冬の花といえば? 冬に咲く花26選
金子三保子
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冬の花といえば何を思い浮かべますか? 花が少ない冬に咲く花をご紹介します。落葉樹は葉を落とし、裸の木が多い景色の中で咲く冬の花は、ひときわ目を引きます。寒い季節ですが冬の花を探しに出かけてみませんか。
*12月~2月の開花時期もしくは流通が冬の植物をセレクトしています。
目次
冬の花|木に咲く花
1.山茶花(サザンカ)、2.椿(ツバキ)
サザンカ
ツバキ
とてもよく似ている花のサザンカとツバキ。サザンカの開花時期は晩秋~2月ごろ。ツバキの主な品種は早春に開花しますが、一部の早咲き種は11月から開花が始まります。どちらも花の少ない冬に、木一面にたくさんの花が開花します。
サザンカ
ヤブツバキ
サザンカとツバキの見分け方はいくつかありますが、開花中なら見分け方は簡単です。ツバキの花は花ごとぼたっと落ちるのに対して、サザンカは花びらが散るように落ちるので株元に落ちている花で見分けることができます。
▼サザンカとツバキの詳しい見分け方はこちらをどうぞ
3.イチゴノキ
イチゴノキは、ツツジ科の常緑の低木でイチゴのような実がつくことから名づけられました。イチゴノキの花は、晩秋から12月の冬にかけて白い花が開花します。花の形は同じツツジ科の庭木である、ドウダンツツジやブルーベリーの花に似た、白くて小さな壺型の形状をしています。
イチゴノキは冬に咲いた花が翌年の秋に実になることから、花と実を同時に見ることができる珍しい花木です。
4.冬桜
あたみ桜
桜の開花宣言で用いられるのは「ソメイヨシノ」ですが、他にもたくさんの種類があり、中には晩秋から冬に咲く桜もあります。
写真のあたみ桜は開花が1月~2月の冬。開花期間が長いのが特徴の桜です。
十月桜
晩秋から冬に咲く桜は他にもたくさんの種類があります。「十月桜」という年2回咲く桜もあり、10月~1月くらいまでが開花時期です。
5.梅
寒い冬に咲く花木の代表のような梅は、中国原産の落葉高木。冬の終わりから早春にかけて開花します。梅には白梅から紅梅まで、様々な品種があります。また、梅には花を楽しむ「花梅」と初夏になる実を楽しむ「実梅」があります。
▼梅の品種や花梅、実梅についてはこちらをどうぞ
6.蝋梅(ロウバイ)
蝋でできたような花を咲かせる蝋梅(ロウバイ)は、12月~2月の冬が開花時期の花木です。蝋梅(ロウバイ)の魅力と言えば香り。花が少ない冬の自然の甘い香りはとても貴重な存在です。
7.マルバノキ
丸い葉っぱがかわいらしくてシンボルツリーとしても人気のマルバノキは、紅葉した葉が落葉した後の冬に小さな花を咲かせます。一般的な落葉樹は、花~葉~紅葉~落葉の順が一年の生長の流れですが、マルバノキはそれとはまったく逆。葉が落葉した最後に花が咲くという特徴があります。
8.ヤツデ
古くから庭木とや縁起木として植栽されているヤツデ。小さくて目立ちませんが、晩秋から冬にかけて花が開花します。写真はつぼみの状態です。
ボール状の一粒、一粒が花火のようにはじけて小さな花が開花し、その後、緑の実となります。実の状態のヤツデは、最近は切り花としても流通するようになりました。
9.タイワンツバキ(ゴードニア)
タイワンツバキはナツツバキに似た白い花が12月~2月の冬に開花します。ツバキ科ですが属は違い、ツバキとは葉の形が違うので見分けることができます。
10.ユリオプスデージー
ユリオプスデージーは秋、冬、春の11月~5月にかけて、マーガレットに似た黄色い可愛らしい花を咲かせます。苗で流通している時点では草花風ですが、分類は常緑低木で、次第に主軸の茎は木化してきます。冬の花が少ない季節に長期間開花する草花は貴重な存在です。
11.マホニア・コンフューサ
マホニア・コンフューサはヒイラギナンテンの仲間で、冬に黄色い花が開花します。最近、マンションや戸建て住宅のエントランスの植栽などにもよく使われています。
12.ギョリュウバイ
ギョリュウバイは、オーストラリアやニュージーランド原産の常緑低木。「ネイティブフラワー」や「ワイルドフラワー」と総称される、最近人気の南半球原産の植物の一種です。この分野の植物の人気が出た2000年以降くらいからギョリュウバイの鉢植えの流通も盛んになりました。
細い枝を密に生やし、その枝に葉や花を多くつけるため、生け垣に利用されることがあります。葉は硬く、小さく先端がとがった形をしており、その葉の形が「御柳(または檉柳)|ギョリュウ」という樹木の葉に似て、花は梅の花に良く似ているため、日本では二つを合わせて「御柳梅(ギョリュウバイ)」と呼ばれるようになりました。
13.ローズマリー
ローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑低木のハーブ。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。
性質は非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。刈り込みにも耐えるため、生垣などにも利用されます。ハーブの花の中では比較的開花期間が長い部類で、品種によって多少違いがありますが、晩秋から初夏にかけて枝先に小さなかわいらしい花を咲かせます。花の色は青紫のほか、ピンクや白があり、そのほか葉を楽しむ品種として斑入り種も流通しています。
14.カルーナ
カルーナはエリカに似ている常緑低木で、エリカと同じくヒースとも呼ばれます。観賞用として広く栽培され、1000種を越える園芸品種があると言われています。原産地では夏咲きが主ですが、高温多湿に弱いので日本では晩秋に開花株が出回り、冬咲きのようになっています。寒さには強いですが、夏越しが難しいため、秋冬に花を楽しむ一年草として育てられることも多いです。環境が合って夏越しが上手くいけば、再び花を楽しめます。
冬の花|草花
1.クリスマスローズ
性質が強く、寒い冬から早春にかけて開花する人気の花、クリスマスローズ。毎年新品種が登場し、色や咲き方などがとても豊富でマニアも多い常緑多年草です。原産がヨーロッパなので寒さにもとても強い花です。
クリスマスローズという名前は、ヨーロッパのイギリスやドイツのような気象だと、クリスマスの頃に咲くことから名前がついています。実際にクリスマスの頃に咲く品種は、原種の「クリスマスローズ・ニゲル」などです。
その他、色々な系統がありますが、流通しているクリスマスローズのほとんどの開花時期は年明けとなります。流通としては、ニゲル種がクリスマス前の11月中旬以降くらいから開花苗が出回り始め、年明けに様々な品種が流通します。年内に開花し始めるニゲル種と春に開花するその他の系統のクリスマスローズをうまく組み合わせると、12月から春まで常にクリスマスローズが咲いているという植栽を作ることができます。
2.ポインセチア
日本ではクリスマスをイメージする植物の筆頭のポインセチアは、クリスマスが近づく頃になると、街のディスプレイや室内の彩としてあちこちで見かけることができます。クリスマスの花として定着し、寒い季節の植物だと思われがちですが、ポインセチアは本来は熱帯の植物。外で管理すると一気に弱ります。鉢植えを購入したら日当たりの良い暖かい室内で管理しましょう。
3.パンジー、ビオラ
パンジー、ビオラは本来は春の花ですが、最近では苗は10月くらいから園芸店に並び始め、流通のピークとしては冬の間となっているため、公園や公共施設の冬の花壇で一番よく見かける花のひとつです。寒い季節は花が少ないですが、気温が緩みだすと一気に花が増えてきます。冬から春まで長く足元を彩ってくれる草花です。
4.ツワブキ
ツワブキは晩秋から12月の冬の始まりごろに花が咲くキク科の常緑多年草。日本全国で見かけることができ、葉が斑入りの園芸品種もあります。
5.ハボタン
キャベツのような見ためで、昔から花が少ない冬の花壇やお正月の装飾として使われてきた葉牡丹(ハボタン)。最近は新品種が次々に作り出され、従来のイメージを覆すような品種もでてきました。
以前は葉牡丹(ハボタン)と言えば鉢もののイメージが強かった植物ですが、最近は切り花としても多品種が出回っていて、葉の色やフォルムが素敵な葉牡丹(ハボタン)がたくさん流通しています。植栽としては葉の状態の冬に使いますが、春暖かくなるととう立ちして黄色い花が開花します。
6.カレンデュラ・冬知らず
花びらがキラキラと艶のある黄色やオレンジ色の草花、カレンデュラ。性質が強いので育てやすく、開花期間も長いので、冬から春の花壇や寄せ植えに使われています。本来は春の花ですが、秋ごろから出回り始める一年草です。中でも「冬知らず」と言う品種のカレンデュラは、小輪で冬でもたくさんの花を咲かせます。
7.サイネリア
日本では冬の鉢花として流通しているサイネリア。「シラネリア」の名前でも知られています。 濃い黄色とオレンジ以外はほとんどの花色が揃っているほど品種が豊富です。最近では高性のものが切り花としても流通しています。気温が5℃を超えていれば軒下などで育てることができますが、下回る地域では日当たりの良い窓辺などで管理します。
冬の花|球根の花
1.シクラメン
原種シクラメン
冬のガーデニングの代表花のようなシクラメン。シクラメンもたくさんの品種がありますが、庭で育てるなら「ガーデンシクラメン」や「原種系のシクラメン」、室内で育てるなら鉢ものとして出回る「シクラメン」と、どこで育てるかによって種類を選ぶことが大切です。次から次へと花芽が上がり、ワンシーズンでたくさんの花が咲くので冬の花が少ない季節を華やかにしてくれる存在です。
2.水仙(スイセン)
日本水仙(ニホンズイセン)
たくさんの品種がある球根の花、水仙(スイセン)。品種によって、秋咲き、冬咲き、春咲きなど、開花時期が違います。
冬に咲く代表的な品種としては、房咲きで咲く「日本水仙(ニホンズイセン)」。お正月の生け花の花材として、切り花でもたくさん流通しています。
3.スノードロップ
別名「待雪草」「雪のしずく」「雪の草」などの名前を持つスノードロップは、冬の終わりから春の入り口のまだ寒いころの雪の残る中でも花茎をすっと伸ばし、うつむくように一輪ずつ花を咲かせます。スノードロップの草丈は10~20cm。地面をよく見ていないと、見逃しそうなくらいひっそりと開花する姿がとてもかわいい球根の花です。
4.ネリネ(ダイヤモンドリリー)
ネリネはヒガンバナ科の球根植物で、ヒガンバナはお彼岸の頃の秋に花が開花するのに対して、ネリネは11月~12月ごろの晩秋から冬に開花します。ネリネの花弁は、光に当たるとキラキラと輝くことからダイヤモンドリリーの別名があります。球根植物は花の開花期間が短い花が多い中で、ネリネはひとつの花がとても長持ちするのも冬に咲く花ならでは。
5.アイスチューリップ
アイスチューリップとは特別な品種ではなく、普通のチューリップの球根を冷蔵施設で管理し、一定期間その中で低温で管理した後、自然の環境下に戻すという処理をされたチューリップのことです。
とても寒い冷蔵施設の中から自然の環境に戻されたチューリップが「春が来た」と勘違いすることによって、通常の開花時期の春より早い冬のうちに開花をするというわけです。アイスチューリップは、関東近県では千葉のふなばしアンデルセン公園や茨城のひたち海浜公園、東京の上野公園などに例年植栽され、12月末~1月頃が見ごろとなっています。
*毎年植え付けるものなので実際に行かれる際には施設情報をご確認ください
枯れ木のように見える落葉樹が多い冬の景色の中で咲く冬の花は、凛としてひときわ引き立つ存在です。少し時間をとって、冬の花を探してお散歩してみませんか。
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