シクラメンが咲かない理由と対処方法
とまつあつこ
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シクラメンが咲かないときの対処法をご紹介!シクラメンは冬に室内で育てる花鉢の代表と言える花で、お歳暮や贈答用にもよく用いられます。いただいたり、気に入って買った鉢なのに花が咲かなくなったり、花や葉に元気がなくなってしまうと悲しいですよね。今回は、シクラメンが咲かない理由と対処方法についてお話しします。
目次
シクラメンとは
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物。愛好家も多く、寒い冬の時期に室内を上品に明るく彩ってくれる花です。
シクラメンは、青々としたハート形の葉が茂り、葉の中央に細い茎を伸ばして頂点に花を咲かせます。花色は赤やピンク、白、紫などがあり、花びらは丸弁で反り返るようにして咲くのがスタンダードタイプやフリル咲き、フリンジ咲き、八重咲きなど多様にあります。
大輪系、中輪系、小輪系(ミニシクラメン)のタイプがあり、両手で抱える大株のシクラメンもあれば、手のひらに乗ってしまう小さなミニシクラメンまで存在します。葉の色も斑入りの緑葉の他、シルバーリーフやプラチナリーフと呼ばれる銀色の葉をもつタイプも登場し、最近では香りを楽しむ品種も注目されています。
シクラメンは11月頃から出まわり、寒さに弱いため室内で育てます。上手に育てると4月頃まで花が咲き、その後は少しずつ花や葉が減り、5月頃になると花が咲かなくなります。シクラメンは暑さも苦手なため、ワンシーズン限りの楽しみ方をする方も多いですが、本来は球根植物なので夏越しができれば何年でも花を咲かせることができます。
シクラメンの仲間に、耐寒性のあるガーデンシクラメンがあります。ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものです。ミニシクラメンとガーデンシクラメンは花姿は似ていますが、耐寒性に違いがあります。ガーデンシクラメンは屋外で冬越し可能ですが、シクラメンは基本的に冬は室内で育てましょう。
ただ、中には半耐寒性があり、東京以西で霜に当たらなければ屋外の軒下などで越冬できるシクラメンもあります。ラベルを見たり、その品種の特徴を調べて育てましょう。
シクラメンを置く場所
シクラメンは冬の植物ですが、寒さに弱いため、寒い場所に置くと花が咲かなくなります。基本的に花が咲く時期(10月~4月頃)は室内で育てましょう。暖房の風が直接当たるような場所は避けます。
シクラメンは日当たりと風通しの良い場所を好みます。日が当たらないと花芽がつきにくくなるため、室内の日当たりの良い窓辺に置くのが最適です。ただ、夜間の窓辺は暖房を切った後に急激に気温が下がるので、夜間のみ窓から離れた場所に移動させましょう。
日光を好むシクラメンですが、直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまいます。屋外で夏越しさせるときは、半日陰か明るい日陰に置き、風通し良く育てます。
シクラメンの適温
シクラメンは5℃~20℃くらいが適温です。寒すぎても暑すぎても花が咲かなくなります。昼と夜の温度差の少ない環境だと状態よく育ちます。
1年目のシクラメンは室内の日が当たる窓辺で育て、屋外で夏越しさせたシクラメンは最低気温が5℃~10℃になったら室内に取り込んで冬越しさせましょう。
シクラメンの水やり
シクラメンは、水が切れてしまうと花が咲かなくなります。
室内で底面給水の鉢を使って育てている場合は、株元に水やりするのではなく、底面の受け皿に水を足します。受け皿の水が切れないようにしましょう。受け皿をはずして株元に水やりする際は、なるべく花や葉に水がかからないように、株元に水をかけます。
室内で普通の鉢で育てている場合は、土が乾いたらたっぷり水やりします。受け皿にたまった水は捨てましょう。シクラメンは過湿にも弱いため、水をやりすぎても根腐れして花が咲かなくなります。
状態が良いときのシクラメンの花茎や葉は、真っ直ぐピンと伸びています。水が足りなかったり与えすぎると徐々に倒れてくるので、土の乾き具合と合わせて、花茎や葉を見ながら水やりのタイミングを見極めましょう。
シクラメンを夏越しさせる際、休眠させる方法と、休眠させずに育てる方法があります。休眠させる場合は、夏の間は水を与えません。休眠させない場合は、屋外の風通しの良い涼しい場所で適宜水やりを続けて育てます。また、底面給水の鉢を屋外で夏越しさせるときは、底の部分をはずして水を溜めないで管理しましょう。
シクラメンの肥料
シクラメンは肥料を好み、花が咲く時期はどんどん栄養を必要とします。肥料が足りないと花数が減ってしまうので、10月~3月頃は適宜適量を追肥しましょう。シクラメン専用の肥料も販売されています。
シクラメンの花がら摘み
シクラメンは、咲き終わった花をそのままにしておくと種ができ、種に栄養がまわって次の花芽に栄養がいかず花芽がつきにくくなります。
また、葉の上に落ちた花をそのままにしておくと、病害虫の原因にもなります。花が咲き終わったら、茎の根元からひねるようにして抜き取りましょう。茎が途中で切れてしまうとそこから病気にかかることがあります。茎は根元から取り除くことが大切です。
シクラメンの夏越し
シクラメンは夏の暑さに弱い植物です。夏越しが上手くできないと、2年目のシクラメンを咲かせることはできません。ここで2つの夏越し方法を紹介します。夏越し後、寒くなってきたら室内に取り込んで明るい窓辺で育てましょう。
ドライタイプの夏越し方法(水をあげない)
5月頃、葉が黄色く枯れてきたら花と葉を取り除いて球根だけの状態にします。屋外の雨の当たらない半日陰~日陰に置いて、水をあげずに休眠させます。秋の風を感じる頃、水やりを開始しして元気な葉が出てきたら日当たりの良い場所に移動して育てます。
球根を掘り起こして日の当たらない涼しい場所で保管する方法もあります。掘り起こした場合は、秋に新しい土を使って植え付け、水やりを開始します。
ウェットタイプの夏越し方法(水をあげる)
5月頃、枯れた花と葉を取り除き、元気な葉だけを残します。屋外の半日陰~日陰に移動し、土が乾いたらたっぷり水をあげて適宜追肥も行い、引き続き葉を育てます。 秋の風を感じるようになったら、日当たりの良い場所に移動して育てます。ドライタイプの夏越し方法よりも早く花が咲きます。
シクラメンの花を咲かせよう
シクラメンは暑さにも寒さにも弱いので、育てるのが難しいように感じるかもしれませんが、シクラメンの性質や好む環境、管理のコツをつかめば上手に育てられます。
1~6のことに注意して、花をたくさん咲かせて楽しみましょう!
- 秋冬は室内の日当たりの良い窓辺に置く。夜間は窓から離す。暖房の風は直接当てない。
- シクラメンの適温は5℃~20℃くらい。なるべく昼と夜の温度差の少ない環境にする。
- 水が切れて乾燥しても、水のやりすぎも状態を悪くする。
- 10月~3月頃は適宜適量を追肥する。
- 花が咲き終わったら、茎の根元からひねるようにして抜き取る。
- 屋外で夏越しさせるときは、半日陰か明るい日陰に置いて風通し良く管理する。
室内で楽しむシクラメンと、屋外で育てるガーデンシクラメンの性質上の大きな違いは、耐寒性の有無です。その他の点は似た性質なので、ガーデンシクラメンが咲かない場合も、3~6のことに注意して育てると花が咲きやすくなります。
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