ソヨゴとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ソヨゴ
- 学名
Ilex pedunculosa
- 英名
- Soyogo
- 科名
- モチノキ科
- 属名
- モチノキ属
- 原産地
- 日本、台湾、中国
ソヨゴの特徴
ソヨゴは漢字では「冬青」と書く日本から中国中南部の山地に分布する常緑広葉樹です。樹高は一般には5~10mで生長はやや遅く、樹皮は灰褐色で滑らかです。早期に樹形が整い剪定の手間があまりかからないので野趣のある庭木として人気があります。葉は4~8cm前後で卵状の楕円型をしていてやや薄い革質で艶があり縁が大きく波打ちます。雌雄異株で5月~6月に目立たない白い花をつけ、雄花は散形状に3~8個開き、雌花は1~3個開きます。8mmほどの果実は球形で秋に赤く熟して果柄が長くぶらさがり、実は冬まで残ります。が黄色く熟す変種もあります。果実は野鳥の好餌でもあります。
ソヨゴの詳細情報
園芸分類 | 庭木、常緑 |
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草丈・樹高 | 5~10m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~6月 |
ソヨゴの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ソヨゴの栽培環境
日当たり・置き場所
ソヨゴは植え付け場所は日向から明るい日陰まで幅広く植えられますが、強い西日があたる場所は葉やけする可能性があるので避けましょう。
用土
ソヨゴは腐植質に富んだ湿潤な土質を好むので、植え穴を掘り上げた土にたっぷりの腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきます。
ソヨゴの育て方のポイント
水やり
ソヨゴは植え付けして間もないうちは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。根付いてしまえば真夏の高温期以外は水やりは不要です。
肥料
冬場の2月頃に寒肥えを施します。根元から少し離れた樹冠の下に数ヵ所穴を掘り、有機質肥料を埋めておきます。
病害虫
ソヨゴはすす病にかかることがあります。見た目に悪く、光合成が阻害されるので注意しましょう。害虫はカイガラムシが発生します。竹べらなどでかきおとすか6月~7月頃に薬剤散布をします。その他の時期は体がロウ質で覆われているのであまり薬剤が効きません。
すす病:すす病は空気中のすす病菌がアブラムシやカイガラムシの排せつ物を栄養にして、すす状の黒いカビが葉を覆います。ひどくなると葉の光合成を邪魔してしまうため、観賞価値を下げるとともに生育不良にもつながります。日当たりや通気性が悪い場合、湿度が高くなると発生しやすくなります。
カイガラムシ:カイガラムシがつくと樹液を吸われてしまい、株が弱り生育も悪くなり衰え枯れてしまいます。カイガラムシは国内で約400種が発見されており、大きさや形なども様々であり、カイガラがあるのとないものもいます。野菜や果樹、草花、サボテン、ラン、観葉植物と様々な植物に発生し、吸汁(きゅうじゅう)します。
ソヨゴの詳しい育て方
選び方
ソヨゴは株立ちのものと単幹のものと2種類流通しています。株立ちの方が樹高の伸びが遅いので目的に応じて選ぶとよいでしょう。
種まき
11月~12月頃に完熟した実から種を取り出し水で洗います。種を乾かさないように湿らせた砂にまぜ、ビニール袋に入れて密閉し冷蔵庫で4月頃まで保管します。発芽から開花まで7年以上かかります。
植え付け
ソヨゴを庭植えで水はけの悪い場所に植える場合は盛り土をして高植えにします。植え付け場所は日向から明るい日陰まで幅広く植えられますが、強い西日があたる場所は葉やけする可能性があるので避けましょう。
剪定・切り戻し
ソヨゴはひとりでに姿の整う木なので風通しを良くするためにときどき不要な枝を間引く程度にし、できるだけ自然形に仕立てます。実を楽しむためにも強い剪定は避けましょう。
花
初夏に小さな白い花を咲かせます。ソヨゴは雌雄異株ですが、雌株、雄株どちらにも花がつきます。10月~11月に雌株のみ赤い実がなります。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ソヨゴは接ぎ木で殖やします。接ぎ木の方法は3月下旬から4月上旬に雌株の枝から穂木をとり種から育てた台木に切り接ぎをします。これはどちらも形成層を露出させて穂木を台木にさしこむようにして合わせ、ついだ部分を接ぎ木テープなどで巻いて固定します。乾燥させないように鉢ごとビニールで覆っておくとよいでしょう。実つきをよくするために、3年ほど生長したら同じ木に雄株の枝も切り接ぎしておくと1本に雌花と雄花が両方咲き、結実しやすくなります。
ソヨゴの名前の由来
風に葉がそよぎやすく、堅い葉が触れ合って軽い音を立てる。ソヨゴとはそよぐ木の意味です。別名をフクラシバといいこれは葉が熱に触れると葉内の水分がこもって葉が膨らむことからつけられています。学名のIlexはセイヨウヒイラギの古代ラテン名で種小名は花柄がある、という意味です。
シンボルツリーにむいているソヨゴ
家のシンボルツリーは外構、住宅を引き立ててくれる重要な樹木です。家の印象が大きく変わるので新築する際はシンボルツリーを植える住宅が増えています。そうはいっても手入れをしたくないをいう方も多いので、枝が伸びないで落ち葉が少ない、害虫などがつきにくく手入れのあまりいらない木が好まれます。
そのような条件を兼ね備えた木のひとつがソヨゴといえます。ソヨゴは常緑樹の中では比較的生長が遅く、管理がしやすい庭木です。風通しが良ければそれほど害虫や病気も多くありません。目立つ花は咲きませんが、5月頃に小さな花をつけ、冬場の花の少ない時期にかわいらしい赤い実をつけます。冬場に鳥が集まってくるので自宅の窓からバードウォッチングを楽しむことが出来るのも魅力の一つです。