫
目立った病害虫はありません。
クランベリー(ツルコケモモ)の詳しい育て方
選び方
園芸店でクランベリーとして販売されているものの多くは、オオミノツルコケモモです。晩夏の頃から実つきの苗や鉢ものが出回ります。
株元まで葉が茂り、実つきの良い鉢を選びましょう。
植え付け
植え付け適時は3月頃の霜がおりる心配がなくなったころが適時です。
仕立て方
クランベリーの樹高は10~20cmですが、つるが長く伸びます。鉢を台に置いたり、ハンギングバスケットに植えて、つるを生かして飾ると見栄えがします。
剪定・切り戻し
秋の収穫が終わったら、混み合った枝を整理するように剪定します。また、5月に花が咲いていない枝を確認し、間引くようにして風通しを良くするのもよいでしょう。
植え替え・鉢替え
根詰まりを防ぐために、2年に1回程度、傷んだ根や古い土を優しく落とし、1~2回り大きな鉢に植え替えます。植え替え後はたっぷりと水を与えます。
花
初夏に白い花が開花し、花の後、秋にかけて果実が少しずつ大きく色づいていきます。
収穫
緑の実が徐々に赤くなります。すべての実が一度に赤くなるのではなく、徐々に色づきます。加工用に使う場合は、収穫したものから冷凍保存し、ある程度まとまった数になったら作業するとよいでしょう。
夏越し
クランベリーは高温多湿を嫌います。夏は風通しの良い半日陰程度の涼しい場所に鉢を移動させましょう。
真夏の水やりは、朝早くか夕方に行い、日が高い時間帯に行わないようにします。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
クランベリーは挿し木や株分けで増やすことができます。挿し木は6月、株分けは2月中旬から下旬にかけて行います。挿し木の発根率は70%程度です。今年伸びた枝を挿し穂にしますが、1時間ほど水上げした後に、鹿沼土や赤玉土などに挿し、発根まで土を乾かさないように管理します。