ハバネロとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ハバネロ
- 学名
Capsicum chinense
- 英名
- Habanero Chilli
- 科名
- ナス科
- 属名
- トウガラシ属
- 原産地
- メキシコ
ハバネロの特徴
ハバネロは、激辛トウガラシと呼ばれるほど辛味の強いトウガラシです。栽培方法や収穫期間は一般的なトウガラシとほぼ一緒ですが、果実の形が細長い形ではなく、ピーマンのような形をしています。果実の色はオレンジや赤が主流で、ほかに黄色、白色などがあります。
柑橘系の爽やかな香りがしますが、非常に強い辛味をもち、特にヘタ周辺や種がつく胎座が最も辛いと言われています。収穫の際は手袋を使い、触った手で目などをいじらないようにしましょう。調理する際にはさらに注意が必要で、手袋に加えてマスク、ゴーグルなどの着用をおすすめします。辛み成分を吸い込みとむせて咳き込んだり、目に入るとヒリヒリした痛みが続きます。
ハバネロの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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草丈・樹高 | 100~150cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 6月~10月 |
ハバネロの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
ハバネロの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所で栽培しましょう。
用土
水はけの良い肥沃な土を好みます。
プランターで栽培する場合は、野菜用の培養土で栽培可能です。
畑栽培のハバネロは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
ハバネロの育て方のポイント
水やり
乾燥を嫌うため、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
肥料
元肥の肥料分が無くなった頃に追肥を始めます。
使用する肥料の頻度を確認して施肥しましょう。肥料分が不足すると果実が小さくなるため、収穫が終わるまで与えます。
病害虫
害虫
アブラムシやヨトウムシがつくことがあるため、見つけたら駆除してください。アブラムシは、苗にウイルスを伝染させて、モザイク病を引き起こす原因になることが多いため注意しましょう。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
ヨトウムシ:ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、年に2回ほど発生します。ハスモンヨトウ、シトシタヨトウなどの種類も含めヨトウムシと呼ばれてます。昼間は土の中に隠れていて、夜になると一斉に出てきて活動します。幼虫は葉や茎部分を集団で食害するため、葉が気づいたら丸坊主になっていることがあります。一度に大量に産卵します。葉裏に大量に卵を産み付けるので、これが孵化しないうちに葉ごと処分をしましょう。こまめに葉裏もチェックするようにしましょう。孵化していた場合群生するため比較的見つけやすいです。見つけたら捕殺しましょう。
病気
モザイク病:モザイク病はアブラムシ、アザミウマ、コナジラミなどがウィルスの媒介をします。感染してしまうと、葉が濃淡のモザイクとなり委縮し、果実にも奇形やモザイク模様を生じます。このやっかいな媒介虫たちは葉で合成されるアミノ酸が大好きです。アミノ酸は、過剰な肥料投入などで、窒素成分を野菜に与え過ぎると発生しやすくなります。正しい量の肥料を心がけることが大切。発生してしまった場合、ウイルスは治す薬がありませんので、発生部位を除去することが拡大を防ぐ方法です。
ハバネロの詳しい育て方
選び方
苗と種が流通しています。
苗は、葉が大きく厚みがあり色が濃いもの、茎は太さがあり、節間が短く、先端が止まっていないものを選びます。
主な品種として「オレンジライプ」「カリビアンレッド」「レッドサビナ」などがあります。ちなみに、以前世界一辛いトウガラシとしてギネス認定されていた品種は「レッドサビナ」です。
種まき
発芽適温が25~30℃と高めで、自然の環境下だとまき時が4月〜5月になります。5月に植え付けるには、加温できるスペースで3月頃に種をまく必要があります。
種に土をかぶせ過ぎると発芽の妨げになるため、種が少し見えるくらいの量で覆土してください。発芽には水分が必要です。種まき後は、土が乾燥しないように適度に水やりを行いましょう。
植え付け
本葉が4~5枚程度になったら、根を傷つけないよう日当たりの良い場所に植え付けます。大きくなるので、株間は広く取りましょう。
プランター栽培は、大きめのサイズに植え付けると株が大きく育ちます。
畑、プランター栽培とも風で倒れることのないよう支柱などで保護するとよいでしょう。
花
5月に植え付けると、6月頃から開花が始まります。
収穫
株の状態にもよりますが、一株あたり30〜40個程度収穫できます。
開花後、2週間後くらいに未熟な青い実になります。青い実でも収穫できますが、完熟した風味の良い色づいた実を収穫したいのであれば、さらに2週間ほどが必要です。収穫時に実がつぶれると辛味成分が出るので注意しましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種で増やすことができます。完熟した果実から採種し、まき時まで冷暗所で保管しましょう。