「八ヶ岳で、花そう。」八ヶ岳ファーマーズマーケットに行ってきました!
小野寺葉月
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5月25日から27日まで、長野県諏訪郡富士見高原で開催された八ヶ岳ファーマーズマーケットに行ってきました!
目次
八ヶ岳ファーマーズマーケットとは?
うっすらと雪の残る八ヶ岳
毎年口コミで集客が広がり、昨年は5,000人近い方が来場されました。北は北海道、南は九州からのお客様も!駐車場には品川、横浜、静岡、岐阜、奈良、神戸・・・と全国各地のナンバーをつけた車が並びます。
お客様の層も幅広く、ガーデニングが好きな50代の女性から、家族連れなども多く見られます。また、園芸店やホームセンターのバイヤーなども来場され、業界関係者からも注目されるイベントに成長してきているそう!
良質なハーブ苗や多年草などを生産者から直接購入できるイベント「八ヶ岳ファーマーズマーケット」
八ヶ岳ファーマーズマーケットの特徴は何と言っても生産者から直接、苗を購入できることにあります。八ケ岳の麓で生き生きと育った植物たちは、高冷地特有の深い発色や、締った株などの特徴があります。生産者によるオリジナルの苗、ここでしか出会うことのできない苗と巡り合えるチャンスです!
それでは、気になる展示会の様子を紹介します!
展示会の様子をレポート
第9回八ヶ岳ファーマーズマーケット
—–日時—–
5月25日(金)AM11:00〜PM4:00
5月26日(土)AM9:00〜PM4:00
5月27日(日)AM9:00〜PM2:00
—-会場—-
『富士見高原リゾート 特設会場』
〒399-0101
長野県諏訪郡富士見町境12067
—-アクセス—-
▶電車で行くなら
東京から JR中央本線 小淵沢駅からタクシー10分
名古屋から JR中央本線 富士見駅からタクシー15分
▶車で行くなら
中央道・諏訪南I.C から約15分
中央道・小淵沢I.C から約8分
入場待ちの列が・・・
初日の5/25(金)は11時スタートなんですが私が到着した10時過ぎには列が形成されていました。
初日はお目当ての植物や鉢があるお客さまたちが手に自前のかごを持ったり、カートを引いたりしながらたくさん集まってきています。
会場直後。みなさん目的のブースに一直線!
編集スタッフが気になった出展者さんをご紹介!
今回八ヶ岳ファーマーズマーケットに出展されていた中で、編集部スタッフが気になった出展者さんをご紹介します。おすすめの植物や育て方のポイントを聞いてみました。
五十嵐ナーセリー
五十嵐ナーセリーの五十嵐さんご夫婦。
多肉植物・宿根草を主に取り扱われていらっしゃいます。会場からすぐの道の駅小淵沢でも苗を購入することができます。
多肉植物の管理について
「種類によりますが涼しいところのほうが多肉は適していると思います。夏に冷房をかけるより、夏以外ハウスで暖房かけて温度管理をしたほうが安定した栽培状況を作ることができますから。都心では夏の蒸れでほとんどの多肉が弱ってしまうけれど、八ヶ岳周辺は夏も蒸れないので。日当たりが一番大事かな。」
エケベリア属ピーコッキープラチナドレス
一番好きな多肉はエケベリア属ピーコッキープラチナドレスだそう。
エケベリア属ピーコッキープラチナドレスの花
「葉もきれい、花もきれいで言うことない!」なかなか子株ができなくて増やすのが大変なんだとか。
姫野ばら園
花弁が多く、ふわっとした花がたくさんついているセンテッドチャイナ
「ご家庭の花壇に植えるならチャイナローズがおすすめです。センテッドチャイナは香りこそあまりありませんが柔らかな感じでとても美しいバラですね。バラの弱点は株元が寂しくなることなんですが、これはそうもならないので、ご家庭の花壇になじみやすくておススメです。」
赤みと青みののある葉っぱが魅力のグルスアンデプリッツ
「グルスアンデプリッツは、ほかのバラと比べると葉っぱが青っぽいんですよね。それから花の咲き方がふわっとしていて、感じが柔らかくて魅力的ですね。つぼみもかわいくて。最初見たときはなぜ名花と言われているのかわからなかったのですが、成長して2mぐらいになって、あふれるぐらいの花をつけて咲くさまを見ているとああやっぱり名花だなあ、と思いますね。」
かわいらしい乙女心
「人気なのは乙女心。花も可憐でふわっと咲くタイプで、香りもあるバラです。」
凛とした雰囲気のロイヤルハイネス
「きりっとしてるのがお好きならロイヤルハイネスがおすすめです。ハイブリットティーは四季咲き大輪系で一番新しいバラの系統ですが、ロイヤルハイネスは葉の美しさ、樹勢の伸びやかさで、ハイブリットティの中でも究極の美しさを持つばバラのひとつだと思います。アメリカでできたバラですね。」
姫野バラ園の姫野さん
流れるようにバラについての説明をしてくださった姫野さん。姫野さんの説明を聞いているとバラの面白さが伝わってきて、若い苗を2つほど購入してしまいました・・・
富士見高校
富士見高校園芸科の出店ブース
富士見高校園芸科の出店ブースには蜂の着ぐるみを来た元気な高校生たちがいました!
「野菜と花苗を作っています。3年生が野菜苗を作りました。春に種をまいて、収穫までが授業になります。野菜と花苗に取り組んでいます。花は今回はゼラニウムを出品していますが、シクラメンも栽培しています。農家の後継ぎだけが通うわけではなく、花や園芸が好きで通っている人など様々です。」
園芸課には4つの研究部があり、グリーンデザイン部という生け花などを研究しているところ、養蜂部という蜂を育てる部活と、環境科学部というものと、バイオテクノロジー部という「アツモリソウ」などを育て維持している部活があります。
環境科学部では廃油で作る洗濯石鹸を販売していました。洗濯物の泥汚れや皮脂の汚れを良くとるのでお風呂掃除などにも使うことができます。洗濯石鹸の作り方のワークショップなども開催しています。
日本ミツバチを守る取り組み
養蜂部は日本ミツバチを守る活動をしています。日本ミツバチは環境の変化に影響を受けやすくデリケートです。「日本ミツバチを守るために何ができるのか」を高校生たちが考えて活動しています。耕作放棄地を使ってビーズガーデンというガーデンを作り、蜜源植物のハーブを植えています。
〈養蜂部については本も出てます〉
中山植物園
坊ヶ鶴手まりという名の山アジサイ
山紫陽花と山野草が充実していた中山植物園さんです。
両性花と装飾花が混じって咲く手まり咲き。「坊ヶ鶴手まり」という山アジサイの品種です。
色とりどりの山アジサイ
お客さまから管理方法の質問などがあると増やし方なども交えて丁寧に説明されていました。山紫陽花は標高1800mぐらいでも育てることができるのと、挿し木で簡単に増やすことができるそうです。花つきのいい山アジサイがたくさん。いろんな種類が有るんですね、というと「はまっちゃうとナン十種類とあるから・・・」とおっしゃっていました。
中山植物園の社長 中山さん
伊予(四国)や肥後(熊本)の産地では自然交配で変わった花が咲いており、出向いて枝を貰ってくるんだそう。
小さな花が密集して咲く矢車草菊
中山さんが一番好きな花は可憐な矢車沢菊。線の細さとニュアンスのあるピンクが可愛らしいお花でした。
花の小道
植物の特性ごとに色分けされた「花の小道」さんのプライスカード
特筆するべきは販促!八ヶ岳周辺は寒冷地も多いため、値札が耐寒温度ごとに色分けされています。私は標高1400mのところに住んでいるので、耐寒性がある植物しか育てることができません。なので苗を購入するときは耐寒性を確認して購入するのですが、ここはラベルで色分けされているので非常に見やすく買いやすいです。
色分けされている販売品リスト
販売品リストも配布しており、そこにも色分けしてリストが書いてあります。また「鹿の食害にあわない(鹿に食べられない)」植物の苗コーナーも。甲斐ミント・コマなどが紹介されています。
小松フラワー
色とりどりのマーガレット
多年草を中心に草花を扱ってらっしゃいます。一押しのマーガレットがかわいい!落ち着いたピンクの花色です。
小松フラワーの斎藤さんご夫妻
「園芸店さんの反応を聞いて何を生産するか夫婦で話し合って決めています。今年の一押しはマーガレットです!全体の傾向としてはアンティークカラーなど大人っぽい花色の苗はリクエスト多いですね。」
(有)H&Lプランテーション
品種種類ともに充実した野菜苗
H&Lプランテーションさんは八ヶ岳と愛知県の春日井に農場を持っており、野菜苗とセダムを出店されてました。野菜苗は夏野菜を中心にいろいろな種類が有りました。落花生のおおまさりや八ヶ岳トウモロコシ、オクラも白オクラ楊貴妃、沖縄で「ネリ」と呼ばれる島オクラ島の唄、柔らかで美味しくスーパーなどにはあまり出回らない丸オクラのエメラルドなどどれもおいしそう。
漬物ウリのかりもり
愛知県や岐阜県で古くから生産されている漬物ウリのかりもり。日当たりの良いところであれば手間もかからないとのことなので、買ってみました。
代表の鵜飼さん
今回一番人気だったのはガーデンファーンだそうで、初日に完売してしまったそうです。
寄せ植えにしてもかっこいいガーデンファーン
ガーデンファーンは耐寒性のシダです。土地柄耐寒性のものが好まれるんでしょうか。いろいろな種類を寄せ植えにするのも素敵ですね。
FLOWER HEARTS 八ヶ岳
テーブルの真ん中は花苗が!
FLOWER HEARTS八ヶ岳さん大人っぽい宿根草・一年草の品ぞろえでした。
ラベンダーやカーネーションの苗
ラベンダー・カーネーションなどのなかでも、繊細な立ち姿の苗ものやニュアンスカラーが多い印象です。開花した写真もあるので選びやすいです。
ぺラルゴニウムパールグレイ
編集部員で夢中になったのがこちら。ぺラルゴニウムパールグレイ。シックな色味。
左・再興園の篠原さん 右・FLOWER HEARTS 八ヶ岳の田中さん
「花苗を買って楽しむ方たちのすそ野を広げたいなと思って活動しています。子どもの頃に花っていいなあと思う体験は大きいと思うので、学校や駅前など子どもの生活範囲のなかに花壇を作ったりする取り組みも進めていきたいなと思っています。」と田中さん。
再興園しのはら
寄せ植えが目立っていた再興園さんのブース
一年草を中心に展開されています。寄せ植えが非常にすてきで、こんな寄せ植えを作りたいな、という気分になるブースです!
篠原さんのつくる寄せ植えはとても素敵で、編集部員も「赤いペチュニアはこう使うんだ・・・」と言っていました。
いろいろな種類を綺麗にまとめたプランターの寄せ植え
寄せ植えを見て「この花はありますか?」と質問されているお客様もいらっしゃいました。
「直接お客様とやり取りをする機会はあまりないので、出店する場合はイメージを大切にしていきたいなと思っています。自分と同世代のお客様は苗を買う、ということがまだ身近ではないと思うので、パッと見たときに苗だけのイメージよりも寄せ植えなどで世界観を伝えたほうが響くかなあと。」
花弁のすくない「アネモネ咲き」のマリーゴールド・ムーンライト
一押しはマリーゴールドのムーンライト。初日で完売でしたが、あまり見ないアネモネ咲きで、花壇でよく見るマリーゴールドとは違う雰囲気です。
「自分で推した苗がお客さんから好評だとやはりうれしいですね。」
被災地支援ブースで寄せ植え体験
被災地に届ける寄せ植え作り
本部ブースのとなりでは被災地支援として、子どもを対象としたワークショップが開催されていました。
子どもたちがプランターに絵を描き、好きな苗を3つ選びます。2つは被災地に送る苗として鉢に植え付け、一つは持ち帰ることができるワークショップです。
苗をポットから出し、プランターに植え付けるまでをスタッフの方が一緒に取り組んでくださいます。
マッキーでプランターにお絵描き
八ヶ岳ファーマーズマーケットを主催している八ヶ岳グリーンネットワークでは、被災地支援として花を贈る活動を継続して取り組んでいます。
八ヶ岳カントリーガーデンの南條さんにお話を伺いました。
「今回のプランターは福島へ行きますが、福島は一番大変な地域に花の支援がほとんど届いておらず、子どもたちが描いたプランターの絵は花とともに地域の人たちに非常に喜ばれます。取り合いになるぐらいに。」
出来上がったカラフルなプランターたち
「避難解除された地域でも住民は戻っていない現状があり、またセイタカアワダチソウがそこらじゅうを埋め尽くしているので、原色の花色は景色に映え大変喜ばれます。」
編集部金子の戦利品
ハンター金子の戦利品
編集部金子が会場前から列に並び、会場後はまさにハンターというべき目で会場内を動き回っているのを何度か目にしました。。。こちらは戦利品。
ニュアンスカラーのシャーレーポピー
色も質感もかわいい!別の編集部員も「どこにあったんですかーーー!?」と後で絶叫していました。
ゲラニウム
発色がきれいなゲラニウム!
ゲラニウム
絞りの入った花色が美しい!
アガスターシェ
オレンジと赤みがかった花のグラデーションが魅力的・・・!
初日の金曜日で品切れてしまう品種も多かったようで、目指す品種や鉢物がある場合は初日の開場時間前にはスタンバイしていたほうが良いのかもしれません!八ヶ岳の一番気持ちがいい時期に開催されるこちらのイベント、ぜひ来年は行ってみてくださいね♪
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