アマリリスとは?育て方、花咲く季節、冬越し、飾り方まで詳しく紹介!
山田智美
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大きくユリのような花が印象的なアマリリスの育て方や冬越し、分球についてご紹介します。そのほか、花の咲く季節、生け方、飾り方、名前の由来や種類など、アマリリスについて詳しくなりたい方必見です!
目次
- アマリリスとは?基本情報
- アマリリスの名前の由来
- アマリリスの花の季節
- アマリリスの品種を紹介
- アマリリスは球根植物?
- アマリリスの育て方
- アマリリスの花が終わってからの育て方
- アマリリスの病害虫と対処法
- アマリリスを上手に育てるコツと注意点
- アマリリスの球根の太らせ方
- アマリリスの冬越し方法
- アマリリスの切り花を生けよう!飾り方のコツ
- アマリリスをもっと大好きになろう
アマリリスとは?基本情報
- 植物名:アマリリス
- 学名:Hippeastrum
- 科名:ヒガンバナ科
- 属名:ヒッペアストルム属
- 分類:多年草
アマリリスの特徴
アマリリスはユリのような大きな花が印象的な多年草です。南米を中心に、80種以上が分布していると言われています。この中の数種を交雑させて現在の園芸品種ができました。
アマリリスの花茎は太く、中は空洞になっています。アマリリスは花茎の先に直径10~20㎝ほどの大きなユリのような花を数輪放射状に咲かせます。
アマリリスの花色は、白やクリーム、ピンク、紫、赤、オレンジ、複色、覆輪と多様です。咲き方も一重咲きから八重咲き、花びらは先のとがった剣弁咲きや全体的に丸みを帯びたものまで様々です。
アマリリスの名前の由来
アマリリスの名前の由来は、以前はヒッペアストルム属がアマリリス(ホンアマリリス)属の仲間として分類されていたことによります。現在はアマリリス(ホンアマリリス)属とヒッペアストルム属は別属とされています。
アマリリス(ホンアマリリス)属は南アフリカのケープ州原産です。アマリリス(ホンアマリリス)属の1種であるAmaryllis belladonnaは「ベラドンナリリー」「ケープベラドンナ」と呼ばれる植物です。アマリリスによく似ていますが、草丈、花径ともにアマリリスに比べると小ぶりです。
アマリリスの花の季節
アマリリスの花の咲く季節は春から初夏にかけてです。アマリリスの花は、春に光沢のある葉が出てくると同時に花茎も伸びてきて開花します。中には秋咲き種もあります。
切り花のアマリリスの流通時期
切り花のアマリリスは通年出回っていますが、流通が増えるのは冬です。露地植えのアマリリスが休眠している頃、切り花のアマリリスが出回ります。
アマリリスの品種を紹介
アマリリスは花色、咲き方、共にバリエーションが豊富です。アマリリスにはどんな品種があるのか紹介します。
ヒッペアストルム・ プニケウム(Hippeastrum puniceum)
アマリリスの原種です。南米に自生します。花はオレンジ色で直径15㎝程度、花の後に葉が現れます。
ヒッペアストルム・レギナエ(Hippeastrum reginae)
花色はオレンジに近い赤で、中心部は黄味を帯びています。日本に渡ってきたのは古く、弘化の頃だと言われています。このアマリリス・レギナエは「ジャガタラ水仙」と呼ばれ親しまれています。
ヒッペアストルム・レティクラトゥム(Hippeastrum reticulatum)
ピンクがかった紫色に網目状の模様が入る美しいアマリリス。レティクラトゥムとこの変種のシロスジアマリリス(Hippeastrum reticulatum var. striatifolium)が昭和初期に輸入されました。
アマリリス・ヒブリダム(Hippeastrum × hybridum)
南米原産の数種を交雑させ育成させた園芸種の代表です。切り花や鉢物で親しまれているアマリリスの多くが、アマリリス・ブリダムです。花びらは丸みを帯びていて(丸弁)大輪であるのが特徴ですが、近年では中輪や八重咲きの品種もあります。
‘アップル・ブロッサム’(Hippeastrum × hybridum cv.Apple Blossum)
全体にピンクがかった赤が筋状に入る一重の大輪咲きです。
‘リバティー・ハイド・ベレー’(Hippeastrum × hybridum cv. Liberty Hide Berret)
オレンジがかった赤一色が印象的な、一重の大輪咲きです。
‘ピコティー’(Hippeastrum × hybridum cv. Picotee)
花びらの縁が赤く彩られた白花のアマリリスで、中心は少しグリーンがかっています。一重の大輪咲きです。
▼アマリリスの種類や花言葉はこちら
アマリリスは球根植物?
アマリリスは非耐寒性の球根植物です。鱗茎と言ってタマネギやニンニク、ユリ根のように肥大した葉が茎の周りに幾重にも重なって球状になっています。
アマリリスは有皮鱗茎と言ってタマネギやニンニクのように、鱗片が薄い皮に包まれています。これは鱗片内の水分を外に逃さない働きをしています。
アマリリスは分球しない?
大輪咲きのアマリリスは分球しづらいのでしょうか。
1870年代に初めて丸弁大輪のアマリリスが作出された頃は、遺伝的に不安定であり自然分球しにくいとされていました。現在では条件さえ合えばアマリリスの球根は分球で増やせます。
アマリリスの育て方
魅力的な花を咲かせるアマリリスを自宅で育ててみませんか。アマリリスの球根からの育て方と、苗からの育て方をそれぞれ紹介します。
アマリリスの球根からの育て方
アマリリスの球根は秋から春に出回ります。アマリリスの球根は手に持ってずっしりと重さのあるものを選びましょう。よく太った球根は栄養をたくさん蓄えています。
他にも傷やカビがないかを確認してください。
アマリリスの球根の植え付け時期と用土
アマリリスの球根は真冬を避けて秋の暖かいうちか、春の3~4月頃に球根の1/2~1/3が土から出るくらい浅く植え付けます。極寒期の植え付けは避けましょう。
アマリリスは水はけ良く肥沃な土壌を好みます。鉢に植えるなら市販の園芸用培養土で問題ありません。庭植えにするなら事前に腐葉土をすき込む等して、土壌を肥沃にしておくとよいでしょう。
植え付けから10日~2週間は水やりを控えめにし、乾燥気味に管理してください。アマリリスの球根は、急激に吸水させてしまうと腐りやすくなる心配があります。
アマリリスの苗からの育て方
アマリリスのつぼみがついた苗は冬から春に出回ります。葉に光沢があり、つぼみに損傷の無いものを選びましょう。
アマリリスの苗の植え付け時期と用土
苗で購入したアマリリスは、極寒期を避けて霜の心配がなくなってから植え付けるようにしましょう。
鉢植えで育てるなら市販の園芸用培養土で問題ありません。庭植えにするなら事前に腐葉土をすき込む等して、土壌を肥沃にしておくとよいでしょう。
アマリリスは花茎の中が中空になっています。開花すると花の重みで倒れてしまう心配があるので、しっかりと添え木をしてください。
植え付け後はたっぷりと水やりを行います。
アマリリスの植え替え
アマリリスの植え替えは2~3年に1度は行うようにしましょう。植え替えに適した時期は、植え付けと同じ3~4月です。霜の心配がなくなった頃に植え替えます。
鉢植えのアマリリスは、1~2回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。この時に用土も新しくしましょう。用土は市販の園芸用培養土で問題ありません。
アマリリスの花が終わってからの育て方
アマリリスは花が咲き終わったら、終わった花ごとに花がらを摘み取ります。1本の花茎の先に数輪の花が咲くので、1輪ずつ摘み取っていきすべての花が終わったら、花茎を根元まで切り詰めます。
葉は切らずに残しておきましょう。葉を残すことでアマリリスは光合成を行い、翌年の開花の為に球根を太らせることができます。光合成には日光と水分が必要です。花が咲き終わって葉だけになっても、黄色くなって枯れてくるまでは水やりを忘れないようにしてください。
秋になって葉が黄色くなってきたら休眠に入るサインです。地上部の枯れた葉を切り詰めて水やりを控えます。
アマリリスの球根の太らせ方
アマリリスの球根は生長期にしっかりと光合成をすることで栄養を蓄えます。光合成に必要なものは、日光、水、酸素です。
アマリリスの球根の太らせ方を紹介します。
- 花後は花茎を切り取り葉を残し、しっかりと日光に当てる
- 花が終わって葉だけになっても表土が乾いたらたっぷりと水やりを行う
- 葉が緑できれいな間は適宜肥料を与えて生長を促す
アマリリスの球根を太らせる為に必要なの条件はこの3つです。アマリリスの球根は毎年簡単に分球するものではありません。少し気を長く待ってみてください。
分球したアマリリスの球根は春の植え付け時に手で分けるか、うまく分かれなければナイフなどで切り分けて植え替えます。
アマリリスの冬越し方法
アマリリスは気温が下がると地上部が枯れて休眠期に入ります。秋になり葉が黄色くなって枯れてきたら、地際から切り取ります。地上部がなくなったら、水やりは控えてください。
鉢植えのアマリリスは雨が当たらない場所や室内に移動させて休眠させます。
庭植えのアマリリスは霜が降りるような寒冷地では、球根を掘り上げバーミキュライトなどに埋め込み、雨が当たらない場所で休眠させるようにしましょう。
アマリリスの病害虫と対処法
アマリリスは比較的病害虫の被害が少ない植物です。稀に発生することがある病害虫を対処法を合わせて紹介します。
赤ダニ
夏期など高温乾燥が続くと赤ダニが発生することがあります。こまめに葉に霧吹きをすると予防になります。葉の色が悪くなってきたら葉裏を確認しましょう。発生後は薬剤を散布するか、流水で洗い流します。
赤斑病
水はけが悪いと赤斑病が発生することがあります。水はけのよい用土で管理する、長雨は避けるようにしてください。葉に赤茶色の斑点が生じていたら、見つけ次第除去します。
▼赤ダニについて詳しくはこちら
アマリリスを上手に育てるコツと注意点
アマリリスの育て方のコツをまとめました。
- 球根を植え付け後10日から2週間は水やりを控えめにする
- 過肥は球根に負担をかけるので、肥料は葉が生長している時期に適宜与える
- 花が終わった後も葉が緑の間はしっかりと日光に当て水やりを行う
- 真夏は直射日光を避けるように半日陰で管理する
- 冬は休眠期に入るので水やりを控える
アマリリスの切り花を生けよう!飾り方のコツ
アマリリスは切り花でも流通しています。通年流通はありますが、種類も量も増えるのは冬です。アマリリスの切り花を楽しむためのコツを紹介します。
アマリリスの生け方のコツ
アマリリスは茎の中が空洞になっているのが特徴です。そのため花の重みで花茎が折れてしまうことがあります。茎の中に割り箸や細い木の枝などを入れ込んで補強をするとよいでしょう。補強をすることで生けやすくなる他、水の吸い上げもよくなり、花が長持ちします。
アマリリスの飾り方のコツ
アマリリスはユリのように大きな花とガラス細工のようなテクスチャーが印象的な植物です。また、すっと真っ直ぐに伸びた花姿の美しさも魅力です。
アマリリスの切り花の飾り方としては、その大きく印象的な花を強調するように大きな花瓶に数本放射状に生ける方法もおすすめです。インテリアのアクセントのような役割を果たしてくれます。
アマリリスの長く印象的な花茎の美しさを強調して、細い花瓶に1本だけ長く生けるのもおすすめです。すっきりとモダンな印象になります。
アマリリスをもっと大好きになろう
アマリリスの育て方や飾り方について紹介しました。大きく独特な花が魅力的なアマリリスの花。色や咲き方にもたくさんの種類があります。
お庭やお部屋の雰囲気にあわせて選んでみると楽しさも増しますよ。
アマリリスは印象的な花を咲かせますが、香りはなく、庭でも室内でも楽しめる花です。アマリリスの花をもっと身近に感じてみませんか。
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