世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –マダガスカル編8「フォールドーファン」
LOVEGREEN編集部
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今回はマダガスカルで南部に位置する街、フォールドーファンとその近隣地での活動について書かせていただくことにする。
目次
NPOサザンクロス
マダガスカルの首都アンタナナリボからフォールドーファンへ行くにはいくら発着が不安定とは言え飛行機が賢明である。陸路では約3日。雨期であれば5日ほどかかるからである。そのため私は空路を選択し訪問した。
1日に1~2便アンタナナリボからフォールドーファンに向かう飛行機がある。そしてその時間帯によってアンタナナリボからフォールドーファン直行とチュレアールを経由するものがある。私はこの両方とも乗っている。直行便であれば約1時間での到着になるが、プロペラ機での就航の場合は約2時間かかってしまうが、飛行機さえくれば車よりは明らかに便利である。
無事、フォールドーファン空港に到着するといつものようにパートナーであるNPOサザンクロスジャパンの代表であるRIVOさんが迎えに来てくれる。
NPOサザンクロスは、代表のRIVOさんが日本で研修されたのち進化生物学研究所とともに起ち上げられたもので、主にマダガスカルで植林など植物の保全活動を行っており、私たち又右衛門マダガスカルプロジェクトにも深く関わっていただいている。
サザンクロスの事務所は飛行場から約20分の便利なところに位置しているため、到着後まずは事務所へと向かった。RIVOさんは事務所と同じ場所に自宅があるので、行くたびにご家族に会うことができ、それがまた楽しみの一つである。
事務所では数名であれば宿泊することもできるため、研究所の人たちが長期滞在をするときは宿泊が可能である。
また近くには希少な植物の有名な収集家もいて、色々な情報を共有してもらえる。実際にこの時も、案内していただきユニークな植物を拝見した。
中にはうっとりするような物もあり、詳しく話を伺った。ご存知の人も多いとは思うが、マダガスカルには希少な植物を海外に輸出している人がいる。その中には、きちんとした国際ルールに則っとっている人もいればグレーな人もいる。正直全く非合法的であろうと思われる人も、多くいるとのこと。そしてその一部が日本にも直接的、間接的に届いている。当然私は、合法的な輸出入以外は行わないので、そのことを伝えながら、いろんな話を聞かせていただいた。
近いうちに、素敵な植物を皆さんにお見せすることができるようにしたいと思っているので楽しみにしていただければと思う。
事務所から少し車で移動すると、街中にある植林用の苗場を拝見させていただき、現場で植林用に何を植えるか?また、苗場を活用して植物の養生スペースをつくれるか?などのディスカッションを行ってきた。
そして街中の散策などを行い、事務所に戻るとご家族が相変わらずのごちそうを用意してくださっていた。
私も日本から持参したお土産として、タブレットとスマホ。味の素などの調味料を手渡し、大変喜んでいただけた。
奥さんの手料理はとても美味しく毎回楽しみにしている。出国後、ずっとひとりぼっちの夕食であるときは、その美味しさと温かさが、とても心と身を癒してくれる。本当の意味でのご馳走である。そんな家族との話は中々尽きない。まるで本当の家族のようである。そのような素敵な時間をいただき本当に感謝である。
又右衛門木彫りプロジェクト
また別の日事務所でミーティングを行っている時に、次回書かせていただく訪れた集落の方が、手作りの木彫りの置物をもって来てくれた。拝見させていただくと温かみがあってとてもかわいらしいものである。良ければ村人のためにも、お土産として一つ買っていただけませんかとのことであった。
私は可愛らしさが気に入ったのもあるが、私が今すぐにできる現地への協力と、これを日本にて紹介し、プロジェクトを起ち上げていく意思表示も含め、私が持っている現地通貨を集めて、彼の持っている全ての工芸品を譲っていただいた。その時に彼はうっすら涙を浮かべていたのがとても印象的であった。
これは購入した後で、こっそりとサザンクロスのRIVOさんが私に教えてくれた。彼はこの収益で、村の病気の子どもたちに薬が買えると喜んでいたと・・・。彼は私に日本の街などで良く声をかけられる支援して欲しいとか、お涙頂戴の話をするのではなく、そのことに一切触れずに、集落の人が一生懸命作りましたとだけを言う姿勢であったことに深く胸を打たれた。
これが現在、「又右衛門木彫りプロジェクト」になっている。この集落でつくられた木彫りを日本で販売し、その収益の多くをサザンクロスを通じて集落に送らせていただき、その一部で現地で植林活動に使っていただいているのである。
現在、イベントなどで木彫り製品を販売させていただいていますので、ご興味を持っていただけた方は是非LOVEGREENを通じてか直接ご連絡をいただければ嬉しく思います。すみません。少し宣伝をしてしまいました。
みどりのサンタ
またサザンクロスの事務所の庭には、私、又右衛門がアンバサダーをつとめさせていただいている「みどりのサンタ」として、活動支援する意味でも集落で買い上げたバオバブの苗を、植えさせていただいています。
又右衛門として、みどりのサンタとして、これから10年20年先も、この樹の生長を楽しみながら、現地の皆さんと手をつなぎ活動をしていきたいと強く想っていますので、今後とも温かく見守っていただければと思っています。
さて次回は、少し離れた集落に植林などで訪れた時のことを書かせていただきますので、是非集落の人たちの輝く目をみていただき生活に触れていただければと思っています。よろしく願いいたします。
PROFILE
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四代目金岡又右衛門
「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」 まだ見ぬ植物との出逢いを求め、世界を奔走する金岡又右衛門。世界各国に拡がるネットワークと持ち前の行動力を駆使し、希少性の高い植物を求め、自らの足で直接現地に赴き目利きをし、日本に紹介している。植物と大地への尊厳の念を持ち、植物の”生”へのこだわりを第一とする活動スタイルは、国内外の専門家から高く評価され、業界からの信頼も厚く、植物貿易の第一人者と評価される。
Facebook/人と人、国と国を繋ごう。
HP/緑匠・又右衛門
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