前田有紀の一“花”言vol.39「渡来徹さんの生け花レッスン」〜自然の風景を再現する

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最近、生け花を習いはじめました。教えてくださる先生は、日本を代表する華道家の渡来徹さん(Tumbler&FLOWER主亭)。鎌倉にある「VERVE COFFEE ROASTERS」というカフェで、月に一度のレッスンがスタートしたのをきっかけに私も通うようになりました。今回はレッスンの感想や、そこから感じ取った生け花の魅力をご紹介したいと思います。

自由な発想でのびのびと生けてみる

華道家の渡来徹さん。いけばな小原流のかたちをもとに、編集者・ライターとして積み重ねてきた経験や時代感をプラスし、今の生活空間に即した花を提案している。

もともとファッション誌やライフスタイル誌で、編集者やライターとしてご活躍されていた渡来さん。現在は華道家として、レギュラーの生け花教室での指導だけでなく、店頭やイベント、展示会場の装花、企業向けのワークショップなどを手がけられています。近年では海外ブランドからオファーをもらうなど、国内外問わず、グローバルに活躍の場を広げているそうです。

たくさんの花器のなかから、自分好みのものを選ぶ。

私自身、生け花経験は花屋の修行時代に少しだけやっていた程度。流派によってさまざまなルールがあると思いますが、当時のやり方はお花の高さや傾け方など、ある程度の決まりごとが設けられていました。しかし、渡来さんのレッスンではルールがほとんどなく、自然の景色を想像し、それを自分なりに器のなかで表現していきます。

まずは花器選び。私が選んだ花器は、白いおわん型の器。内側が緑色に染まっているところがお気に入りポイントです。
次は、使用する花材を選び。複数あるなかから、3〜4種類のお花や葉ものをチョイス。私の場合は、鎌倉の景色に咲いているような草花をイメージして選びました。選んだ花材は以下の通りです。

プテリス

シダの仲間で、羽片の主脈に白色の斑が大きく入るのが特長です。さりげない主張で、他のお花とも相性抜群。

ヤマボウシ

お庭のシンボルツリーとしても人気が高い樹木。今回は可愛らしいピンク色の花びらのものを選びました。

ルドベキア

初夏に7cmほどのまぶしいオレンジ色の花を咲かせます。真夏の強い暑さに強いところも魅力。

ルリタマアザミ

トゲのような花をボール状にまとまって咲かせる、ユニークな姿をしたお花。白や薄紫の色合いが、爽やかムードをプラスしてくれます。

どんなに忙しくても続けていけたら

お花は3種類に絞って、できるだけシンプルに。実際にお花がどうやって咲いているのかを、頭のなかで想像をしながら生けていきます。

「その土地、その土地の景色を思い浮かべて」
「太陽が東から昇って、西から降りていく。その情景をイメージして」
「どこを切ろうか迷ったときは、一度ハサミを置いてください」

生けている最中にも、渡来さんからアドバイスが送られます。

生け終えたら、渡来さんの手直しがはじまります。

「このままだと、花の向きに統一感がないよね」
「このくらい傾けると、花の魅力がより出るのでは」

と提案しながら、素早く手直ししてくださった作品は見違えるように生まれ変わりました。

それぞれ高低差がバランス良くつき、余白が活かされた素晴らしい作品。

花や草、枝など、それぞれの特性を活かし、自然にある風景を再現したとても美しい作品に。仕事や家事、育児など、バタバタと慌ただしい日が続いていますが、生け花だけは細々とでもいいので続けていきたいと思いました。

 

次回の渡来徹さんの生け花教室
AT VERVE KAMAKURA

・日時:7月10日 (水)9:30~ ※90分程度 
・場所:神奈川県鎌倉市雪ノ下 1-10-8 Verve Coffee Roasters Kamakura
・参加費:実用レッスン5400円(初回花代込み)、別途ワンドリンクオーダー
※参加費は先生にお支払する講習料となります。また、お持ちいただくものは基本ございませんが、花器をお持ちいただいても問題ございません。

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引き続き月に2回、前田さんの連載の「前田有紀の一花言」を配信。

フラワースタイリスト 前田有紀  2013年イギリスに留学し、帰国後フラワースタイリストとして活躍。イベント装飾やブーケやアレンジメントの制作を手がけ、雑誌やSNSなどでメディアを通して花と緑のある暮らしを提案している。2017年の春以降は積極的にワークショップも行い、花や緑に関わる人々と直接ふれあうことでリアルな声も積極的に取り入れている。また、2017年10月にオープンした「世界の花屋」では、デザイン監修を務め、世界の花々の生産や流通など、花の歴史などの魅力を伝えている。

フラワーアーティスト
前田有紀

2013年イギリスに留学し、帰国後フラワーアーティストとして活躍。イベント装飾やブーケやアレンジメントの制作を手がけ、雑誌やSNSなどでメディアを通して花と緑のある暮らしを提案している。

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