冬の花といえば?冬に咲く花26選

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金子三保子

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冬の花といえば何を思い浮かべますか?花が少ない冬に咲く花をご紹介します。落葉樹は葉を落とし、裸の木が多い景色の中で咲く冬の花は、ひときわ目を引きます。寒い季節ですが冬の花を探しに出かけてみませんか。

*12月~2月の開花時期もしくは流通が冬の植物をセレクトしています。

目次

冬の花|木に咲く花

1.山茶花(サザンカ)、2.椿(ツバキ)

冬の花・山茶花

サザンカ

 

冬に咲くピンクの花

ツバキ

とてもよく似ている花のサザンカとツバキ。サザンカの開花時期は晩秋~2月ごろ。ツバキの主な品種は早春に開花しますが、一部の早咲き種は11月から開花が始まります。どちらも花の少ない冬に、木一面にたくさんの花が開花します。

 

山茶花(サザンカ)

サザンカ

 

ヤブツバキ

ヤブツバキ

サザンカとツバキの見分け方はいくつかありますが、開花中なら見分け方は簡単です。ツバキの花は花ごとぼたっと落ちるのに対して、サザンカは花びらが散るように落ちるので株元に落ちている花で見分けることができます。

▼サザンカとツバキの詳しい見分け方はこちらをどうぞ

3.イチゴノキ

冬の花・イチゴノキ

イチゴノキは、ツツジ科の常緑の低木でイチゴのような実がつくことから名づけられました。イチゴノキの花は、晩秋から12月の冬にかけて白い花が開花します。花の形は同じツツジ科の庭木である、ドウダンツツジやブルーベリーの花に似た、白くて小さな壺型の形状をしています。

 

冬の花・イチゴノキ

イチゴノキは冬に咲いた花が翌年の秋に実になることから、花と実を同時に見ることができる珍しい花木です。

イチゴノキ

  • イチゴノキは、イチゴのような果実がつくことから名前がつけられましたが、イチゴの属するバラ科ではなく、ツツジ科の常緑低木です。別名、ストロベリーツリーという名前で流通していることもあります。 11月~12月に同じツツジ科のドウダンツツジやブルーベリーの花に似た、白くて小さな壺型の花が開花します。果実になるのは翌年の秋で、実になるまでに1年近くかかります。そのため、花と実を同時に見ることができる珍しい花木です。ツツジ科の植物は酸性土壌を好むのが一般的ですが、イチゴノキはアルカリ土壌でも植栽可能です。   比較的ゆっくりと生長しますが、最終的には5m近くの樹高になることもあります。育てやすく、花も実もかわいらしいため、近年、マンションのエントランスの植栽などでも見かけるようになりました。

4.冬桜

冬の花・あたみ桜

あたみ桜

桜の開花宣言で用いられるのは「ソメイヨシノ」ですが、他にもたくさんの種類があり、中には晩秋から冬に咲く桜もあります。

写真のあたみ桜は開花が1月~2月の冬。開花期間が長いのが特徴の桜です。

 

冬の花・十月桜

十月桜

晩秋から冬に咲く桜は他にもたくさんの種類があります。「十月桜」という年2回咲く桜もあり、10月~1月くらいまでが開花時期です。

5.梅

冬の花・梅

寒い冬に咲く花木の代表のような梅は、中国原産の落葉高木。冬の終わりから早春にかけて開花します。梅には白梅から紅梅まで、様々な品種があります。また、梅には花を楽しむ「花梅」と初夏になる実を楽しむ「実梅」があります。

▼梅の品種や花梅、実梅についてはこちらをどうぞ

6.蝋梅(ロウバイ)

冬の花・蝋梅(ロウバイ)

蝋でできたような花を咲かせる蝋梅(ロウバイ)は、12月~2月の冬が開花時期の花木です。蝋梅(ロウバイ)の魅力と言えば香り。花が少ない冬の自然の甘い香りはとても貴重な存在です。

7.マルバノキ

冬の花・マルバノキ

丸い葉っぱがかわいらしくてシンボルツリーとしても人気のマルバノキは、紅葉した葉が落葉した後の冬に小さな花を咲かせます。一般的な落葉樹は、花~葉~紅葉~落葉の順が一年の生長の流れですが、マルバノキはそれとはまったく逆。葉が落葉した最後に花が咲くという特徴があります。

マルバノキ

  • マルバノキは、丸みを帯びたハートの形をした葉の落葉低木です。マンサクの花に似た赤い花を咲かせるため、ベニマンサクの別名があります。 マルバノキの大きな特徴は、花の開花時期です。葉が出る前、もしくは新芽と同時に花が咲くのが落葉樹の一般的な開花時期ですが、マルバノキの花は秋の落葉の頃にえんじに近い赤い小さな花が開花します。 新芽が芽吹いた頃の若葉や夏の青葉もとても美しいマルバノキですが、秋の紅葉も目を引く美しさです。 1年を通して見どころのある姿、自然樹形で姿が整い手入れが簡単なため、最近の植栽によく使われ、シンボルツリーとしても人気があります。

8.ヤツデ

冬の花・ヤツデ

古くから庭木とや縁起木として植栽されているヤツデ。小さくて目立ちませんが、晩秋から冬にかけて花が開花します。写真はつぼみの状態です。

 

冬の花・ヤツデ

ボール状の一粒、一粒が花火のようにはじけて小さな花が開花し、その後、緑の実となります。実の状態のヤツデは、最近は切り花としても流通するようになりました。

ヤツデ

  • ヤツデは、数本の株立ちで3~5mになる常緑低木です。ヤツデの葉は長さ・幅ともに20~40cmで掌状に裂け、縁はのこぎりの歯のようなギザギザがあります。秋から初冬に円錐状に多数のつぼみをつけ、5mmほどの白い複合花序を咲かせ、花の後は緑の実になり、次第に黒くなります。 ヤツデは古くから縁起木として親しまれ、特に日陰に耐えることから裏庭には欠かせない庭木として使われてきました。また、手のような葉の形から「千客万来」の願いを込めて玄関や店先などに飾られてきたようです。 ヤツデには「天狗の葉団扇(テングノハウチワ)」という別名もあります。漢字で書くと「八手」になりますが、裂ける枚数は7枚、9枚など奇数であることが多く、中には11枚のものもあります。 最近の園芸種は、葉が斑入りや絞り柄などの印象的なカラーリーフの種類も流通しています。丈夫で手入れいらずなので、庭木を始め、公園樹や建物のエントランスの植栽などにも使われています。

9.タイワンツバキ(ゴードニア)

冬の花・タイワンツバキ

タイワンツバキはナツツバキに似た白い花が12月~2月の冬に開花します。ツバキ科ですが属は違い、ツバキとは葉の形が違うので見分けることができます。

10.ユリオプスデージー

冬の花・ユリオプスデージー

ユリオプスデージーは秋、冬、春の11月~5月にかけて、マーガレットに似た黄色い可愛らしい花を咲かせます。苗で流通している時点では草花風ですが、分類は常緑低木で、次第に主軸の茎は木化してきます。冬の花が少ない季節に長期間開花する草花は貴重な存在です。

ユリオプスデージー

  • ユリオプスデージーは秋から春にかけて、マーガレットに似た黄色い可愛らしい花を咲かせます。一重咲きの他、八重咲き種も流通しています。ユリオプスデージーは常緑の低木で、植え付けて間もないころは草花のような姿をしていますが、何年か経つと主軸の茎は木化してきます。

11.マホニア・コンフューサ

冬の花・マホニア・コンフューサ

マホニア・コンフューサはヒイラギナンテンの仲間で、冬に黄色い花が開花します。最近、マンションや戸建て住宅のエントランスの植栽などにもよく使われています。

マホニア コンフューサ

  • マホニア コンフューサはホソバヒイラギナンテンの近縁種で、メギ科の常緑低木です。以前はマホニア属だったため、マホニア コンフューサの名前で流通していることが多いようです。 花が少なくなる晩秋から冬にかけて房状の黄色い花が開花し、花のあとにブルーベリーの色合いに似た実が結実します。 マホニア コンフューサの葉は細くてギザギザとしていますが、ヒイラギのように手で触れても痛くなく柔らかい質感です。 コンパクトな樹形で病害虫に強く栽培が簡単、スタイリッシュな葉のフォルムが和洋どちらにも合うことから、公園、店舗やマンションのエントランス、戸建て住宅の植栽として使われています。

12.ギョリュウバイ

ギョリュウバイ

ギョリュウバイは、オーストラリアやニュージーランド原産の常緑低木。「ネイティブフラワー」や「ワイルドフラワー」と総称される、最近人気の南半球原産の植物の一種です。この分野の植物の人気が出た2000年以降くらいからギョリュウバイの鉢植えの流通も盛んになりました。

細い枝を密に生やし、その枝に葉や花を多くつけるため、生け垣に利用されることがあります。葉は硬く、小さく先端がとがった形をしており、その葉の形が「御柳(または檉柳)|ギョリュウ」という樹木の葉に似て、花は梅の花に良く似ているため、日本では二つを合わせて「御柳梅(ギョリュウバイ)」と呼ばれるようになりました。

ギョリュウバイ

  • ギョリュウバイは、オーストラリアやニュージーランド原産の常緑低木です。「ネイティブフラワー」や「ワイルドフラワー」と総称される、最近人気の南半球原産の植物の一種です。この分野の植物の人気が出た2000年以降くらいからギョリュウバイの鉢植えの流通も盛んになりました。 細い枝を密に生やし、その枝に葉や花を多くつけるため、生け垣に利用されることがあります。葉は硬く、小さく先端がとがった形をしており、その葉の形が「御柳(または檉柳)|ギョリュウ」という樹木の葉に似て、花は梅の花に良く似ているため、二つを合わせて「御柳梅(ギョリュウバイ)」と呼ばれるようになりました。 ギョリュウバイは蜜源植物で、抗菌作用や免疫力のアップなどの効用で注目を集めているマヌカハニーはギョリュウバイの花から採れるハチミツのことです。ただし、どのギョリュウバイからもたくさんのハチミツが採れるわけではなく、豊富な蜜を採れる品種は特定の品種です。 マヌカとは、マオリ語で「復活の木」や「癒しの木」を意味する言葉です。ニュージーランドの先住民のマオリ族の人々は、ハチミツだけでなく、ギョリュウバイの葉や樹皮を病気や怪我の治療に使ってきた歴史があります。 また、アロマオイルの原料としても利用され、ニュージーランドのティーツリーと表現されることもありますが、ギョリュウバイはティーツリーとは植物分類的には別の植物です。(ティーツリーは同じフトモモ科のメラレウカ)その香りは、ティーツリーよりは甘さが感じられる香りです。 ギョリュウバイの花の色は、白、ピンク、赤などがあり、咲き方も一重咲きや八重咲きなど品種が色々とあります。日本では落葉時期で花が少なくなる11月頃から初夏くらいまでと長い期間開花する花木のため、冬に咲く花として人気があります。

13.ローズマリー

ローズマリー

ローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑低木のハーブ。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。

性質は非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。刈り込みにも耐えるため、生垣などにも利用されます。ハーブの花の中では比較的開花期間が長い部類で、品種によって多少違いがありますが、晩秋から初夏にかけて枝先に小さなかわいらしい花を咲かせます。花の色は青紫のほか、ピンクや白があり、そのほか葉を楽しむ品種として斑入り種も流通しています。

ローズマリー

  • ローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑性低木のハーブです。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。 ローズマリーには肌のターンオーバーを促す効果や疲労回復、血行促進などに効果があると言われています。体調を崩した中世ハンガリーのエリザベート王妃がローズマリーのハーブチンキを使用したところ元気と若さを取り戻し、ポーランド王に求婚されたことから「若返りの妙薬」「若返りのハーブ」などの別名があります。 近年は、ローズマリーの香りが脳を活性化し認知症予防に効果的であることがメディアで紹介され、介護の現場などでも使われています。 性質は非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。刈り込みにも耐えるため、生垣などにも利用されます。ハーブの花の中では比較的開花期間が長い部類で、品種によって多少違いがありますが、晩秋から初夏に枝の先に小さなかわいらしい花を咲かせます。花の色は青紫のほか、ピンクや白があり、そのほか葉を楽しむ品種として斑入り種も流通しています。 木立性ローズマリー ローズマリーは非常にたくさんの品種があり、生長の仕方は上に枝を伸ばしていく木立性、地面を這うように枝を伸ばすほふく性、両者の中間的な半ほふく性に分類されます。植え付ける場所や用途に合わせて選ぶとよいでしょう。

14.カルーナ

カルーナ 育て方 

カルーナはエリカに似ている常緑低木で、エリカと同じくヒースとも呼ばれます。観賞用として広く栽培され、1000種を越える園芸品種があると言われています。原産地では夏咲きが主ですが、高温多湿に弱いので日本では晩秋に開花株が出回り、冬咲きのようになっています。寒さには強いですが、夏越しが難しいため、秋冬に花を楽しむ一年草として育てられることも多いです。環境が合って夏越しが上手くいけば、再び花を楽しめます。

カルーナ

  • カルーナはエリカに似ている常緑低木で、エリカと同じくヒースとも呼ばれます。美しい花や葉が好まれて観賞用として広く栽培され、1000種を越える園芸品種があると言われています。グランドカバーや花壇植え、寄せ植えなどによく用いられます。 冷涼な気候を好み、シベリア、ヨーロッパ、北アフリカに分布しており、原産地では夏咲きが主ですが、高温多湿に弱いので日本では晩秋に開花株が出回り、冬咲きのようになっています。寒さには強いのですが、夏越しが難しいため、秋冬に花を楽しむ一年草として育てられることも多いです。環境が合って夏越しが上手くいけば、再び花を楽しめます。 カルーナは茎の上部に総状花序を出し、花径5㎜ほどの小さな花をたくさん咲かせます。花に見える部分は本当は萼片で、本来の花はその中にあります。花が咲き終わっても萼が残るので、花後もしばらくは花が咲いているように見えます。花色は赤、ピンク、白、紫などがあり、一重咲きの他、八重咲き品種も流通しています。葉色も豊富で、寒くなると赤や黄色に色づくタイプもあります。樹高は20cm~80cmほどでこんもりと茂ったり、地面を這うように生長するタイプがあります。

冬の花|草花

1.クリスマスローズ

冬の花・クリスマスローズ

性質が強く、寒い冬から早春にかけて開花する人気の花、クリスマスローズ。毎年新品種が登場し、色や咲き方などがとても豊富でマニアも多い常緑多年草です。原産がヨーロッパなので寒さにもとても強い花です。

クリスマスローズという名前は、ヨーロッパのイギリスやドイツのような気象だと、クリスマスの頃に咲くことから名前がついています。実際にクリスマスの頃に咲く品種は、原種の「クリスマスローズ・ニゲル」などです。

 

クリスマスローズ

その他、色々な系統がありますが、流通しているクリスマスローズのほとんどの開花時期は年明けとなります。流通としては、ニゲル種がクリスマス前の11月中旬以降くらいから開花苗が出回り始め、年明けに様々な品種が流通します。年内に開花し始めるニゲル種と春に開花するその他の系統のクリスマスローズをうまく組み合わせると、12月から春まで常にクリスマスローズが咲いているという植栽を作ることができます。

クリスマスローズ

  • クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。 日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。 他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。 クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。 クリスマスローズ・ニゲル

2.ポインセチア

冬の花・ポインセチア

日本ではクリスマスをイメージする植物の筆頭のポインセチアは、クリスマスが近づく頃になると、街のディスプレイや室内の彩としてあちこちで見かけることができます。クリスマスの花として定着し、寒い季節の植物だと思われがちですが、ポインセチアは本来は熱帯の植物。外で管理すると一気に弱ります。鉢植えを購入したら日当たりの良い暖かい室内で管理しましょう。

ポインセチア

  • ポインセチアは、トウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木です。赤と緑が特徴的なポインセチアは、クリスマスの定番の植物として冬になると多くのお店で飾られ、街を彩ります。花屋さんや園芸店で鉢植えのポインセチアが出回るのもこの時期です。 ポインセチアの赤く色付いた花に見える部分は苞で、その中央に小さく黄色に集まった部分が花です。花の周りの苞は生育期の夏の間は緑色をしています。日照時間によって色づく性質のため、10月頃から短日処理という育成方法で段ボール箱などを被せ16時くらいから12時間真っ暗になる環境を作ってやると、12月頃に葉を赤くすることができます。 ポインセチアは冬に見かけることが多いため、寒い季節の植物だと思われがちですが、実は熱帯の植物なので、冬は室内で育てるのが適当です。室内でも玄関や窓辺の暖房が切れた後に気温が低くなる場所では寒さで枯れてしまうため、置き場所に気をつける必要があります。 ポインセチアは、日本では鉢植えで育てる事が多く草丈も低く小さなサイズですが、本国メキシコのポインセチアは、地植えで数メートルの高さもあり野趣あふれる樹木です。日本でも沖縄などでは地植えで数メートルの高さに育ち、庭木としても楽しまれています。

3.パンジー、ビオラ

ビオラ寄せ植え

パンジー、ビオラは本来は春の花ですが、最近では苗は10月くらいから園芸店に並び始め、流通のピークとしては冬の間となっているため、公園や公共施設の冬の花壇で一番よく見かける花のひとつです。寒い季節は花が少ないですが、気温が緩みだすと一気に花が増えてきます。冬から春まで長く足元を彩ってくれる草花です。

パンジー、ビオラ

  • パンジー、ビオラはスミレ科の一年草。本来の開花時期は春ですが、10月ごろから苗の流通が始まります。上手に育てれば半年以上も開花し続け、冬から春のガーデニングには欠かせない草花のひとつです。 左:パンジー 右:ビオラ パンジーとビオラの違いは、見た目の大きさで判断できます。パンジーの小輪は4~5cm、中輪は5~7cm、大輪は7cm以上。中には10cm以上の超大輪種もあります。ビオラは小輪は2~3cm、中輪は3~4cm程度が多く、小指の爪サイズの極小輪種もあります。また、ビオラはパンジーに比べて多花性の特徴があります。   近年、種苗会社や個人育種家による育種が盛んで、色や咲き方が多彩で魅力的な新品種が次々と作出されています。パンジーの名前はフランス語のpensée(思考、思想)に由来し、少しうつむきがちに咲く花が物思いにふける人の顔に似ていることにちなみますが、品種改良が進み、顔に見える斑(ブロッチ)がない無地のものもあります。   ほとんどを網羅していると言われるほどカラーバリエーションが豊富なパンジーとビオラ。最近はひとつの花の中に複数の色が存在する複色カラーが多く、明るく華やかな色からシックで大人っぽいものまで、多種多様な雰囲気を演出することができます。

4.ツワブキ

冬の花・ツワブキ

ツワブキは晩秋から12月の冬の始まりごろに花が咲くキク科の常緑多年草。日本全国で見かけることができ、葉が斑入りの園芸品種もあります。

ツワブキ(石蕗)

  • ツワブキ(石蕗)は、関東以南の海岸部や山林に自生するキク科の多年草です。岩の上など厳しい環境でもたくましく育つことから、「石蕗」と表記されます。日本原産だけに育てやすく、塩害や日陰にも強い丈夫さが特長です。九州を中心に山菜として広く食用になっており、宮崎県・日南市では市の花に指定されています。 管理が楽で日陰でも育ち、秋になるとキクに似た黄色い花を咲かせます。開花期間が長いため、個人宅をはじめ公園などにも植えられています。 ツワブキ(石蕗)は古典園芸植物のひとつで「葉芸」と表現される葉の形や形状、大きさ、斑などの柄にこだわった園芸品種がたくさん作出されています。葉芸は一年を通して固定されているものと季節によって斑などの出具合が変わるものがあります。最近は葉だけでなく、花も八重咲きや黄色以外の品種もあります。 盆栽として愛でられている他、樹木の下草やグランドカバーとしても使われます。 花の時期以外も葉の美しさが庭を彩ってくれる存在です。花のあとにタンポポのような綿毛をつけた種子が風に飛んでいくさまも風情があります。 

5.ハボタン

冬の花・ハボタン

キャベツのような見ためで、昔から花が少ない冬の花壇やお正月の装飾として使われてきた葉牡丹(ハボタン)。最近は新品種が次々に作り出され、従来のイメージを覆すような品種もでてきました。

以前は葉牡丹(ハボタン)と言えば鉢もののイメージが強かった植物ですが、最近は切り花としても多品種が出回っていて、葉の色やフォルムが素敵な葉牡丹(ハボタン)がたくさん流通しています。植栽としては葉の状態の冬に使いますが、春暖かくなるととう立ちして黄色い花が開花します。

6.カレンデュラ・冬知らず

冬知らず

花びらがキラキラと艶のある黄色やオレンジ色の草花、カレンデュラ。性質が強いので育てやすく、開花期間も長いので、冬から春の花壇や寄せ植えに使われています。本来は春の花ですが、秋ごろから出回り始める一年草です。中でも「冬知らず」と言う品種のカレンデュラは、小輪で冬でもたくさんの花を咲かせます。

7.サイネリア

サイネリア

日本では冬の鉢花として流通しているサイネリア。「シラネリア」の名前でも知られています。 濃い黄色とオレンジ以外はほとんどの花色が揃っているほど品種が豊富です。最近では高性のものが切り花としても流通しています。気温が5℃を超えていれば軒下などで育てることができますが、下回る地域では日当たりの良い窓辺などで管理します。

サイネリア(シネラリア)

  • 日本では冬の鉢花として流通しているサイネリア。「シラネリア」の名前でも知られています。 18世紀から品種改良が続けられており、濃い黄色とオレンジ以外はほとんどの花色が揃っています。蛇の目模様などバリエーションも様々。冬の花壇に鮮やかな色彩を与えてくれる貴重な存在です。 サイネリアの 和名は「フキザクラ(蕗桜)」。葉の形がフキ(蕗)に似ていることからつけられました。おめでたい「富貴」の字をあてた「フキギク」「フウキギク」の呼び名もあります。

冬の花|球根の花

1.シクラメン

冬の花・原種シクラメン

原種シクラメン

冬のガーデニングの代表花のようなシクラメン。シクラメンもたくさんの品種がありますが、庭で育てるなら「ガーデンシクラメン」や「原種系のシクラメン」、室内で育てるなら鉢ものとして出回る「シクラメン」と、どこで育てるかによって種類を選ぶことが大切です。次から次へと花芽が上がり、ワンシーズンでたくさんの花が咲くので冬の花が少ない季節を華やかにしてくれる存在です。

シクラメン

  • このページでは、室内で育てるシクラメンについて説明していきます。 シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物です。冬に室内で育てる花鉢の代表と言える花で、お歳暮や贈答用にもよく用いられます。寒い冬の時期に、室内を上品に明るく彩ってくれます。 シクラメンは、青々としたハート形の葉が茂り、葉の中央に細い茎を伸ばして頂点に花を咲かせます。花色は赤やピンク、白、紫などがあり、花びらは丸弁で反り返るようにして咲くのがスタンダードタイプ。愛好家の多いシクラメンは品種改良や新種開発も盛んで、今では数多くのシクラメンが存在します。花びらの形も、フリル咲き、フリンジ咲き、八重咲きなど多様にあります。株のサイズも両手で抱える大株のシクラメンもあれば、手のひらに乗ってしまう小さなミニシクラメンまで存在します。斑入りの緑葉のほかに、シルバーリーフ、プラチナリーフと呼ばれる銀色の葉をもつタイプも登場し、最近は香りが楽しめる品種も注目されています。   Cyclamen Creator Yasuhiro Takahashi(CCYT) 月下 シクラメンは11月頃から出まわり、寒さに弱いため室内で育てます。上手に育てると4月頃まで花が咲き、その後は少しずつ花や葉が減り、5月頃になると花が咲かなくなります。シクラメンは暑さも苦手なため、ワンシーズン限りの楽しみ方をする方も多いですが、本来は球根植物なので夏越しができれば何年でも花を咲かせることができます。 また、シクラメンの仲間には屋外で育てるガーデンシクラメンがあります。ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものです。ミニシクラメンとガーデンシクラメンは姿が似ているので、小さいシクラメンを屋外で育てる場合は、耐寒性があるかどうか(ガーデンシクラメンかどうか)の確認が必要です。 ▼屋外で育てるガーデンシクラメンについてはこちら ガーデンシクラメン 球根 ガーデンシクラメンとは名前からもわかるように、シクラメンを品種改良した品種です。シクラメンは冬に室内で楽しむ鉢花の代表ですが、ガーデンシクラメンは、耐寒性があり寒い冬も屋外で楽しむことができます。寄せ植えなどに使う冬のガーデニング植物の定番としてよく用いられます。 寒さに弱いシクラメンのウィークポイントを克服するため、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものがガーデンシクラメンです。冬から春にかけて次々に花を咲かせ、花の少ない時期のお庭を明るく盛り上げてくれます。花の色はシクラメンとほぼ変わらず赤や白、ピンク、紫などがあります。花形もバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみが広がっています。 ガーデンシクラメンの育て方|夏越しさせて毎年咲かせるコツもご紹介! ガーデンシクラメンの育て方を紹介します。ガーデンシクラメンは丈夫で育てやすく、秋から春までの長い間次々と花を… 戸松敦子 2020.11.02 多年草・宿根草

ガーデンシクラメン

  • ガーデンシクラメンとは名前からもわかるように、シクラメンを品種改良した品種です。シクラメンは冬に室内で楽しむ鉢花の代表ですが、ガーデンシクラメンは、耐寒性があり寒い冬も屋外で楽しむことができます。寄せ植えなどに使う冬のガーデニング植物の定番としてよく用いられます。 寒さに弱いシクラメンのウィークポイントを克服するため、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものがガーデンシクラメンです。冬から春にかけて次々に花を咲かせ、花の少ない時期のお庭を明るく盛り上げてくれます。花の色はシクラメンとほぼ変わらず赤や白、ピンク、紫などがあります。花形もバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみが広がっています。

2.水仙(スイセン)

冬の花・日本水仙(ニホンズイセン)

日本水仙(ニホンズイセン)

たくさんの品種がある球根の花、水仙(スイセン)。品種によって、秋咲き、冬咲き、春咲きなど、開花時期が違います。

冬に咲く代表的な品種としては、房咲きで咲く「日本水仙(ニホンズイセン)」。お正月の生け花の花材として、切り花でもたくさん流通しています。

水仙(スイセン)

  • 水仙(スイセン)は、早春に花を咲かせる春を告げる球根植物のひとつです。白と黄色以外にピンクや緑、オレンジなど、色とりどりの花が咲きます。水仙(スイセン)の園芸品種の数は数万品種もあり、とても種類が豊富です。品種によって一本の茎から一本の花が咲く種もあれば、日本水仙のような房咲き種もあります。最近では八重咲種など、新品種の水仙(スイセン)が毎年のように登場します。水仙(スイセン)は、主に冬咲きと春咲きの品種が多いですが、中には秋に咲く品種もあります。 水仙(スイセン)は、数年間は植えっぱなしで管理でき、環境が合えば球根が年々増えていくのでガーデニング初心者にはおすすめの球根の花です。球根をまとめて植え付けておくと、年々分球し、とても見事な空間となります。日本全国には、たくさんの水仙(スイセン)の群生スポットが存在します。

3.スノードロップ

冬の花・スノードロップ

別名「待雪草」「雪のしずく」「雪の草」などの名前を持つスノードロップは、冬の終わりから春の入り口のまだ寒いころの雪の残る中でも花茎をすっと伸ばし、うつむくように一輪ずつ花を咲かせます。スノードロップの草丈は10~20cm。地面をよく見ていないと、見逃しそうなくらいひっそりと開花する姿がとてもかわいい球根の花です。

4.ネリネ(ダイヤモンドリリー)

冬の花・ネリネ

ネリネはヒガンバナ科の球根植物で、ヒガンバナはお彼岸の頃の秋に花が開花するのに対して、ネリネは11月~12月ごろの晩秋から冬に開花します。ネリネの花弁は、光に当たるとキラキラと輝くことからダイヤモンドリリーの別名があります。球根植物は花の開花期間が短い花が多い中で、ネリネはひとつの花がとても長持ちするのも冬に咲く花ならでは。

ネリネ

  • ネリネはヒガンバナに良く似た、秋咲き球根植物です。切花でも鉢花でも流通しています。花びらに光沢があり、キラキラと光るので、ダイヤモンドリリーという名前でも親しまれています。開花期間も長く、冬の花が少ない時期に庭に彩りを与えてくれます。 ネリネの花は、小さなユリの花の集合体というような形状をしています。花びらが反り返ったように開き、雄しべと雌しべが花芯から外に飛び出すように咲きます。その咲き方はヒガンバナに似ています。 花後、葉が伸びてきます。この葉は光合成を行い、翌年の為に球根を太らせます。10月~12月の寒い時期に開花しますが、冬が苦手な植物なので、霜に当たらないように注意する必要があります。ネリネは、夏の加湿と冬の霜に気をつければ、数年植えたままで花を咲かせます。分球でも増えていくので、長く楽しめる植物です。

5.アイスチューリップ

冬の花・アイスチューリップ

アイスチューリップとは特別な品種ではなく、普通のチューリップの球根を冷蔵施設で管理し、一定期間その中で低温で管理した後、自然の環境下に戻すという処理をされたチューリップのことです。

とても寒い冷蔵施設の中から自然の環境に戻されたチューリップが「春が来た」と勘違いすることによって、通常の開花時期の春より早い冬のうちに開花をするというわけです。アイスチューリップは、関東近県では千葉のふなばしアンデルセン公園や茨城のひたち海浜公園、東京の上野公園などに例年植栽され、12月末~1月頃が見ごろとなっています。

*毎年植え付けるものなので実際に行かれる際には施設情報をご確認ください

 

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枯れ木のように見える落葉樹が多い冬の景色の中で咲く冬の花は、凛としてひときわ引き立つ存在です。少し時間をとって、冬の花を探してお散歩してみませんか。

 

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金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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