エディブルガーデン12か月【9月の要注意害虫】
古幡真恵
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illustration:小野寺葉月
秋冬野菜が最初にトラブルにあうこと・・・それは害虫被害です。
植え付けてから11月頃まで秋冬野菜もすくすくと生長しますが、虫たちにとっても活発な活動期間にあたります。そのため、目を離したすきに虫たちに葉を食べられてしまい、あっという間に丸裸にされてしまいます。
害虫をいち早く発見するポイントを知って、害虫に負けない秋冬野菜を育てましょう!
目次
害虫に食べられやすい部位
では、害虫の被害に合いやすい部位についてみていきましょう。
第1位~葉
害虫が一番好んで食べる部分は、なんといっても「葉」です。若齢幼虫から老齢幼虫が成長の段階に合わせて、食害部分を広げていきます。
(主な害虫~アオムシ、ヨトウムシ、ネキリムシ、ナメクジなど)
第2位~花・蕾
せっかく咲いた花が咲いたそばから食べられてしまい、美しい形がガタガタにされてしまいます。
(主な害虫~アブラムシ、ヨトウムシ、ナメクジなど)
第3位~新芽
特にアブラムシが新芽を好んで食害します。新芽にビッシリとついているのを見つけると、恐怖を覚えるほどです。
(主な害虫~アブラムシ、ナメクジなど)
第4位~地際の茎・茎
主に野菜の苗ですが、せっかく植えたばかりの苗が、あるときぱったりと倒れていたるときや、茎にビッシリとアブラムシがついていたり要注意ポイントです。
(主な害虫~ネキリムシ、アブラムシ、ナメクジ)
害虫を発見するポイント
害虫は早期に発見することで、被害の拡大を防ぐことができます。
しかし、昆虫は擬態という能力を使って、いとも簡単に私たちの目を欺きます。目を凝らして見なければ、見つけることは不可能なのです。やみくもに害虫を探すのでは、くたびれてしまいますので、害虫ごとに発見のポイントをおさえていきましょう。
食害部分 | 発見のポイント | かくれている場所 | 発生しやすい植物 | |
アオムシ | 葉 | 葉の裏の卵・葉の上のフン・葉脈を残す | 葉の上 | カブ・大根・チンゲンサイ・白菜・ブロッコリーなど |
ヨトウムシ | 葉の裏、葉 | 葉の裏の卵・カスリ状の葉(若齢幼虫) | 葉の裏、土の下1cmほどの深さ | キャベツ・白菜・ブロッコリー・大根・カリフラワー・レタス・ほうれん草・ネギ・にんじんなど |
ネキリムシ | 地際の茎 | 植えたばかりの苗が倒れる | 結球部の葉の基部、土の下1cmほどの深さ | カブ・キャベツ・大根・白菜・ネギなど |
アブラムシ | 新芽・花・つぼみ・茎・花弁 | アリ・葉がベタベタする・葉が巻き、縮れる・すす病を発症 | 主に植物の先端部分 | カブ・キャベツ・小松菜・白菜・チンゲンサイ・カリフラワーなど |
9月の要注意害虫
アオムシ(幼虫)
illustration:小野寺葉月
アオムシの食害部分は葉です。
カブ、大根、チンゲンサイ、白菜、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を好んで食害します。
アブラナ科の野菜の葉の上のフンを見つけたら、葉の上、茎などにいるモンシロチョウの幼虫のアオムシを探して駆除しましょう。
ちなみに、同じアオムシの仲間のアゲハやキアゲハの幼虫は、セリ科のハーブや野菜、イタリアンパセリ、ニンジン等を好んで食害します。
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ヨトウムシ(幼虫)
illustration:小野寺葉月
ヨトウムシの若齢幼虫と成長した幼虫とでは、食害の様子が少し違っています。
ヨトウムシの若齢幼虫は、葉の裏に産卵されたものから孵化した若い幼虫のことをさします。この若齢幼虫は、葉の裏だけを食害し、葉の表を残します。そのため、葉が半透明状態になり、カスリ状になることから、ヨトウムシの若齢幼虫が潜んでいることが分かります。
illustration:小野寺葉月
成長したヨトウムシの幼虫の摂取量は増えに増え、たった1匹いるだけで、野菜の株全体を激しく食害します。そのため、必ず見つけなければ丸裸にされてしまいます。しかし、ヨトウムシ(夜盗虫)の名前の由来の通り、主に夜に活動するので、昼間は株の周りの土中1cmほどの深さにいるために、とても見つけづらい性質があります。
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ネキリムシ(幼虫)
illustration:小野寺葉月
「ネキリムシ」という名前から、根を切る害虫のように思われがちです。
illustration:小野寺葉月
しかし、実際に食害する部分は地際の茎です。そのため、植えて間もない苗が倒れる現象でネキリムシがいることが分かります。
illustration:小野寺葉月
ヨトウムシと同じように、幼虫は土の中にいます。株元の土を1cm程軽く掘って、幼虫を見つけ出し捕殺します。
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アブラムシ
illustration:小野寺葉月
1年中発生する害虫といってもいいくらい、様々な植物に発生する害虫です。
葉裏・新芽等の箇所にビッシリと発生して、植物の汁を吸います。数が少ないうちは捕殺し、手に負えなくなったら水で流す方法もありますが、それよりもアブラムシを発生させない環境作りが大切です。日頃から、日当たりが良く、風通しの良い環境を心がけましょう。
また、過剰に窒素肥料を与えることで、アブラムシを多数発生させる傾向があります。くれぐれも、適切な施肥を心がけましょう。
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