1人で行きたい、ギャラリーのような花屋。世田谷にある松陰神社前『duft』
青沼綾乃
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松陰神社前駅から歩いてすぐの場所に、花屋『duft』はあります。2016年5月にオープンし、1年ほど経った現在、その独特な雰囲気やセンスから着実にファンが増えてきている花屋です。そんなduftの店主、若井ちえみさんにお店について教えていただきました。
お店の成り立ち
『松陰PLAT』のテナント応募から
duftは、カフェや雑貨店など様々なお店が入っている複合施設『松陰PLAT』の1つのテナントとして入っています。
元々この街に住んでいた若井さんは、地元札幌と似た、穏やかな空気感を感じていたそう。花屋で働きながら「いつかここでお店が出せたらいいなぁ」と思っていたところ、松陰PLATがテナント募集をしていることを聞き、応募をしてみたそうです。
「duft(香り)」を楽しむ洗練された空間づくり
「元々美術館のような静謐な空間が好きで、そういった空間に花を置いたらどうだろう。花そのものが女性的な
店内にある小物や細かな部分からも、若井さんのこだわりが伝わってきます。
細部まで空間づくりをこだわるのも、やはり「お花」のため。「置く場所とか器によって、お花ってかなり見え方が違うので、見せ方にはこだわりました。そのために空間も大事に。」ディスプレイやウエディングの経験も豊富な若井さんだからこそ、出てくる言葉です。
duftの選ぶお花
植物でしか表現できない部分を持ったものが好み
「内装は男性的な感じですが、お花はどちらかというと、繊細なものが好きですね。」と答えて下さった若井さん。色合いやお花の曲線的な動きなど、自然が生み出す魅力を持つお花がduftに並べられています。人工的な黒とニッケルメッキのテーブルと、柔らかなお花のコントラストが美しく調和し、一つの作品のようでした。
入るとカリンがお迎えてしてくれました。花瓶との相性も考えられています。
夏の定番、食虫植物のサラセニアも。すっと伸びた姿が美しい。
なんでも揃えるのではなく、あくまでduftらしいものを
duftの店頭には、ドライフラワーはあえて置いてありません。「生きてるお花はとても力があると思います。一輪あるだけで、部屋の空気が変わる。ドライフラワーももちろん好きですが、寿命はあるけれど生花を楽しもう、と思う人が増えたらいいなという思いから、ドライフラワーは店頭に置いていません。生花からドライフラワーを自分自身で作れば、一本のお花を数年は楽しめます。」
ずっと繋がっていける花屋を目指して
独立前に勤めていた花屋では、ウエディング、ディスプレイなどの仕事を多く受け持っていたこともあり、独立し
あくまでお店を大事に、生活の中にお花を取り入れるきっかけ作りを考える、若井さんの気持ちを感じます。
さいごに
お店に来る方が、お花を見て、その匂いをかいで、日常の忙しさから、ふっと自分自身に戻る瞬間を作ってほしいという若井さん。
今後のduftについても伺ってみました。「規模を大きくしたいという考えはあまりないんですが、今外仕事も多く不定休なので、もっとお店を安定して開いておけるようにしたいですね、お店に来てくれる人を増やしたいです。仕入れもこだわっているので、duftのイメージがもっと広まっていけるように出来たらなぁと思います。」
—-若井さん、ありがとうございました。—-
クールで凛とした雰囲気の若井さんですが、インタビュー中、エネルギッシュにとても素敵な笑顔で答えて下さいました。静かで落ち着いた空間と、彩り豊かで元気なお花たちは、まさに若井さん自身がそのまま表現されているように感じました。
「日々忙しく過ごしていて、最近心に余裕がないなぁ」という方は、ぜひduftに足を運んでみてください。店内に入った瞬間、静穏な空間が日常を忘れさせ、心をすっと晴らしてくれます。duftで選んだお花を自宅に飾っておけば、いつでも心にゆとりを持った暮らしができる気がする。そんな風に思わせてくれる花屋です。
▼『duft』のショップ詳細はこちらから
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