記事カテゴリ

Special

完全版! 花の水揚げ図鑑|花の種類ごとに水揚げ方法を紹介

バラやダリアなど、花の種類ごとに長持ちさせるための水揚げ方法を紹介。水切りや湯揚げなど、それぞれの方法と手順についても詳しく解説します。

目次

花の種類ごとの水揚げ方法

花の水揚げとは、吸水力をアップさせ、切り花の鮮度を保ち、長持ちさせるために行う作業のこと。

通常、生花店等で購入したばかりの切り花は水揚げ処理が行われているので、そのまま花器に生けて問題ありません。ただ、なんだか元気がないときや、持ち帰りまでに時間が経過した花などは、自宅で水揚げを行うとシャキッとして長持ちするようになります。また、こまめに花器の水を取り替えることと、水替えのたびに茎を切り戻して鮮度を良くしておくことも長持ちさせるコツの一つです。

お花ごとの適切な水揚げ方法を解説します。

バラ

バラ

  • 水揚げ方法:水切り、湯揚げ

バラの水揚げは、水切りが有効です。また、つぼみを開かせたいときには、湯揚げも有効です。葉から水分を蒸散させるので、葉は上部数枚を残して、取り除くようにしましょう。花器に生ける際に、切り口を斜めに切り直すと吸水面が増えるので、水の吸い上げが良くなります。

紫陽花

紫陽花

  • 水揚げ方法:ワタを取る、湯揚げ

紫陽花は茎の中のワタを取る方法が有効です。ワタを取り除くことによって、茎の中の道管に水が届き、吸水力が上がります。また、葉からの水分の蒸散を防ぐために上部2~3枚を残して、余計な葉は取り除くようにしましょう。

紫陽花の花が下垂するほど萎れてしまったら、湯揚げをおすすめします。新聞紙で巻いたまま、花首近くまで水に浸かるくらいの深水に数時間から一晩浸けておくことで復活することもあります。

紫陽花は、水が好きな花です。花器には半分から2/3程度の水を入れる深水で生けるようにしましょう。

ダリア

ダリア

  • 水揚げ方法:水切り

ダリアは、水切りが有効です。ダリアは花びらに傷がつきやすいので、新聞紙で包まずに水切りします。茎の中が空洞になっていて、空気が入りやすいので、必ず水中で切り戻してください。

ガーベラ

ガーベラ

  • 水揚げ方法:水切り

ガーベラの水揚げ方法は、水切りが有効です。水揚げで吸水させている間に、花の向きが決まってしまうのが特徴です。花首までしっかりと新聞紙で包み、真直ぐに立てるようにして吸水させましょう。ガーベラは、茎の中が傷みやすいので、切り口を確認して、中が茶色く変色しているようであれば、きれいな部分まで切り戻すようにします。また、数日で花びらが外側に反りかえるのは、ガーベラ特有の性質です。花がダメになったわけではないので、萎れるまで楽しみましょう。

ワスレナグサ

ワスレナグサ

  • 水揚げ方法:湯揚げ、水切り

ワスレナグサの水揚げ方法は、水切りか湯揚げが有効です。露地で花が咲くのは、4月~5月ですが、切り花の流通が始まるのは1月頃からです。この時期はまだ気温が低いため、寒さで花が萎れてしまうこともしばしば。湯揚げをして、3時間から1晩程度ゆっくりと吸水させるうようにしましょう。

チューリップ

チューリップ

  • 水揚げ方法:水切り

チューリップは、水切りが有効です。花器の水は茎が3~5cm浸かる程度の浅水にします。チューリップのような球根植物は、元々水分の含有量が多いので、それほど水揚げに神経質になる必要はありません。乾燥してしまった茎の切り口を切り戻し、鮮度を良くする程度で十分です。

ラナンキュラス

ラナンキュラス

  • 水揚げ方法:水切り

ラナンキュラスは、水切りが有効です。葉がたくさん付いているようであれば、2~3枚を残して取り除きましょう。特に数本をまとめて生ける際は、中の方の葉が蒸れて傷みやすいので注意しましょう。花器の水は浅水で、生ける際に切り口を斜めに切り直すと、吸水面が増えて水の吸い上げが良くなります。

スカビオサ

スカビオサ

  • 水揚げ方法:水切り、湯揚げ

スカビオサの水揚げ方法は、水切りか湯揚げが有効です。吸水させている間に花の向きや花姿が決まってしまうので、花首までしっかりと新聞紙で包み、真直ぐに立てるようにして吸水させましょう。

ルピナス

ルピナス

  • 水揚げ方法:水切り、湯揚げ

ルピナスの水揚げ方法は、水切りか湯揚げが有効です。水揚げで吸水させている間に、花の向きが決まってしまうのが特徴です。真直ぐに立てるようにして吸水させると、上までピンとした花姿になります。わざと斜めや寝かすようにして吸水させると、花の向きに動きが出て、花器に生けた時に様になります。いろいろと試して、好みの姿を見つけてください。

ヒマワリ

ヒマワリ

  • 水揚げ方法:水切り、湯揚げ

ヒマワリの水揚げ方法は、水切りか湯揚げが有効です。ヒマワリは葉が萎れやすいので、余計な葉は取り除くようにしましょう。花器に生ける際に、切り口を斜めに切り直すと、吸水面が増えて、水の吸い上げが良くなります。

コスモス

コスモス

  • 水揚げ方法:湯揚げ、水切り

コスモスの水揚げ方法は、湯揚げ、水切りが有効です。コスモスのような草花は、湯揚げを行うと一気に水を吸い上げてシャキッとします。数本をまとめて生ける際は、中の方の葉が蒸れて傷みやすいので、余計な葉は取り除いておきましょう。

ユリ

ユリ

  • 水揚げ方法:水切り

ユリの水揚げ方法は、水切りが有効です。ユリは花びらに傷がつきやすいので、新聞紙で包まずに、下の方の葉を取り除き、水切りします。たくさん水を吸う花なので、花器に生ける際は深水で生けるようにしましょう。

リモニウム(スターチス)

スターチス

  • 水揚げ方法:水切り

リモニウムの水揚げ方法は、水切りが有効です。リモニウムは、きれいなドライフラワーになる乾燥に強い花です。あまり水揚げに神経質になる必要はありません。花器に生ける際は浅水で生けるようにしましょう。

ヒガンザクラ

  • 水揚げ方法:枝を割る

桜の水揚げ方法は、枝を割る方法が有効です。枝を割る際は、中心の芯の部分を狙ってください。そうでない場所を割っても、吸水力は上がりません。水に浸かる部分の樹皮を剥ぐと、さらに吸水力が上がります。

ミモザ

ミモザ

  • 水揚げ方法:割る

ミモザの水揚げ方法は、枝を割る方法が有効です。ミモザは水落ちしやすい花なので、水に浸かる部分の樹皮を剥いで、できるだけ吸水面を多く確保するようにしましょう。花器の水は深水で生けるようにしてください。

ライラック

ライラック

  • 水揚げ方法:ワタを取る、割る

ライラックの水揚げ方法は、ワタを取るか、枝を割る方法が有効です。細い枝であれば、斜めに大きくカットして、中のワタを取ります。太い枝は、割って吸水面を増やしましょう。どちらの方法も、樹皮を剥いで吸水面を増やすようにします。また、葉から水落ちしていくので、余計な葉は取り除くようにしましょう。

ユーカリ

ユーカリ

  • 水揚げ方法:割る、切る

ユーカリの水揚げ方法は、枝を割る方法が有効です。枝が細くて割る余地がないようなものは、ハサミで切るだけでも十分です。ユーカリのようなネイティブフラワーやオージープランツと呼ばれるものは、水落ちしにくく、長く楽しめるのが魅力。あまり水揚げに神経質になる必要はありません。こまめに花器の水を取り替え、茎を切り戻して鮮度を良くしておきましょう。

目次に戻る≫

水揚げ方法の種類と手順を解説

水切り

水切り

水切りとは、水中で茎を切る方法です。水の中で茎を切るので、切り口が乾燥したり、空気が入ることがないので、効率よく吸水させることができます。

水切り方法の手順は、茎の下部1/3~1/2の葉を取り除いてから、新聞紙で全体を包み、水の中で茎を5mm~1cm切り戻して、そのまま2~3時間水に浸けておきます。花がシャキッとしていたら、新聞紙を外して、花器に生けて飾りましょう。

湯揚げ

湯揚げ

湯揚げとは、茎の切断面を熱湯に浸ける方法です。熱湯につけることで、茎の中の空気を抜いて一気に吸水させる他、バクテリアを除去して鮮度を良くする効果があります。

湯揚げの手順は、花に蒸気が当たらないように上までしっかりと新聞紙で包みます。茎を1cm程度切り戻して、茎の先5mm程度を熱湯に20~60秒程浸したら、すぐに水に浸けます。2~3時間経ったら水から出して、茎の先の変色している部分を切り落とし、花器に生けましょう。熱湯につける時間は、それぞれの植物の茎の太さや長さにより違います。

ワタを取る

ワタを取る

ワタを取るという方法は、茎や枝の中に詰まっている白いワタを取り除くことで、茎の内部の水に触れる面積を増やし、吸水力を上げる方法です。紫陽花やライラック、オオデマリなどに有効です。

ワタを取る手順は、下の方の葉を取り除き、新聞紙で包んだら、ナイフで茎の下部5cm程度を大きく斜めに削ぎます。ナイフがなければ、ハサミでできるだけ大きく斜めにカットしましょう。中に白いワタが見えるので、掻き出し、すぐに水に浸けます。2~3時間経ってシャキッとしていたら、新聞紙を外して、花器に生けて飾りましょう。

水折り

水折りとは、水中で茎を手で折る方法です。鉄製の刃物を嫌う植物に行う水揚げ方法ですが、昨今はステンレス製など、鉄製ではないものも増えているので、水折りにこだわらなくてもよいでしょう。茎の切断面の繊維を破壊して吸水力を上げる効果があります。

水折りの手順は、茎の下部1/3~1/2の葉を取り除いてから、新聞紙で全体を包み、水の中でねじ切るように茎を折ります。そのまま2~3時間水に浸けておきます。花がシャキッとしていたら、新聞紙を外して、花器に生けて飾りましょう。

割る

割る

割るというのは、枝の下部をハサミで十字や一文字に切れ込みを入れるように割る方法です。ハサミで切断できないような固くて太い枝に有効です。枝を大きく割ることで、切断面を増やし、内側からたくさんの水を吸い上げるようにします。

割りを入れる手順は、枝の中心部にある芯を狙って、剪定バサミを入れます。うまく入るとパキっと割れるので、ハサミを左右に動かすようにして、裂け目を大きくします。そのまま花器に生けて飾りましょう。ハサミで切れないくらい大きな枝は、ノミを使って割るようにします。

枝を割る際に、外側の樹皮もナイフやハサミで削るように剥ぐと、さらに吸水力が上がります。

叩く

叩く

叩くというのは、枝の下部を叩いて、繊維を破壊することで、吸水力を上げる方法です。枝を割ったり、樹皮を剥ぐ方法でも問題ないので、あまり家庭では行いません。

手順は、床が傷つかないように布や紙を敷き、その上に枝を置き、金槌や木槌のような固いもので叩いて、繊維を破壊します。

焼き揚げ

焼き揚げ

焼き揚げとは、枝の下部を焼いて炭にする方法です。ハサミで切ることができない大きな枝などに有効です。殺菌効果があり、水の吸い上げが良くなるといわれていますが、家庭ではあまり行いません。枝を割ったり、叩いたりする方法で十分です。

目次に戻る≫

花の種類によって向いている水揚げ方法がわかれば、自宅の花を長持ちさせられるようになるはず。コツをつかんで、花のある暮らしを楽しんでください。

 

▼編集部のおすすめ

もっと楽しむ

メルマガ会員募集中

  1. 旬の園芸作業やおすすめの植物情報をお届け
  2. 季節の植物情報やプレゼント企画の先行お知らせ
  3. お気に入り記事や植物図鑑を登録してすぐに見つけられる
  4. Q&Aでみんなに質問したり回答を投稿できる

メールアドレスと
パスワードだけで登録完了

会員登録画面へ進む

LOVEGREEN QA 質問してみる 小さな相談でも皆で解決!

LOVEGREEN 公式アカウントをフォロー!

の人気記事ランキング

LOVEGREENの新着記事

TOP