植物標本の作り方|簡単でおしゃれなインテリアになる一工夫も紹介
更新
公開

植物標本の簡単な作り方とおしゃれなインテリアになる一工夫を紹介します。自宅で小さなお子さんと一緒に楽しめる作り方です。
目次
植物標本とは
植物標本とは、植物に処理を施して、保存できるようにした実物や見本のこと。研究や教育、趣味を目的として作成するものです。処理には、押し葉にするほか、保存溶液に浸けるなどの方法があります。
植物標本を作ることによって、その植物の特徴や生育していた場所などの情報を保存し、後日詳しく調べたり、似た植物と照らし合わせて違いを確認する際に役立つようになります。また、山登りや散歩の際に集めた植物を標本にすれば、自分の記録として、後々見返す楽しみにもなります。
他にも、見た目が美しく、観賞価値があるので、インテリア雑貨として部屋に飾るという楽しみ方もあります。
植物標本作りのルール
植物標本は、いつ、どこで採集した、何の植物かという情報がとても大切。これらの情報は、植物が生育している場所や季節を理解するために必要になります。植物と一緒に残しておくようにしましょう。
生育している姿がわかるように、花や葉だけでなく、実や根なども一緒に残しておくと、後で確認する時に役立ちます。
植物標本と押し花の違い
植物標本は、植物の名前や生態といった情報がわかるように整理して保存するもの。押し花は、花を観賞用に作るもので、情報の添付をする必要はありません。植物標本と押し花は、作成方法はほぼ同じですが、用途や目的が違います。
植物標本の作り方
趣味や自由研究などで使用できる、簡単な植物標本の作り方を紹介します。趣味や個人的な記録、家族の思い出として小さなお子さんと一緒に楽しめる作り方です。
植物標本作りに必要なもの
- 好きな植物
- 挟むための紙(新聞紙やコピー用紙)
- マスキングテープ
- 重石(本やペットボトルで可)
- ラベル
- 台紙(上質紙やコピー用紙)
植物標本の作り方
1. 植物標本にしたい植物を用意します。この時、花や葉だけでなく、植物の全体像がわかるように、茎も何節か入れて、実なども採取できれば入れるようにしましょう。
2. 生育している姿がわかるよう、花びらやしべ類が見えるように、葉も折れないように広げます。この時、花や葉が重ならないように注意しましょう。まだ水分を含んでいる植物は弾力があり、紙に固定するのが難しいこともあります。紙の上で動いてしまうようなときは、マスキングテープを使って何カ所か固定すると、きれいに仕上がります。
3. 上からもう一枚紙を乗せて挟み、重石を乗せ、1週間から10日かけて乾燥させます。重石は均等に重さがかかるようなサイズのものにしましょう。(今回は図鑑を数冊重ねて重石にしました)
4. 乾燥させている間にラベルを作りましょう。ラベルには、植物名、採集日、採集地、採集した人などの情報を記入します。
※ラベルの作り方については、この後詳しくお話します。
5. 植物が乾燥したら、台紙にラベルを貼って、ラベルが見えるように植物をレイアウトします。レイアウトが決まったら、マスキングテープで固定して完成です。
出来上がった植物標本は、フレームに入れて飾ったり、クリアファイルに入れて保存して楽しみましょう。もちろん湿気を避ければ、紙のままで保存しておくこともできます。少しずつ増やしていって、自分だけの植物標本を集めていくのも楽しみの1つとなります。
植物標本作りのコツと注意点
採集する場所の許可
植物を採集する際は、土地の所有者の許可を得るようにしましょう。または、採集しても良い場所かどうかの確認をしてください。公園のような公共の場所も、採集禁止になっていることがあります。トラブルを避けるために、事前に確認するようにしてください。
多肉植物や水分の多い物は避ける
水分の多い植物は、乾燥に時間がかかり、うまく仕上がらないことがあります。最初のうちは、葉や花に厚みのない植物から始めて、慣れてきたら水分の多いものにチャレンジするようにしてください。
花が散りかけているものは避ける
植物標本は、植物の姿を保存するものなので、花が散りかけているものや、虫喰いのあるものは避けて、できるだけ状態の良いものを選ぶようにしましょう。
採集する際は長めに切る
植物は、葉の付き方もそれぞれ違います。葉が対生だったり互生だったり、節によって葉の大きさや葉の裂け方に違いがあったりします。花首だけで切らずに何節か入れて作成すると、後から確認するときに役立ちます。
植物標本のラベルの作り方
植物標本のラベルに必要な情報は、 植物名、採集日、採集地、採集した人の4つです。
植物標本を作る目的にもよりますが、植物名と採集日は記載するようにしましょう。後から何の花だったか、いつの物だったかが確認できるようにしておく必要があります。趣味で作るなら、採集日や採集した人の名前は入れなくてもよいでしょう。最低限、植物名は入れるようにしましょう。
植物標本インテリア|おしゃれに飾る一工夫
フレーム選び
インテリアとして飾るなら、フレームにも少し凝ってみましょう。フレームを変えるだけで、雰囲気も変わります。小さな花なら写真立てに入れて、飾るのもおすすめです。
おしゃれなラベルを作る
ラベルを英語にしたり、学名で表記するだけで、ちょっとおしゃれに見えます。インテリア雑貨として作成するなら、こちらがおすすめです。
台紙で一工夫
台紙は、白のコピー用紙や上質紙で問題ありませんが、ちょっと透け感のあるトレーシングペーパーにすると、軽やかさが出ます。
台紙にコーヒーや紅茶で色を付けると、アンティークのような風合いを出すことができます。方法は、薄めたコーヒーや紅茶を台紙にかけて、ふき取り、乾かします。新聞紙などの吸水紙に挟んで重石をしたり、当て布をしてアイロンで乾かすと、紙が波打つことなくきれいに乾きます。
植物標本作りは、とっても簡単。押し花と同じ要領で作成して、情報を記載したラベルを添えるだけです。自分で作成すれば、採集したときの場所や季節、状況、場面など、いろんなことを思い出すきっかけにもなります。アルバムを作るような感覚で楽しんでみませんか。
▼編集部のおすすめ