ローズゼラニウムとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ローズゼラニウム
- 学名
Pelargonium
- 英名
- Rose geranium
- 和名
- ニオイテンジクアオイ
- 別名・流通名
- ハーブゼラニウム、センテッドゼラニウム、ニオイゼラニウム
- 科名
- フウロソウ科
- 属名
- ペラルゴニウム属
- 原産地
- 南アフリカ
ローズゼラニウムの特徴
ローズゼラニウムは多くの種類があるゼラニウムの中で、ハーブゼラニウム、センテッドゼラニウムと呼ばれる香りや効能のあるゼラニウムの一種です。その名は、バラのような香りがすることにちなみます。古くからヨーロッパでは、厄除けや虫よけとして家の周囲に植えられてきました。
甘くフレッシュな香りは、気分を明るくし、精神的なストレスや不安を和らげホルモンバランスを整えると言われ、アロマオイルの他、お茶や料理などの香りづけ、クラフトなど多岐にわたって利用されています。最近は、切り花のグリーン素材としての流通も盛んです。
花を楽しむゼラニウムは四季咲き性ですが、ローズゼラニウムは初夏にピンクのかわいらしい花が開花します。性質が強く栽培は容易で、地植えにすると草丈は1m近くまで生長します。
ローズゼラニウムの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
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草丈・樹高 | 30~100cm |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 普通 |
花色 | ピンク |
開花時期 | 4月~7月 |
ローズゼラニウムの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 |
ローズゼラニウムの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
用土
水はけが良く、乾燥気味の土を好みます。
鉢植えは、市販の草花用やハーブ用の培養土で栽培可能です。
ローズゼラニウムの育て方のポイント
水やり
多湿を嫌い乾燥気味の土を好むため、水の与えすぎに注意しましょう。
地植えは、根付いてからの水やりは降雨に任せます。極端に乾燥した日が続く場合のみ与えましょう。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
肥料
過肥の必要はありません。
地植えは、自然の循環ができている土なら与えなくても栽培可能です。生長や花の開花具合を見ながら与えるかを判断しましょう。
与える場合は、ハーブ用の緩効性肥料を春に与える程度で十分です。
病害虫
目立った病害虫の害はありません。
ローズゼラニウムの詳しい育て方
選び方
葉の色が生き生きとした緑色で、茎がぐらついていない株を選びましょう。
植え付け
購入したポット苗は、早めに二回り以上大きな鉢に植え替えましょう。
ローズゼラニウムは非耐寒性に分類されますが、温暖地なら地植えも可能です。秋に購入した苗は翌年までは鉢で管理し、翌春に植え付けるとよいでしょう。生長が早く、草丈は最大で1m近くになり横にも張るので、隣の植物との間隔は余裕をもって取りましょう。地植えにする場合の植え付け適期は春です。冬までにしっかりとした株に仕立てましょう。
仕立て方
ローズゼラニウムは、数年すると古い枝が木化してきます。伸びすぎたら適時剪定をして風通しの良い株に仕立てましょう。
剪定・切り戻し
花の開花がひと段落した梅雨前や秋に切り戻しをかねた剪定を行います。それ以外の時期も混み合った部分は、随時剪定で整えましょう。
剪定した場所から枝分かれするため、しっかりとした株にすることができるとともに、梅雨と真夏の環境が厳しい時期に風通し良くすることで病害虫の予防にもなります。
植え替え・鉢替え
ローズゼラニウムは生長が早く根詰まりを起こしやすいため、毎年、一回り大きな鉢に植え替えるか株分けを行いましょう。
植え替え適期は、春か秋です。植え替えと同時に混み合った葉茎は剪定して整えましょう。
花
ローズゼラニウムは、春から初夏にピンクの花が開花します。終わった花がらは摘み取りましょう。
収穫
ローズゼラニウムは、一年中収穫でき、お茶や料理の香りづけ、クラフト、切り花など、多様な用途に利用されています。
生長が早いハーブなので、風通し良く管理するために、混み合った葉茎を剪定したものを利用すると効率的です。
夏越し
ローズゼラニウムは耐暑性はありますが、多湿に弱いため、梅雨や長雨の季節に蒸らさないように注意します。混み合った葉茎は随時剪定し、風通しの良い状態に仕立てて夏越しをさせるとよいでしょう。
冬越し
ハーブゼラニウムは寒さには弱いハーブですが、ローズゼラニウムはある程度の耐寒性があるため、関東以西の暖地では露地での越冬が可能です。霜にあたらないような軒下などで管理しましょう。
寒冷地では、夜は室内に取り込むなどの対策が必要です。大きな鉢植えを昼間は外、夜は室内という管理が難しい場合は、挿し木をして株を更新しておくのもよいでしょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ローズゼラニウムをはじめとしたゼラニウム類は、挿し木で簡単に増やすことができます。また、土を使わずに水挿しで増やすことも可能です。
水挿しでの増やし方
根は節のある部分から出てくるので、必ず節のある状態でカットし、水に浸かる部分の葉をそぎ落として水に挿し、発根したら土に植え替えます。
ローズゼラニウムの挿し木のやり方
ローズゼラニウムの茎には、節が数センチ間隔で存在します。根は節の部分から出てくるので、挿し木に使う挿し穂は必ず3節程度ついている茎を用意します。
・その年に伸びた茎を3節程度つけてカットします。
・土に挿す部分の葉は取り去り、2~3枚葉をつけた状態にします。
・花がついているものは、カットします。
ローズゼラニウムは、古い茎は木質化してきます。挿し木に使うのは、木質化した部分ではなく今年の新しい茎を利用しましょう。
挿し木に使う土
赤玉土の小粒、バーミキュライトと赤玉土の混合、もしくは種まき、挿し木用として販売されている土を使います。土に肥料が配合されているような培養土は、挿し木には向きません。
ポットに土を入れて、最初に水をたっぷりと与えて土を十分に湿らせておきます。
通常の挿し木は、挿し穂を水につけて吸水させてから挿し木の作業を行いますが、ローズゼラニウムは水分が多いので、水に挿す下準備は必要はありません。
〇印を付けた部分がローズゼラニウムの節です。必ず節がある部分を土に挿しましょう。
風通しの良い日陰で管理すると、2~3週間で発根します。その間、土に適度な湿り気があるように水やりをします。過湿にしすぎると茎が腐るので注意しましょう。
途中で根が出たか確認したい気持ちをこらえて、最低でも2~3週間は茎をいじらないようにしてください。挿し木が成功すると、小さな葉が出たり、なんらかの根付いた兆候が確認できます。
ローズゼラニウムの挿し木に向く季節
春と秋が挿し木をするのに向く季節です。
開花後の梅雨前と秋はハーブゼラニウムの切り戻し時期なので、切り戻した茎を使って挿し木をすると効率的です。