ヒヤシンスの育て方|植物図鑑
- 植物名
- ヒヤシンス
- 学名
Hyacinthus orientalis
- 英名
- hyacinth
- 和名
- 風信子
- 科名
- ユリ科
- 属名
- ヒアシンス属
- 原産地
- 地中海沿岸
ヒヤシンスの特徴
ヒヤシンスは秋植え春咲きの球根植物です。ヒヤシンスは小さな花を花茎に連なるように咲かせます。ヒヤシンスにはダッチ系とローマン系があり、ダッチ系は花数も多く豪華です。私たちが日頃見ているヒヤシンスの多くはダッチ系ヒヤシンスです。ヒヤシンスの一番の魅力は、花色のバリエーションの豊富さと強く甘い香りでしょう。
ヒヤシンスは庭植えや鉢植えなど土壌で育てることも、土を使わずに水耕栽培(水栽培)でも育てる事も出来ます。球根は通常、一球から一つの花を咲かせますが、最近は品種改良が進み一球から数本の花芽を出し咲かせる品種もあります。球根の表皮は花色によって違い、表皮の色でおおよその花の色が分かります。
庭植えのヒヤシンスは数年植えっぱなしでも花を咲かせます。但し、球根に蓄えられている養分が減って行くにつれて花も小さくなっていきます。毎年ヒヤシンスの花を楽しみたければ、花後、葉を残して花茎を付け根から切り戻します。その後緩効性肥料を与え、残った葉が茶色く枯れたようになるまで光合成をさせます。こうすることで球根に養分が蓄えられ、翌年も花を楽しめるようになります。葉が茶色くなった頃に球根を掘り上げて次の秋の植え付けまで休ませることで、球根を良い状態で保存しておけます。
ヒヤシンスの詳細情報
園芸分類 | 球根 |
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草丈・樹高 | 15~25㎝程度 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白、赤、黄、ピンク、紫、クリームなど様々 |
開花時期 | 3月~4月頃 |
ヒヤシンスの種類
ダッチ系ヒヤシンス
1本の花茎に小花を縦に連ねるように咲かせます。花数が多く、単体でも見応えがあります。主にオランダで品種改良が重ねられたので、ダッチ系と呼ばれるようになりました。
花色も白や紫の他に、ピンク、クリーム色など色のバリエーションが豊富です。
私たちが日頃「ヒヤシンス」と呼んでいる花の多くは、ダッチ系ヒヤシンスです。
ローマン系ヒヤシンス
ローマン系ヒヤシンスはダッチ系に比べると、花数少なく草丈も短い、草花のような趣の花を咲かせる種類です。花はヒヤシンスのそれで、花茎に対して横向きに星形の花を咲かせます。香りもヒヤシンス独特の芳香がします。
植えっぱなしで分球して増えていくので、手間をかけなくても毎年花を楽しめます。
ヒヤシンスの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ヒヤシンスの栽培環境
日当たり・置き場所
ヒヤシンスは日当たりの良い場所で管理しましょう。芽が出始めてから開花まで日光に当てることが大切です。極端に日光が足りないと、咲かない原因となります。
ヒヤシンスは冬の低温にあたると春に花芽をつけます。寒さには強いので、特に室内に取り込む必要はありません。葉が枯れて休眠に入ったら、鉢植えは雨の当たらない場所に置きます。
温度
ヒヤシンスの球根は冬の寒さに当てることで春に開花します。秋に植えた球根は温かい室内ではなく、外で管理してください。
用土
ヒヤシンスは、水はけの良い土を好みます。鉢植えのヒヤシンスは市販の培養土で問題なく育ちます。
ヒヤシンスの育て方のポイント
水やり
地植えのヒヤシンスは根が張るまでたっぷりと、根が張ってからは水は特に与えなくても大丈夫です。鉢植えのヒヤシンスは葉が枯れるまでの間は水やりを続け、6月中旬になったら水やりをやめましょう。水耕栽培の場合は、水が減ってきたら水を足しましょう。
肥料
ヒヤシンスは花が咲き始めたら10日に1回程、液肥を与えます。花が終わり葉が黄色くなってくる頃まで与え続けます。
病害虫
アブラムシと軟腐病に注意しましょう。
ヒヤシンスの詳しい育て方
選び方
ずっしりと重く、傷が付いていない大きな球根を選びましょう。根の部分が少し出ている方が生長しやすい球根です。
ヒヤシンスの球根は、水栽培用と土で育てる球根が流通しています。水耕栽培(水栽培)でヒヤシンスを育てる方は、水栽培用のヒヤシンスを購入しましょう。
植え付け
庭植えのヒヤシンスの球根は10㎝くらいの穴を掘り、しっかりと深植えにして安定させます。
鉢植えのヒヤシンスは浅植えで問題なく育ちます。球根の頭が少し土から出るくらいに植え付けましょう。
仕立て方
ヒヤシンスは大きな花を咲かせる上に、茎の内部が空洞になっています。その為、花の重さで茎が折れてしまうことがあるので、心配な場合は添え木を立てるようにします。
剪定・切り戻し
花後、葉を残して花茎を根元まで切り戻します。こうすることで、種を作るために余計なエネルギーを使わせることなく、残った葉で光合成をさせることができます。
植え替え・鉢替え
ヒヤシンスの植え替えは花後、葉が光合成を終えて枯れてから行います。少し大きいサイズの鉢に植え替え、日が当たらない場所に移動させ、水やりも中止します。秋になったら、また水やりを再開します。
または1度土から掘り上げ、球根を冷暗所で保存し、次の秋に植え付ける方法でもいいでしょう。鉢のサイズは球根より大きな鉢であれば、それほど選びません。
花
ヒヤシンスは、3月~4月頃に香りの良い花を咲かせます。ヒヤシンスの花色は、青や紫、ピンク、白、クリームなど多様です。
収穫
ヒヤシンスの花はカットして切り花として飾って楽しむことができます。
夏越し
ヒヤシンスの夏越しは、葉が枯れてきたら掘り起こしてバーミキュライトなどに包み、冷暗所で保存します。
冬越し
ヒヤシンスは特に必要な冬越しの作業はありません。冬の寒さに当たることによって花芽が形成されます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ローマン系ヒヤシンスは分球で良く増えます。ローマン系ヒヤシンスは分球させるのが難しい種類です。
ヒヤシンスの水耕栽培(水栽培)の方法
ヒヤシンスは水耕栽培(水栽培)で育てることができます。水耕栽培(水栽培)を始めるなら、10月~12月頃です。
球根は水に触れると傷みやすくなるので、根だけが水に浸かるように容器にセットし、暖房が効いていない暗い場所で管理します。
水が腐らないように週1回くらいのペースで容器の水を取り替えてください。2~3週間程度で芽が出てきます。
ヒヤシンスの球根は寒さに当たらないと花が咲きません。球根から芽が出てきたら、寒さに当てるようにしましょう。翌春にはヒヤシンスの可愛い花を楽しめます。
ヒヤシンスの球根の管理
ヒヤシンスは花後、葉が茶色くなってきたら掘り上げ時期です。球根を掘り上げバーミキュライトで包むようにして、冷暗所で保管します。水と光を切ることでヒヤシンスは休眠状態に入ります。次の秋の植え付けシーズンまで球根を休ませることによって、余計なエネルギーを使わずにまた翌春きれいな花を見せてくれます。