夏の象徴スイカを植物学から見る|山下智道の世界の文化と植物紀行#12
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私は誰よりもスイカが大好きな自信がある。毎年、山形県や熊本県から美味いスイカがたくさん届き、スイカでガスパチョ、ぬか炊き、スイカ糖、スイカジュースなどを作り、夏を満喫している。
今回はスイカの植物学的な所を解説していく。
夏を乗り切るスイカの赤色
スイカの赤い色は、トマトなどにも含まれる天然色素「リコピン」によるもの。スイカにはトマトよりも多くのリコピンが含まれている。
リコピンには抗酸化作用があり、紫外線や暑さなどによって生じる活性酸素から体を守る働きが期待されている。夏の暑さで体に負担がかかりやすい時期の、健康維持をサポートしてくれる成分だ。
水分もたっぷり含むスイカは、暑い季節の水分補給にもぴったり。美味しく食べながら、夏を元気に乗り切りたいときに取り入れたい果物。スイカが夏の愛される理由のひとつだ。
日本で人気のスイカ品種は?
日本で食されているスイカでは、以下の品種が上位にランキングされる。
・糖度日本一クラスの黄肉種「金色羅皇」

写真提供/ナント種苗様
・種ごと食べられる小玉スイカ「ピノ・ガール」

写真提供/ナント種苗様
ほかにも、赤肉の最高峰「羅皇」や、黒皮の高級ブランド「でんすけすいか」なども人気。
上記の品種以外にも、毎年のように新しい品種が次々と誕生している。
野生のスイカは砂漠の貴重な生活水
スイカ( Citrullus lanatus)は、果実を食用にするために栽培されるウリ科のつる性一年草。また、その果実のこと。原産地は熱帯アフリカで、南アフリカ中央部カラハリ砂漠と周辺サバンナともいわれている。
現代において世界各地で主に栽培されているスイカ(ウリ科スイカ属ラナツス種ブルガリス亜種)の原種は、アフリカ北東部コルドファン地方(スーダン)産コルドファヌス亜種である可能性が高い。
野生スイカ(Citrullus lanatus var. citroides)は、栽培スイカに比べて小ぶりで、果実の形は円形で硬い。
果皮は薄緑色に緑色の縞模様で、果肉の色は白色(糖度4以下)。種子は緑色あるいは茶色である。
野生スイカは夏の雨季に発芽して生長し、2月から3月にかけて実がなる。この生長の間に地下水を求めて根は発達し、根の表面は木質化して内部に貯蔵組織を形成する。この野生スイカの実は何年も腐敗しない。
カラハリ砂漠周辺の狩猟民族は、野生スイカを飲用水、料理用の水、体を洗うための水などに利用してきた。例えばサン族は野生のスイカを採取して貯蔵しておき、乾季の水資源として利用している。
日本の改良種のスイカにはナトリウムやたんぱく質はほとんど含まれないが、カラハリ砂漠に自生する野生種にはナトリウムやたんぱく質が含まれる。
日本のスイカは、夏を乗り切る美味しい恵みだが、野生のスイカは砂漠の生活において貴重なミネラルや栄養の供給源だ。
いずれにしても、スイカは人の暮らしを支えてきた重要な果物といえる。

シャーマンハーブジャーナリスト/野草研究家 山下智道
生薬・漢方愛好家の祖父の影響や登山家の父の影響により、幼少から植物に親しみ、卓越した植物の知識を身につける。現在では植物に関する広範囲で的確な知識と独創性あふれる実践力で高い評価と知名度を得ている。国内外で多数の観察会、ワークショップ、薬草ガーデンのプロデュース、ハーブやスパイスを使用したブランディング等、その活動は多岐にわたる。TV出演・著書・雑誌掲載等多数。







































