ジューンベリーとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ジューンベリー
- 学名
Amelancher
- 英名
- June berry,Service berry
- 和名
- アメリカザイフリボク
- 科名
- バラ科
- 属名
- ザイフリボク属
- 原産地
- 北アメリカ
ジューンベリーの特徴
ジューンベリーは、名前の通り6月に赤い果実をつける落葉小高木。春に咲く白い花、新緑の葉、初夏の小さな宝石のような果実、秋の紅葉と四季折々に楽しむことのできる果樹です。果実はほんのりとした酸味と甘み、芳香があります。耐寒性・耐暑性があり、自家結実性があるので1本で収穫することができます。
ジューンベリーの花は直径1~2㎝程度と小さく、花びらが5枚あり桜のような形状をしています。花の見頃は3月下旬から4月地上旬頃、桜のソメイヨシノが咲き始めるよりも少し早く満開を迎えます。華奢な枝の先に小さな花をたわわに咲かせるのが特徴です。風で散ってしまう花びらの儚さも魅力の一つです。
ジューンベリーの果実の食べ頃は5月後半~6月です。4月に花が終わった後、段々と果実が色づき始め、5月には真赤になります。さらにもう少し辛抱強く待って、黒んずんだ赤になった頃がジューンベリーの果実の食べ頃です。
ジューンベリーはシンボルツリーとしてよく使われる他、街路樹としても植栽されています。白い花とかわいい赤い実、紅葉、樹形が美しいことなど、1年を通して楽しみがたくさんあることが庭木として好まれる理由です。
ジューンベリーの詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
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草丈・樹高 | 2~8m(品種、仕立て方による) |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 3月~4月 |
ジューンベリーの名前の由来
ジューンベリーの英名はJune bery。6月に果実が実るのでこの名前がつきました。華奢な枝と明るいグリーンの葉に囲まれて真赤な果実がたわわに実っている姿はとても可愛らしく、人気の果樹です。
春には花、初夏は果実の収穫、夏には風に揺れる青々とした葉、秋の紅葉と、ジューンベリーは四季を通じて楽しめる庭木です。
ジューンベリーは1本でも実がなる!
ジューンベリーは自家結実性(1本でも実がなる)の性質が強いため、他の果樹に多い複数の本数を育てなくてはならないということがありません。ただし、開花したら筆などで花の花粉に軽く触れるようにして受粉させると、より多くの果実が実ります。
ジューンベリーの果実の食べ方
ジューンベリーの果実の食べ頃は6月、黒に近いくらいの深い赤に色づいた頃です。ジューンベリーの果実は直径1~1.5㎝程度と小さく、丸い形をしています。
摘み取ったジューンベリーの果実は生食でも食べられます。酸味は少なく、自然な甘さと瑞々しさが美味しい果実です。たくさん収穫ができたら煮詰めてジャムやコンポートにしても楽しめます。果実はいっぺんに色づかないため、ジャムなど大量に使う時は、黒く色づいたものから収穫して冷凍庫で保存して、必要な量になるまで保管するとよいでしょう。
生でジュースにすることもできますが、小さな種や果皮が入ってしまうので裏ごしの必要があります。
ジューンベリーの樹形
ジューンベリーは木立性の樹形をしています。流通している苗木には大きく分けて二通りあり、「単幹」と「株立ち」があります。
「単幹」は根元からメインの幹が直立して伸びて、そこから枝を広げるタイプ。
「株立ち」は、剪定や株同士を合わせるなどの作業によって、根元から複数の幹が株のように伸び、それぞれの幹から枝が広がるタイプのことを言います。
同じ木でも樹形の見た目が違うのと、丈が一緒でも幹の数などの枝ぶりによって価格も様々です。また、最終的な丈は、単幹の方が株立ちより高くなるのが一般的です。
シンボルツリーとして購入する場合は、苗木の枝ぶりを見ると、生長後の姿がある程度想像できるので、ゆっくり好みの株を選ぶことをおすすめします。
ジューンベリーの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
ジューンベリーの栽培環境
日当たり・置き場所
ジューンベリーは日当たりと水はけが良く、肥沃な土壌が適しています。
用土
基本的に矮性品種以外は地植えがおすすめです。鉢植えのジューンベリーは、保水力のある土を選んでください。地植えのジューンベリーは掘りおこした土に腐葉土や完熟堆肥をまぜてから植え付けましょう。
ジューンベリーの育て方のポイント
水やり
鉢植えのジューンベリーは表面が乾いてから、鉢底の穴から水が流れ出るまでたっぷり与えます。地植えのジューンベリーはとくに必要ありませんが、植え付けてから根付くまでの2週間ほどは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。春から夏にかけての水切れは落果や落葉、枯れの原因になります。
肥料
12月~3月に有機質肥料を施しましょう。
病害虫
ジューンベリーは病気や害虫の被害は少ない樹種です。
ジューンベリーの詳しい育て方
選び方
ジューンベリーは、木立性の樹形をしています。流通している苗木には大きく分けて二通りあり、「単幹」と「株立ち」があります。一番小さいサイズだとポット苗のサイズから流通しています。枝が太くしっかりしたものの中から好みの樹形を選んでください。
ジューンベリーは中高木の流通が一般的でしたが、最近は矮性種(コンパクト品種)もあります。植えるスペースによって品種を選ぶとよいでしょう。
植え付け
ジューンベリーは大きくなるので地植えがおすすめですが、鉢植えでも栽培できます。乾燥を嫌うので西日の当たる場所への植え付けは避けてください。
ジューンベリーは大きくなってくるとたくさんの実がつくようになります。すべての実を取り切れず、地面に落ちることも考えると、株の地面近くがコンクリートの場所より、土の上に落ちる場所に植え付けた方が落ちた果実の掃除の手間が省けます。
ジューンベリーをポット苗で購入した場合は、最初は鉢植えで育て、少しずつ鉢を大きくし、数年鉢植えで育ててから地におろしましょう。いきなり地に下ろしても根付かない可能性が高いので注意しましょう。
10年以上経過したジューンベリーは、環境や品種によっては一戸建てのベランダぐらいの高さにまで生長します。植える場所は広めにとりましょう。
剪定・切り戻し
ジューンベリーは自然樹形で育てるのが一般的なので、刈り込むような剪定は必要ありません。ひこばえ、内向枝や徒長枝など不要な枝は、落葉期に枝元で剪定をしましょう。
植え替え・鉢替え
ジューンベリーを鉢植えで育てている場合は、2~3年に一回、落葉中に一回り大きな鉢に植え替えます。
花
ジューンベリーは、春に白い花が開花します。
収穫
6月頃がジューンベリーの収穫時ですが、実の色が黒ずんだ深い赤なったら摘み取ります。日持ちはしないのですぐに食べるか冷凍、もしくはジャムなどに加工してください。品種によって多少味に差はありますが、ジューンベリーは生で食べてもおいしいベリーです。
ジューンベリーは、最近は果実つきの枝ものとしても流通しています。
冬越し
落葉樹なので冬場は葉を落とします。ジューンベリーは紅葉も美しい果樹です。植え付け場所の日当たりによっても葉の色は多少違いがありますが、鈍いオレンジ色~赤に色づきます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ジューンベリーは挿し木か種まきで株を増やしますが、挿し木の場合は前年伸びた枝を挿すなら3月、今年伸びた枝なら6月下旬~7月に作業しましょう。