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又右衛門さんのデジタルとの取り組みについて

植物とデジタルってどんな風に結びつくんだろう?一体どんな風に新しい世界を表現していくのか?普段はリアルに植物を扱うLOVEGREEN編集部としても大変興味深いお話を聞く事が出来ました。未来に向けてデジタルと植物が共に生み出す想像以上の深いお話は植物を愛する全ての方々へメッセージとして伝わればと素敵だと思います。  チームラボジャングル~音と光のイベント 又右衛門さんのお話しは植物への愛の深さが感じられ、各活動の中でも植物への細やかな配慮を考えられて活動されています。  世界中から植生の違う植物を同じ空間に植栽すると、育てる内容も好きな環境も変わるので植物を傷めないことに注意をはらい、チームラボさんとコラボレーションした「チームラボジャングル」では世界各地の植物が集まる空間として非現実的な植物の組み合わせを表現し植生されたそうです。

「Music Festival,teamLab Jungle」

又右衛門さんに、チームラボとコラボレーションした「Music Festival,teamLab Jungle」で難しかった点やこだわりに関してお聞きしました。

又右衛門さん:

「チームラボジャングルでは、世界各地の植物が集まる空間として非現実的な植物の組み合わせを表現し植栽したのですが、世界中から植生の違う植物を同じ空間に植栽すると、すべて育て方や好きな環境も異なるので植物を傷めないことに最大限の注意をはらいました。」

又右衛門さんのお話は植物への愛の深さが感じられ、各活動の中でも植物への細やかな配慮をされていることを知りました。

自然環境学習プログラム

又右衛門さんは、チームラボと一緒に子供たちに向けた活動もされています。「花育・植育」をテーマにし、現在50種類くらいのプログラムがあるとのこと。プログラムの内容も、1つの答えを求める進め方ではなく、100人の子供たちがいれば100通りの答えを導き出し、色々な視点から物事を考えて行こうという想像力を生み出す支援学習プログラムを展開しているそうです。

デジタルとアナログの共通点について

デジタルとアナログの共通点はどんなところにあるのか、又右衛門さんにお聞きしました。

又右衛門さん:

「チームラボさんも植物をテーマとして扱っておられるし、私どもはアナログといいますか、リアルな植物を扱っているので、まれにどうしてもできない事があります。例えば樹齢1000年の木の生長を見ようと思った時、1000年生きられない時間軸の中でもデジタルであれば記録を可視化して見せて頂ける事は素晴らしいなと思っている部分があります。そして、それを見たい・新たなものを届けたいという事が共通点なのではないかな?と、デジタルとの関係でそんなことができるようになる可能性を感じています。」

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世界での活動で見えてきたこと

又右衛門さんから見たシンガポールについて

石塚:  「GBB(ガーデンバイザベイ)のところでお話を伺いたいのですが、よく又右衛門さんはシンガポールに行かれると思うのですが、ボタニカル先進国についての様子のお話を頂きたいのですけれど、そのあたりはいかがでしょうか?」  又右衛門さん:  「先進国というものの、もともとは日本のほうがもっともっと進んでいたはずなのですが、シンガポールは国の施策としてやっていく中で、日本へ来て美しいと感じたモノを自分たちでもやっていこうという形で色々な事を取り入れていったという感じになっています。今では、もともとシンガポールにはボタニカルガーデンがあった中で、ガーデンバイザベイが出来たという流れになっています。今では、チャーリー空港なども色々な発展を遂げる中で、日本はグリーンの先進国ではなくなってきている現実がある」

ボタニカル先進国であるシンガポールによく行かれ、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの植栽も担当された又右衛門さんにご自身から見たシンガポールの様子をお聞きしました。

又右衛門さん:

「シンガポールはボタニカル先進国というものの、もともとは日本の方がはるかに進んでいたはずなのですが、シンガポールは国の施策としてやっていく中で、日本へ来て美しいと感じたモノを自分たちでもやっていこうという形で、色々な事を取り入れていったという感じになっています。もともとシンガポールには、世界遺産にも登録されたシンガポール植物園(英語:Singapore Botanic Garden)があった中で、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイが「計画された」という流れになっています。今では、シンガポールのチャンギ空港内に様々なガーデンが作られるなどさらなる発展を遂げる中で、日本はグリーンの先進国ではなくなってきている現実があります。」

お二人の海外での活動について

世界でご活躍するお二人ですが、国内と海外でのお仕事の進め方の違いや海外での活動で見えて来たことを質問してみました。  石塚:  お二方の共通点はグローバルにご活躍されていて、特にチームラボさんの場合ですと国や地域の方と接しながら、どのように作品やイベントを作りあげていく流れがあると思うのですが、海外で進める仕事との違いなどはありますか?  遠藤さん:  カタリストという仕事は触媒という意味なんですけど、私は北海道出身なので、北海道案件のカタリストとなります。例えばシンガポールの案件だと、シンガポールのハーフの子が担当になったりすることで、同じ言語で話したり、同じ国や近い場所でなるべく親近感を持ちながらコミュニケーションをとっています。」

遠藤さんに、言葉が通じにくい海外での仕事の進め方をお聞きしました。

遠藤さん:

「言語が通じなくても笑顔で本気で向きあえば伝わることもたくさんあるなと実感しています。同じマインドで同じ方向を向いていればそんな苦労はないかなと思いますし、国民性を知ることも、これからも教育的事業を推進していくうえで必要なことだなって思っています。」

先進国とも違う環境の国へ行って仕事をする事が多いお二人に、その中での苦労や面白いと思った事をお聞きしました。

又右衛門さん:

「先進国であってもそうではない国であっても、苦労という事はなく、どちらかといえばアフリカなどのような国だと学ぶことが多いです。そういう場に身を置く事によって自分たちや自分自身、自らの国を見直す事の機会になっていると思います。」

遠藤さん:

「そういった国の人たちの方が私たちのデジタルアートを見て、もっと出来る事があるんじゃないの?とかもっとすごい事を要求してくる事があるんですよ。例えば、小人が走っている作品があったとしたら、小人をここの外(空中)に出してよ。とか言われる事があります(笑)。自分たちが持っている常識や固定概念の中では気づかない発想をしてくれるため、自分たちはまだまだだなぁと思っちゃう事もあります。」

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世界に発信していきたい植育・デジタルとアナログの融合について

今回のテーマについて。  デジタルは本物には勝てないという事は理解する上で、デジタルとリアルを融合する事によって伝えて行ける事がたくさんあると希望をもったうえで、感性を育むなかで、植物だけではなく命を大切にする

最後にお二人に今後の展望についてお聞きしました。

遠藤さん:

「最近お城や自然の中でも展示が可能になりました。これって又右衛門さんのお仕事と近いというか、私達は本物の植物には絶対に勝てないと思っているんですが、見せ方を変えたら本物以上に良くなるかもしれない、それは広域に渡って素晴らしい場所になるかもしれないっていう事を、すごく自分達が感じているので、もっともっとアナログと融合していきたいなと思っています。」

又右衛門さん:

「私達は色々な形で植育であるとか花育、植物の大切さや必要性という形でお話させていただく事もあり、日本国内でもやっています。チームラボさんも海外で活躍していると思いますが、アートの素晴らしさを通してもっともっとチームラボさんと協力して活動していきたいと思います。」

お二人のお話しから、デジタルとリアル(アナログ)を融合する事によって伝えて行ける事がたくさんあることがわかりました。

言葉も通じない世界中の子供たちの感性を育ませたり、植物はもちろんすべての命を大切にするという事を、デジタルというツールを使って夢のあるアートで伝えていく事を現実化できるように思いました。

お二人とも貴重なお話をありがとうございました。

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