世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 -「オーストラリア東南部 ツリーファーンたち」前編- 自生地での姿

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今回は最近日本で注目をされているツリーファーン(木性シダ)を紹介させていただきたい。ツリーファーンはオーストラリア東南部や、タスマニア、ニュージーランドなどに自生しており、その特性や独特なフォルムによる存在感から、種によれば日本に向けて輸出されており、国内の植栽などでも使われるようになってきた。そのような魅力溢れるツリーファーンに出逢うためにオーストラリア東南部を訪れたレポートをアップします。

目次

なぜオーストラリア東南部へ?

なぜオーストラリア東南部を選んだかというと、まずはツリーファーンの自生地であるということ。そして数少ないツリーファーンを専門に様々な取り組みをし、豊富な品種を保有するナーセリーがあるからである。そしてこのナーセリーは公認ライセンスの保有はもちろんのこと、乱獲などは行わない状況に併せた採取を行い、さらに自主的に植林も行ったり、種によれば保存にも取り組んだりなど、環境のバランスを考えて活動していることが素敵で是非訪れてみたかったからである。

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ツリーファーンの自生地周辺散策

前置きはこの辺にして、目的地のツリーファーンの自生地はメルボルン空港から西へ車で約6時間?海岸線から山間部に少し入ったところに位置している。午前中にメルボルン空港に到着し、海岸線を走り、夕方にナーセリー近くの宿泊施設に到着した。

 

到着後ツリーファーンの自生地に向かうには時間が中途半端のため、宿泊施設近くの山を散策。そこで自生するネイティブないくつかの植物をチェック。そこでとある葉を差し出され、食してみると結構辛い。日本の山椒の葉にも近く感じられる。そう「ペッパーリーフ」と呼ばれている葉である。決して美味しいというものではないが独特の味はオーストラリアで自生する植物の興味をさらに掻き立てられるものであった。

 

そして虫やヒルにもくわれたりしたので、宿泊施設にもどり、同居するネイティブの彼らに食事をあたえていると私たちもお腹がすいてきたので食事を済ませて、明日に備えて準備を整え眠ることにした。

いよいよツリーファーンの自生地へ

翌朝、オーナーに迎えに来てもらい、4WDの機能をフルに発揮し、山中へと向かった。

 

そして目的地近くまでくると、そこからは車を降り、山中の茂みをかき分けながら深く入っていった。

 

すると目の前には息をのむような光景が拡がっており、多くのツリーファーンと出逢えることができた。

自生しているツリーファーンの種類

この地で自生するツリーファーンの中で90%以上がディクソニア アンタルクティカDicksonia antarctica」という種類で、谷あいの日陰や湿度の高いところを好む。その木肌が柔らかめの繊維状でおおわれているため通称「ソフト・ツリーファーン」とも呼ばれている。またタスマニアにも自生することから別名「タスマニア ツリーファーン」と呼ばれることもある。

この種の特徴は発根率が非常に高く、ベア・ルート(抜き根)状態で長距離輸送しても全く問題がなく、むしろその方が適しており、そのため海外に多く輸出され、日本でも多く見かけることができるのである。その大きさは15cmから600cm以上のものまであり、ほとんどが真っすぐの幹のものである。

 

ただ中にはユニークな形に曲がったツリーファーンや、二股や三股にわかれたマルチタイプのツリーファーンなどに稀に出逢えることがあり、そのような芸術的なディクソニアが植栽される風景を想像するとテンションは上がりっぱなしである。

 

このような感じで、夢中になってブッシュをひたすらかき分けながら、自生地の状況をしっかり調査を行った後に、様々な種類のツリーファーンが保護及び実験栽培されている農場に向かうことにした。

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\農場での栽培風景/

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