サンキライの育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- サンキライ
- 学名
Smilax china
- 英名
- China root
- 和名
- 山帰来、猿捕茨
- 別名・流通名
- ガンタチイバラ
- 科名
- サルトリイバラ科
- 属名
- シオデ属
- 原産地
- 中国、朝鮮半島、日本
サンキライの特徴
サンキライは、日本全国の山地に自生するつる性の落葉低木。つるにはトゲがあり、葉の付け根から巻きひげが出ます。節ごとに、茎がジグザグに折れ曲がりながら、近くのものに絡みついて伸びていきます。猿がトゲだらけのつるに絡まって捕まってしまうことをイメージして、猿捕茨(サルトリイバラ)という別名があります。切り花では、トゲの無い品種が多く流通しています。
4月~5月頃に若葉と同時に淡い黄緑色の花が咲きます。雌雄異株で、両方が近くに無いと結実しません。葉は先がとがったタマゴ形、長さは約5cmほどで、固く丈夫で光沢があります。実は直径1cmくらいの丸い形をしていて、数個がまとまってつきます。赤い実が有名ですが、熟す前の5月~8月頃の実は爽やかな緑色の瑞々しい状態で、切り花として生花店に並びます。10月~11月頃には赤く熟し、ドライフラワーとしてクリスマスやお正月の飾り付けなどに用いられます。枝をくるくると丸めていき、何ヵ所かワイヤーや紐などでとめるだけで簡単にリースが作れます。
サンキライは性質が強く、地植えにすると、地下茎で増えて、あちこちから芽を出します。庭植えにする場合は、地下茎で増えても良い場所をしっかりと見極めるようにしましょう。鉢植えで育てても、こぼれ種で違う場所から芽が出ることがあります。トゲがあるので剪定や誘引などをする時は、手袋を着用するなどして、肌を保護してください。
サンキライの和名である「山帰来」の由来は、山から帰って来たという意味であるとか、山で病にかかった人がこの実を食べて元気に帰ってきたからとか、諸説あります。
また、生薬にされたり、サンキライの丸い葉で餅やだんごなどを包んだりと、薬用や食用として活用されてきた植物です。
サンキライの詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 1~2m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 淡い黄緑色 |
開花時期 | 4月~5月頃 |
サンキライの種類
ケナシサルトリイバラ
中国に自生する、日本のサンキライに近い仲間。トゲが無く、葉が長卵形をしている。生薬名としては土茯苓(ドブクリョウ)と呼ばれる。
トゲナシサルトリイバラ
サルトリイバラの変種で、枝にはトゲが無い。伊豆諸島などに自生している。
ヒメサルトリイバラ
サルトリイバラの小型種。屋久島、奄美大島に自生する。
サンキライの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け・植え替え |
サンキライの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みます。日陰だと花が咲きにくく、実もできにくくなります。
トゲと巻きひげを使って、近くにあるものに絡みついて伸びます。地植えにする場合は、地下茎であちこちから芽を出してもかまわない場所に植えましょう。トゲがあるので、鉢植えを置く場合も人の動線に注意して置くと安心です。
用土
水はけの良い土を好みます。草花用の培養土や山野草の土で問題なく育ちます。もともとは山に自生している植物なのでそれほど土は選びませんが、腐葉土や堆肥などの有機物が含まれた土が理想的です。
地植えにする場合は、土を耕して腐葉土や堆肥を混ぜ込んでから植え付けましょう。
サンキライの育て方のポイント
水やり
地植えの場合は、しっかりと根付いたら自然の雨にまかせて基本的には水やりしなくても育ちます。極端な乾燥を嫌うので、春夏に雨の降らない日が続く場合は水やりしましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷり水やりします。
肥料
肥料はそれほど必要としませんが、鉢植えの場合は植え付け時に元肥を混ぜ込み、開花時期に適量追肥しましょう。
病害虫
それほど病害虫の心配はありませんが、たまにルリタテハの幼虫に葉を食害されることがあります。見つけたらすぐに対処しましょう。
サンキライの詳しい育て方
選び方
サンキライは雌雄異株なので、両方が無いと実ができません。実の収穫を楽しむなら、雌雄を揃えるようにしましょう。
植え付け
植え付け適期は、落葉して休眠期に入っている11月~2月頃です。
仕立て方
つる性植物のため、トレリスや支柱などに誘引して育てます。
剪定・切り戻し
剪定は落葉期に行います。伸びすぎたつるや、古いつる、黒ずんだ部分を整理しましょう。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は11月~2月です。鉢底から根が見えるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
花
雌株雄株ともに、春の芽吹きとともに小さな淡い黄緑色の花を咲かせます。
収穫
10月~11月頃には雌花の実が赤く熟します。収穫した実はドライフラワーにて楽しむことができます。
夏越し
極端な乾燥を苦手とするので、水切れに注意しましょう。
冬越し
冬は落葉して休眠します。必要な冬越し作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種まきで増やすことができます。ただし、花が咲くまで雌雄の区別がつかないので、気長に待ちましょう。
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