岡井路子先生に聞いた!みんなが知りたいオリーブの植え替えと剪定方法、樹形づくり
とまつあつこ
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オリーブの植え替えや剪定、かっこいい樹形づくりの方法をご紹介します。今年も、プロトリーフガーデンアイランド玉川店で、ガーデニングカウンセラー「岡井路子先生」によるオリーブセミナーに参加してきました。昨年樹形づくりを教わったオリーブを持参して先生に状態を見ていただき、剪定も習ってきました!それではセミナーの様子をご紹介します。
目次
オリーブの植え替えと剪定、樹形づくり
今年もガーデニングカウンセラー「岡井路子先生」によるオリーブセミナーに参加するため、わくわくした気持ちを胸にプロトリーフガーデンアイランド玉川店に向かいました。
▼オリーブの基本的な育て方と剪定、樹形づくり体験レポート、緑枝挿し、岡井路子先生についての詳しいご紹介は、ぜひ昨年のオリーブセミナーの様子をご覧ください。
今年のオリーブセミナーは、岡井先生お手製の完熟オリーブの塩漬けを試食させていただくところからスタート。
この塩漬けの種を取ってペーストにすると、パンやカリフラワーなどの温野菜につけても、パスタソースとしても美味しくいただけるそうです!
セミナーの内容が盛りだくさんだったので、今回岡井先生に教わった、オリーブの実や枝を楽しむ、オリーブの品種選びを楽しむ、植え方を楽しむなど、オリーブの木丸ごとの楽しみ方については別の記事として近日公開させていただきます♪
▼お茶にもなるオリーブの収穫後の葉や実の楽しみ方は、まず昨年のオリーブセミナーの内容をご参考にどうぞ。
オリーブの実の美味しさを実感したところで、次はオリーブの植え替えと剪定、樹形づくりのデモンストレーションです。
オリーブを育てている人もこれから育てたい人も、すごく見たい!聞きたいところですよね。
岡井先生「このオリーブの鉢植え、見た感じあまり良い状態じゃないので植え替えたほうが良いと思うんだけど、植え替えるところ見てみたい?」
参加者が一斉に首を縦にふると、
岡井先生「はい。じゃあやってみようか!」
と、植え替えのデモンストレーションが始まりました。
オリーブを鉢から抜いて、肩こりをほぐすように、木の肩の部分の土を優しくもみほぐしていきます。
固くなった土を手でほぐしていきますが、けっこう力が必要ですね。
岡井先生は、イギリス製の根かきフォークを使って根をさくさくとほぐしていました。使い古しのフォークや割り箸などを使って根をほぐしてもいいそうですよ。
このようにオリーブの根の先がバラバラになるくらいほぐします。
植え替えといえば春か秋が適期なイメージですが、岡井先生によるとオリーブについてはちょっと気をつければオールシーズンいつでも植え替えOKだそうです。
真夏に植え替えた場合は、その後2週間は直射日光を避けて明るい日陰で養生する。真冬に植え替えた場合は、その後2週間は寒風を避けて軒下のひだまりで養生するなど、少し気をつかってあげることが大切です。
次に、オリーブを植え替える鉢に鉢底ネットを敷いて、オリーブ専用の土を入れていきます。排水性と保湿性に優れた土を使えば、鉢底の石は特にいらないそうです。プロトリーフでは、岡井先生が監修されたオリーブの土も販売しているんですよ。川砂が入った少し重みのあるしっかりした土なので根の安定が良く、アルカリ性に調整済みでオリーブに最適な環境の土です。この土を使えば安心ですね。
鉢の1/3くらいまで土を入れたところで、オリーブを植えていきます。
オリーブの周りに土を入れ、途中、両手を縦にして鉢にさし、隙間にしっかり土を入れていきます。水をあげた時に土があふれ出ないように、必ずウォータースペースを残しましょう。そして、仕上げは土を必ず平らにします。
別の時の植え替え写真ですが、手を縦にして鉢にさすイメージはこんな感じです。鉢の底の土がふかふかした隙間だらけの状態だと、木がぐらついてしまいます。
岡井先生「オリーブを同じサイズで楽しみたい時は、根と枝を整理して、また同じ鉢に植え替えれば大丈夫。その際、鉢をひと回り小さくすればサイズダウンすることも、大きく育てたい時は、根鉢よりもひと回りかふた回り大きな鉢を選ぶとサイズアップできますよ。」
植え替えが完了したら、次は剪定です。
岡井先生「根をコンパクトにしたから、地上部も切っていきますね。」
と、おっしゃると、株元から生えてけっこう育っていた枝をバッサリ。参加者は「おー!」と、びっくり!!!
これは「ひこばえ」といわれる枝(樹木の切り株や根元から生えてくる若芽)が育ってしまった枝でした。「ひこばえ」は、親株に栄養を行き渡らせるために本来はもっと小さなうちに地際から切るそうです。
下の方に出ている小さな枝も不要なので切ります。
交差している枝、平行な枝、内側や下向きに出ている枝、枯れ枝などを切っていきます。
岡井先生「切る枝を迷う時は、切ろうと思う枝を手で隠して考えてみるといいですよ。あと、いきなり長い枝を思い切り切っちゃうと後から直せないから、慣れるまではちょこちょこと少しずつ切っていけば切りどころがだんだんわかってくるはず。」
岡井先生「オリーブは切った場所のすぐ下の葉と同じ向きに枝を伸ばすので、切った後に出てくる枝の向きを考えて伸ばしたい向きの葉のすぐ上で切るといいですよ!」
岡井先生の言葉を写真に色付けしてみました。
ピンク色で囲った葉が出ている向きと同じ方向に、新しい枝が2本(オレンジ色の矢印)出ていますよね。参加者で感動して「ほぉー!」と、うなずき合いました。
切らずに残した枝は、枝先に出ている小さな芽を手で摘んでおきます。
岡井先生「植え替え時の剪定では、すべての枝を切ります。そうすることで新芽をどんどんふやすことができますよ。オリーブは春から初夏に伸びた新梢に翌年花を咲かせ実をつけるから、春から初夏の間に新芽が伸びてきたらなるべくこまめに枝先を切って枝数をふやしてね。枝先の場合はハサミじゃなくて手でソフトピンチする感じでいいですよ。枝数がふえると年々倍に倍に実もふえるということです。」
剪定完了です。とてもすっきりした樹形になりました。
岡井先生「オリーブは株元がすっきりで、空に向かって両手を広げて光と風をたくさん取り込む樹形が理想的なので、さらに樹形づくりをしていきましょう。」
オリーブの枝を少ししならせて、麻ひもで引っ張りながら樹形をつくっていきます。
岡井先生「木が大きくなると枝がしなりにくく大事な枝が折れてしまうこともあるので、加減しながら引っ張ってくださいね。」
肥料は置くだけのこちらがおすすめだそうです。オリーブ色がかわいいですね。
オリーブセミナー質問タイム
お待ちかねの質問タイムです。皆さん聞きたいことがたくさんあり、とても盛り上がりました。
参加者「家でオリーブを育てていますが、せっかく伸びたオリーブの枝がもったいなくて切れません。」
岡井先生「そういう人が多いけど、オリーブを剪定してあげると光と風が木の内側まで入り、枝数が増えてたくさん実をつけることができるんです。木を若返らすためには強剪定も必用。オリーブは萌芽力が非常に強く、切った場所から新しい芽を伸ばすので剪定の失敗は無用。姿が乱れてしまったオリーブは、しばらく実はいいかなということであれば、思い切って剪定してかっこ良い樹形に仕立て直すのもいいですね。家にただオリーブ植えてるってだけじゃなくて、それぞれの家のオリーブの樹形かあっていいと思うんですよ。」
参加者「実は使わないのであればつけたままでもいいですか?」
岡井先生「必ず年内にはすべて実を取ってください。実をつけたままにしておくと、実にパワーを奪われてしまいますよ。」
参加者「オリーブを植えてある鉢の根元に、葉や花を植えてもいいですか?」
岡井先生「どちらかといえば、なるべく植えずに株元をすっきりさせておいた方が良いです。植えない方が、オリーブアナアキゾウムシなどの害虫の発見も早く対処も早くできますよ。」
質問タイムの後も、店内でオリーブを先生に選んでいただき苗と鉢を購入し、植え替えと樹形づくりを教わって帰る方が次々と。そうしているとまたお客さんが近づいてきて先生に相談したり、そういう私も昨年のオリーブの状態を見ていただき剪定を習ったり、二本目のオリーブ選びをお願いしてしまいました。
昨年植えたオリーブのリニューアル剪定と樹形づくり
これは、昨年の岡井先生のオリーブセミナー終了後、岡井先生にお願いして樹形づくりを教わったオリーブ(ネバディロブランコ)です。昨年の写真です。
そしてこれが、同じオリーブの今年の状態です。図々しくセミナーに持参して参りました。
オリーブが服の色とかぶってしまい見えにくいのですが、かなり自由に伸びて育っています。ほぼ1年間剪定せず・・・。
岡井先生によると、剪定していたら、中心の幹に栄養が行ってもう少し幹が太くなっていたかも。とのことですが、「今からでも大丈夫よ!」と言っていただき、はりきって剪定にチャレンジしました。
思い切り伸びた枝を、他の枝のバランスに合わせて切ります。切りすぎた!とならないように、まずは気持ち少しだけ長めに枝を残してカットしました。
全体的に気持ち少し長めの位置で切っていき、切らずに残した枝は先の方を手でソフトピンチしました。
切るのを悩む枝は手で隠して、この枝が無かったらどんな樹形になるかイメージします。
イメージした結果、その枝の半分くらいを切ることにしました。
全部でこれくらいのボリュームの枝を剪定しました。
昨年の樹形づくりで使った古い麻ひもを切ります。麻ひもを切ってももう戻らずしっかり形がつくられています。
新しく伸びた枝の樹形をつくるため、今回はオリーブ色の麻ひもで引っ張っていきます。
かっこいい樹形を目指して、リニューアルの剪定と樹形づくりの完成です!
春になったらこのオリーブのように新芽がたくさん出てくるといいなと思います。
岡井先生、お忙しい中本当にありがとうございました。
オリーブセミナーのまとめ~やっぱり剪定が大事
岡井路子先生によるオリーブ剪定の大事なポイントをまとめてみました。
・「オリーブは切るほどに元気になる」と言っても良いほどオリーブにとって剪定は大事。
・春から初夏に伸びた新しい枝に翌年実をつけるので、実をつけたいなら新梢を残すことが肝心。
・いらない枝を払い、木の形を整える「弱剪定」は、不要な枝を見つけたらこまめに行う。はさみを使わずに手で枝の先をソフトピンチすることもおすすめ。
・木の若がえりをはかる「強剪定」は、5年に1度くらい行う。
プロトリーフガーデンアイランド玉川店で開催される「岡井路子先生のオリーブセミナー」は、本当に毎回盛りだくさんで充実しています。参加費は無料です。春と秋に開催されることが多いそうです。
セミナーを知らずに買い物に来た方も「何か楽しそうなことをやってるぞ。」と立ち寄り先生のお話を聞き、最後はご自宅のオリーブについて質問をしてにこやかに帰られます。たまたま近くに座った方同士が、先生の話を聞きながら以前からの友達のように楽しそうに会話している姿を見て、思わず「お友達同士でご参加ですか?」と聞いてしまいましたが、たまたま今日一緒になったそうです。岡井先生とオリーブの魅力で本当に楽しくためになるお話を聞けるセミナーです。
「オリーブは丈夫だからと思い、何も手入れしていなくて。さっそく教わったことをやってみて、大切にかわいがって育てたくなりました。」と、嬉しそうに話していた方も。
私のオリーブ「ネバディロブランコ」も、剪定して肥料をあげたら早くも葉が大きくなりつやが良く、幹もしっかりしてきた気がします。なんて親ばかかもしれませんが、毎日よく見てちょっとした生長も楽しんでいきたいです。「ネバディロブランコ」の相方として今回選んだ「アルベキーナ」も、剪定と樹形づくりをして育てようと思います。
岡井先生によると、「剪定を制した者は、オリーブを制す!」とのこと。失敗を恐れずに剪定にチャレンジして、自慢のオリーブの木を育てましょう!
▼今回岡井路子先生のオリーブセミナーが開催された、プロトリーフガーデンアイランド玉川店はこちら
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