アキレア(セイヨウノコギリソウ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アキレア(セイヨウノコギリソウ)
- 学名
Achillea
- 英名
- Yarrow
- 和名
- 鋸草
- 別名・流通名
- 西洋ノコギリソウ、ヤロウ、ハゴロモソウ
- 科名
- キク科
- 属名
- ノコギリソウ属
- 原産地
- ヨーロッパ
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の特徴
アキレアは、初夏~秋にかけて茎の先端に小さな花が固まりのようになって開花するキク科ノコギリソウ属の多年草です。和名にノコギリの名があるのは、葉がノコギリの刃のようにギザギザした形状をしていることからです。
たくさんの種類がある中で、一般的にアキレアと呼ばれるものはセイヨウノコギリソウ(A. millefolium)で、ハーブのヤロウ(コモンヤロウ)もその仲間です。日本に自生しているノコギリソウ属の仲間は、ノコギリソウやエゾノコギリソウがありますが、ノコギリソウとセイヨウノコギリソウは、花は似ていますが葉に違いがあるので見分けることができます。
ハーブのヤロウの花色は白ですが、園芸種のアキレアはカラーバリエーションが豊富です。丈夫で開花期間が長いので夏の庭や花壇に利用されたり、切り花としても人気があります。地下茎で広がる性質ですが、最近の改良種は広がり方が穏やかな品種もあります。
1cmにもみたない小花が固まって咲き、遠くから見るとひとつの大きな花のように見えます。線の要素のある穂状の花やグラス類と面の要素のあるアキレアを組み合わせたり、豊富な花色を利用して色彩にこだわった庭を造るなど、組み合わせ次第でさまざまな役割をしてくれる草花です。
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 25~100cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、赤、ピンク、黄色、オレンジ、アプリコット、複色 |
開花時期 | 5月~9月 |
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
開花 |
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
最近の日本の夏は猛暑日になることも多いため、温暖地では春~初夏は日当たりが良く、真夏は半日陰程度になるような場所の方がよい場合もあります。
用土
水はけの良い土を好みます。やや乾燥気味の土を好み、やせ地や荒れ地でも栽培可能です。
鉢植えは、草花用の培養土で問題なく育ちます。
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の育て方のポイント
水やり
地植えは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。ただし、乾燥が続いた時にはたっぷりと与えるようにしましょう。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷりと水やりを行います。
肥料
アキレアは、過肥を嫌います。肥料が多すぎると葉ばかり茂り、株が倒れやすくなります。
地植えは、ほぼ不要です。花つきや葉の色、生育が悪いようなら与えます。
鉢植えは、元肥を入れて植え付け、その後は春と秋に少なめに追肥する程度で十分です。
病害虫
目立った病害虫の害はありません。
アキレア(セイヨウノコギリソウ)の詳しい育て方
選び方
アキレアは品種がとても豊富です。品種によって草丈や株の広がり方、花つきに違いがあります。葉の色があざやかで株元まで葉が密についた苗を選びましょう。
種まき
種まきの時期は春か秋です。箱まきかポットに数粒ずつまいて良い芽を残して育苗しましょう。
箱まきの場合、本葉が3~4枚程度になったらポットに移植して育苗してから植え付けます。
植え付け
種から育てた場合は、ポットの根が回ってきたら定植します。真夏や真冬を除けば、通年植え付け可能です。
植え替え・鉢替え
植え替えや株分けの適時は春と秋です。
アキレアは、地下茎で広がりながら生長します。株が混みあったり広がりすぎたら、株分けを行いましょう。
鉢植えは、鉢が根でいっぱいになったら一回り大きな鉢に植え替えます。
花
5月~9月に開花します。終わった花がらは、こまめに摘み取りましょう。
花は、切り花やドライフラワーとして楽しむことができます。
収穫
ハーブのヤロウは食用にも利用できますが、園芸種のアキレアは特別に記載がない限りは鑑賞用にとどめましょう。
飲食用と観賞用では、使用薬剤が違うことがあります。
夏越し
過湿には弱いので、株元が蒸れているようならすきこみ剪定をしてすっきりとした株で夏を越すようにします。
冬越し
冬前に株元で剪定しましょう。冬は地上部分がなくなるか、若干確認できる程度で生長は止まりますが、春に新芽が芽吹きます。鉢植えで栽培している場合は、根は生きているので完全に断水すると枯れます。冬も鉢の表面が乾いたら水やりを行いましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分け、種、挿し木で増やすことができます。環境にあうとこぼれ種でも増えます。