パッションフルーツとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
パッションフルーツ
学名

Passiflora edulis

英名
Passion fruit
和名
果物時計草
科名
トケイソウ科
属名
トケイソウ属
原産地
ブラジル・パラグアイ

パッションフルーツの特徴

パッションフルーツはさわやかで甘い香りと心地よい酸味が特徴の果実を付ける熱帯原産のつる性の多年草です。別名はクダモノトケイソウといって時計の文字盤を思わせる独特の花が咲きます。果実は黒色の種を含む半透明のゼリー状の黄色い果肉で満たされ、種もプチプチと食べられます。

生育適温は20℃~30℃前後で栽培場所は日当たりと風通しがいい場所を好みます。耐寒性の高い品種であれば日本の無霜地帯(霜が降りない地域)では冬越しが出来ます。つるをのばして1シーズンに5m近く伸びることもあるので、あんどん仕立てかネットにはわせるように誘引するとよいでしょう。

パッションフルーツの詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 50cm~3m
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
耐陰性 弱い
花色 白,紫、赤
開花時期 5~7月

パッションフルーツの食べ頃

パッションフルーツの実は緑色から濃い紫色になるまで木で十分に熟させた状態で収穫します。ですから収穫後すぐの表面がつるんとしているものも甘酸っぱく、おいしくたべることができます。一方、酸味が苦手な人は表面にしわがよるほど充分に室温で追熟させると酸味が和らぎ甘味を強く感じられます。追熟がすすみへこんででこぼこした状態になると水分が抜け始めているサインです。このくらいになると酸味よりも甘味が強く感じられます。

パッションフルーツの名前の由来

名前の由来は諸説ありますが、その中のひとつをご紹介します。
パッションフルーツは1500年代後半にニコラスモナールという、スペイン人の医師であり植物学者がペルーで出会った「グラナディラ」と呼ばれていたパッションフルーツを見て、その個性的な花の形に心を惹かれました。花の形が3つに分かれた雌しべが十字架に見えた事や、重なる様に5つに分かれた雄しべが磔(はりつけ)られたキリストの姿に、その周りにある放射状に広がる副花冠がキリストを照らす光に見え、雄しべや雌しべを囲むように広がる花弁が使途の姿と重なった事が、まるでキリストの磔のシーンを思わせることから、受難を意味する「Passion」を語源とした「Passiflora」の名がつけられた様です。花はパッシフローラと呼ばれ修道士のシンボルとして大切にされているようです。

 

パッションフルーツの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花
収穫

パッションフルーツの栽培環境

日当たり・置き場所

パッションフルーツは日当たりと風通しの良い場所に置くようにしましょう。地植えの場合はなるべく水はけの良い土質の場所を選ぶようにしましょう。

温度

熱帯植物であるパッションフルーツは20℃以上が生育適温になります。肌寒くなってきたら暖かい室内に移動しましょう。

用土

パッションフルーツは地植えの場合は腐葉土と化成肥料を元肥として土と混合します。ただし肥料が直接根にあたらないように注意しましょう。プランターの場合も鉢底に排水用の鉢底石か大粒の赤玉土を敷いてから有機質を多く含む培養土で育てます。

パッションフルーツの育て方のポイント

水やり

パッションフルーツは水切れに弱い植物なので、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出る位たっぷりと水やりをし、鉢植えの場合は受け皿などを使うと良いでしょう。気温が高くなるにつれて株が生育旺盛になるので日によっては1日に2回水やりをするほうが良いこともあります。真夏の乾燥する時期に果実が成熟するので地植えの場合も水切れには注意してください。

肥料

できるだけ株を充実させるために、生育初期は液肥を1週間に1度やったり、チッソ系肥料をあげるとよいでしょう。ある程度株が充実したらチッソ系肥料は控えめにし、花と実をつけさせるためにリン酸肥料を施しましょう。

病害虫

病害虫被害はそれほど多くはありませんが、新芽にアブラムシがつきます。また、風通しが悪いとカイガラムシが発生する事があります。発生を確認したら直ぐに除去し、風通し良く仕立てなおしてください。

パッションフルーツの詳しい育て方

選び方

パッションフルーツは1~2年生の挿し木苗が春から夏にかけて出回ります。用途にもよりますが、緑のカーテンのように仕立てたい場合はできるだけ大きく育った苗を選ぶと実を付けやすいです。株の根元が太い丈夫な苗を選びましょう。

植え付け

地域によって時期は異なりますができるだけ大きく育った苗を選び遅霜の心配がなくなってから植え付けを行い、植え付け直後に寒さで傷まないように注意しましょう。

できるだけ日当たりと水はけが良い場所を選び、植え穴は深さ50cmほど掘って腐葉土と化成肥料を混合し元肥とします。ただし肥料が直接根にあたらないように注意しましょう。また、風で株が揺られると生長が遅くなるので植え付けた苗には支柱を立てて、紐でしっかりと誘引します。

剪定・切り戻し

パッションフルーツはあんどん仕立てにするか、グリーンカーテンのようにネットに這わせて栽培するとよいでしょう。花は側枝につくので、収穫がおわるまではなるべく剪定は控えましょう。

トケイソウ属に分類されるパッションフルーツは、トケイソウ独特の花を咲かせます。

トケイソウ独特の細かい毛のような部分は副花冠と呼ばれるものです。パッションフルーツを始めとしたトケイソウの花は1日花と呼ばれ、花の寿命が1日しかありません。パッションフルーツは大体お昼前頃から開花が始まり、夜には萎れてしまいます。

収穫

パッションフルーツの果実は受粉から約2カ月で収穫できます。完熟し果実が自然に落ちるまで待つとおいしい果実を収穫できます。未熟な果実が急に落ちてしまうことがありますが、原因は水切れか、たくさん果実がなりすぎたかのどちらかと考えられます。

夏越し

水切れに注意しましょう。

冬越し

寒さには弱い植物なので肌寒くなってきたら暖かい室内などに移動します。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し穂は脇芽が萌芽した葉色が濃い枝を使用します。挿し穂を行う枝は当日にとります。枝先や枝元は使いません。挿し木用の用土には肥料分を含まず、排水性の良いものが適しています。

挿し木用の培養土がおすすめですが、鹿沼土や赤玉土でも構いません。
用土に割りばしなどで穴をあけて、挿し穂が安定するように挿し穂の半分くらいを目安に斜めに挿します。発根の適温は25度前後ですので温度が足りない場合は加温が必要になります。

挿し穂後は直射日光や雨、風があたらない排水と通気性の良い場所におきます。用土が乾燥しすぎないよう、また過湿にならないように注意しながら水やりを行いましょう。発根しているかどうかや根の伸び具合は掘りあげて確認してください。

パッションフルーツを結実させる

パッションフルーツを結実させるには人工授粉を行う必要があります。

まず、パッションフルーツの花粉を筆や綿棒、指などを使って擦り取ります。

パッションフルーツの雄しべはお椀状になっており、黄色の花粉がびっしりと詰まっています。

最後に3つの雌しべ全てに花粉を擦り付ければ人工授粉は完了です。筆や綿棒を使うのが面倒な人は雄しべを切り離し、直接雌しべに擦り付けても構いません。

 

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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