道草 michikusaさんがレクチャー。 苔テラリウムの作り方
LOVEGREEN編集部
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小さなビンの中に広がる緑の世界。眺めているだけで癒される苔テラリウム。そんな人気の苔テラリウムを自分でも作ってみたい! そこで今回、苔クリエイターとして活動している道草michikusaの石河 英作さんに室内でも楽しめる苔を使って作るテラリウムを教えていただきました。
道草 michikusa 石河 英作さん
ランの種苗メーカーにて育種・企画営業などに従事し、その後2013年より植物を楽しく育てるきっかけ作りをコンセプトに、道草michikusaを立ち上げる。苔テラリウムなどの商品の企画販売のほか、苔と仲良くなるための座学、ワークショップ、観察会などを企画し、育てる楽しさ・見る楽しさ・知る楽しさを発信している。
目次
■苔の種類
苔テラリウムとは?
苔って聞くと、ジメジメしていて暗く日陰のイメージだったり、庭や鉢植えの表面からアスファルトの隙間など、どこにでも生えているイメージだったり。
でも、実は種類も非常に多く、日本に自生している種類だけでも1,700種あるとされています。
苔テラリウムは日当たりが悪い場所でも育てることができ、場所も取らないのも良いところ。水やりも毎日ではないので手間もさほどかからないので忙しい人にもおすすめです。
テラリウムの容器は、初心者にはプラスチック容器より、ガラス容器でふた付きのものが管理しやすくおすすめです。ゴムパッキンが付いているものは気密性が高すぎるので、コルクのふたやガラスふたが向いています。スクリュータイプのふたは強くは閉めず、緩くはめるくらいの感覚でふたをします。
中に入れる植物は苔以外にジュエルオーキッドや、シダの仲間、マメヅタが向いています。
苔テラリウムの作り方
好みの苔を見つけたら、早速テラリウムを作ってみよう。
使用する土は腐葉土やケミ土、ミックスコンポストなどを避けて、できれば専用の土を選んでください。ハサミは錆びない素材のものを使います。
道具・材料
テラリウム専用土・ガラス瓶・ステンレス製の先が細いハサミ・ピンセット・苔・霧吹き・水差し
手順
①ガラス瓶に0.5〜1cmほどの深さまで土を入れる。
②水差しで土をまんべんなく濡らす。
③ピンセットで掴めるサイズに苔を分ける。
④苔下部にゴミがある場合は切って取り除く。
⑤苔下部が長い場合も下部を切って高さを合わせる。
⑥ピンセットで何度か分けて土に挿すように植え付ける。
⑦一面に植え付けずに瓶と苔の間に1cmほど余白を開ける。
⑧霧吹きをする。ガラスについた水を拭き取りふたを閉める。
苔の種類
タマゴケ
明るい緑色をした苔はフワフワしたルックスで特に女性に人気。2月位につける胞子体の蒴(さく)が丸い玉状をしているのも魅力的。
ヒノキゴケ
背が高いタイプの苔。湿気を好むためテラリウムに向いています。日陰や暗い場所でも窓があれば育ちます。成長が早いため変化も楽しめます。
ホソバオキナゴケ
丈夫なこともあり、初心者におすすめの苔。盆栽用に「山苔」という名前で流通しています。成長が遅いため小さい容器でも長く楽しめます。
コウヤノマンネングサ
日本に自生している苔の中では一番大きいタイプの苔。存在感のある大きさで、まめな手入れが必要なこともあり、上級者向けの種類です。
苔テラリウムの管理方法
水やり
ふたが閉まっている場合、目安として2〜3週間に1回霧吹きで水やりします。苔は葉っぱから水を吸うので、苔自体にまんべんなく水をかけるようにします。
土の部分に水が溜まっていると、カビの発生や苔が痛む原因になりますので要注意。水をやりすぎた場合は、スポイトなどで水を抜きましょう。ふたがない場合は環境に合わせて水やりをしてください。
置き場所
文字が読める程度の明るさがある場所であれば育ちます。苔は弱い光が長く続く環境を好みます。窓辺で直射日光が当たる環境は避けてください。
瓶の中に熱がこもり、苔が傷む原因になります。窓から離すか、レースカーテン越しで管理しましょう。LEDライトや蛍光灯の光でも、8時間ほど当てると良いでしょう。
苔テラリウムのQ&A
Qカビが生えてきた
綿棒を使って取り除いてください。その後、しっかりと水で洗います。洗った後に園芸用殺菌剤を使うとより良いでしょう。よくあるのは白くフワフワとしたカビです。苔が弱った状態はカビがつきやすくなりますので要注意です。
Q野外に生えている苔でもできる?
苔ならばなんでもできるとは限らず、テラリウムに使うには向き不向きがあります。道路に生えている苔は乾燥した場所でも生息できているので乾燥が好きなタイプが多く、そのためテラリウムには不向きです。市販のテラリウム用の苔を使うことをおすすめします。
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